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故障・修理
更新日:2024.02.14 / 掲載日:2024.02.14

ブレーキキャリパーの交換方法 手順と交換が必要なタイミングを徹底解説

ブレーキキャリパーを長年使用していると、経年劣化やサビなどの付着により、ブレーキトラブルが発生しやすくなります。この記事では、ブレーキキャリパーを自分で交換するときの手順と、交換のタイミングを解説しています。

記事の後半では、業者に交換を依頼した場合の費用相場や業者選びのポイントを紹介しています。自分で交換する方法を確認し、自分では難しいと感じた場合は業者に依頼しましょう。

1.ブレーキキャリパーを自分で交換する方法

ブレーキキャリパーを自分で交換する方法をご紹介します。手順は以下のとおりです。

1.必要な工具を用意する
2.車を持ち上げてホイールを取り外す
3.ブレーキキャリパーからブレーキパッドを取り外す
4.ブレーキキャリパーを取り外す
5.新しいブレーキキャリパーを取り付ける
6.ブレーキフルードの補充とエア抜きを行う
7.ホイールを取り付ける
8.ブレーキの動作確認と試運転をする

(1)必要な工具を用意する

ブレーキキャリパーを交換するには、以下の工具が必要になります。

ジャッキ&ジャッキスタンド車を持ち上げて、ホイールを外すために必要
クロスレンチホイールナットの取り外しや取り付けに使用
メガネレンチブレーキキャリパーのボルトやブレーキホースの取り外し、取り付けに使用
ラインストッパーブレーキホースを取り外した際の止め栓として使用
新しいガスケットブレーキホースを取り付ける際に使用
スピンナーハンドルマウンティングブラケットのボルトを外す際に使用
フルード受けブレーキフルードを抜き取る際、床にこぼれないように使用
新しいブレーキキャリパー適合するブレーキキャリパーを準備
グリスブレーキパッドとの接触面に塗布
ブレーキフルードブレーキフルードが足りない場合の補充用
パーツクリーナー&布汚れた箇所を清掃するときに使用
ブレーキフルードが誤って塗装面についたときに洗い流す
作業用手袋怪我の予防などのために準備

(2)車を持ち上げてホイールを取り外す

ジャッキスタンドを設置し、ナットを緩めている(イメージ)

ブレーキキャリパーの交換作業に入る前に、車を持ち上げてホイールを取り外す必要があります。

①車が動かないように固定する

安全な場所で駐車ブレーキをかけたら、車止めやブロックを使い、車が動かないようにしてください。

②車を持ち上げる

ジャッキアップポイントを確認し、ジャッキを適切な位置にセットします。ゆっくりとジャッキアップし、タイヤが地面から浮くまで持ち上げます。ホイールが完全に浮いたら、ジャッキスタンドを設置します。

③ホイールを取り外す

クロスレンチを使ってホイールナットを緩め、ホイールを車体から取り外しましょう。この際、車体ができるだけ高くなるようにジャッキスタンドを設置していると、楽に作業できます。

取り外したホイールを車体の下に置いている(イメージ)

なお、ジャッキアップする前に、ホイールナットを軽く緩めておくと、あとの作業でホイールを取り外しやすくなります。取り外したホイールは、万が一ジャッキスタンドが外れて車の下敷きにならないよう、車体の下に置いておきましょう。

(3)ブレーキキャリパーからブレーキパッドを取り外す

ホイールを取り外したあと(イメージ)

ホイールを外したら、ブレーキキャリパーからブレーキパッドを取り外します。手順は以下のとおりです。

①ブレーキキャリパーからホースを外す

シリンダーボディに固定されている、ブレーキホースをメガネレンチで緩めてください。緩めたらブレーキホースを外しますが、ホース内にあるブレーキフルードがキャリパー側から流れ出てきます。フルード受けを用意しておき、床が汚れないようにします。また必要に応じて取り外したブレーキホースに、ラインストッパーをつけフルードが垂れ流しにならないようにしましょう。

②ブレーキキャリパーのボルトを外す

ブレーキキャリパーを固定しているボルト2本のうち、下側のボルトをレンチで外します。

③ブレーキキャリパーを持ち上げる

下側のボルトを外したら、上側のボルトを支点にして持ち上げます。下側のキャリパーボルトの穴とサスペンションをS字フックで引っ掛けて、落ちてこないようにします。

④ブレーキパッドを外す

ブレーキキャリパーを持ち上げたら、ブレーキパッドを外してください。ブレーキパッドによって、スプリングクリップやピンを外す場合があります。

車種によって、「ブレーキキャリパーを持ち上げる」工程の際に、ブレーキホースの長さが足りずに引っ張られることがあります。その際は、ブレーキキャリパーを固定しているボルトを2本とも外します。

(4)ブレーキキャリパーを取り外す

ブレーキパッドを外したら、次にブレーキキャリパーを取り外します。手順は以下のとおりです。

①ブレーキキャリパーのボルトを外す

メガネレンチを使い、ブレーキキャリパーを固定している上側のボルトを外します。

②ブレーキキャリパーを取り外す

つながっているブレーキホースを外したら、ブレーキキャリパーを取り外しましょう。

③ブレーキキャリパーのマウンティングブラケットを取り外す

マウンティングブラケットの上下2本のボルトをスピンナーハンドルなどで外します。

(5)新しいブレーキキャリパーを取り付ける

新しいマウンティングブラケットとブレーキキャリパーを取り付けたあとに、外したブレーキホースやブレーキパッドを元のように装着します。基本的には、取り外しと逆の手順で進めていきます。手順は以下のとおりです。

①新しいブレーキキャリパーを取り付ける

新しいブレーキキャリパーを用意し、上側のボルトのみを締め付けてます。ボルトを締め付けたら、ブレーキキャリパーが落ちてこないように、下側のキャリパーボルトの穴とサスペンションをS字フックで引っ掛けておきます。

②ブレーキパッドを元の位置に戻す

ブレーキパッドがキャリパーブラケットと接触する箇所(ブレーキパッドの両端)にグリスを塗布し、ブレーキパッドを元の位置に戻してください。

グリスを塗布する箇所(イメージ)

③ブレーキキャリパーを組み付ける

ブレーキキャリパーの下側のボルトを締め付けます。あわせて、外したパーツの締め付けに問題がないか確認しましょう。

④ブレーキホースをつける

メガネレンチを使い、外しておいたブレーキホースをシリンダーボディに固定しなおします。また、ブレーキホースについているガスケットは新品に交換します。

(6)ブレーキフルードの補充とエア抜きを行う

ブレーキキャリパー交換時にブレーキフルードが流れた場合、ブレーキフルードが足りない状態になっています。タンクを確認し、足りない場合には補充しましょう。

①ブレーキフルードを補充する

リザーバータンク(イメージ)

ボンネットを開け、エンジンルーム内のリザーバータンクに入っているブレーキフルードの量を確認しましょう。タンクにはMAX(上限)とMIN(下限)の表示があります。MINを下回っていたら、MAXとMINの間の量になるようにブレーキフルードを注入してください。

②ブレーキのエア抜きを行う

次に、ブレーキライン(ブレーキホース)内に入った空気を抜く(エア抜き)作業です。この作業は基本的に2人で行う必要があります。

ブレーキライン内に空気が残っていた場合、ブレーキ性能を低下させ、ブレーキが利かなくなり非常に危険です。エア抜きは、ホイールを取り外した状態でブレーキペダルを数回踏み、踏んだままの状態を維持します。

その状態でブレーキキャリパーにあるエア抜きネジ(ブリーダープラグ)を緩めると、ブレーキフルードが流れ出てくるため、フルード受けを設置します。流れ出るフルードに気泡が混じっていないかを確認しましょう。気泡が出なくなるまで、この作業を繰り返しましょう。

なお、エア抜きは部品を交換した箇所のみではなく、全輪してください。部品を外した際に、ほかのブレーキの配管にも空気が入っている可能性があります。

(7)ホイールを取り付ける

ホイールを取り付ける前に、今回の作業箇所を再確認し、ブレーキパッドの位置やブレーキキャリパーの取り付け方に問題がないかなどチェックしましょう。

問題がなければ、取り外したホイールを元の位置に取り付けたら、手やクロスレンチなどですべてのホイールナットを軽く締め付けます。

(8)ブレーキの動作確認と試運転をする

ジャッキダウンし、すべてのホイールナットをクロスレンチなどで本締めします。

その後、エンジンを掛けずに30回ほどブレーキペダルを踏み、ピストンがブレーキパッドを確実に押せる状態にしてください。これにより、ピストンがブレーキパッドをしっかりと押せる状態になります。

その際、キャリパーに取り付けたブレーキホースからフルードが漏れていないか確認しましょう。取り付けに不備があると、ブレーキフルードが漏れ、重大なトラブルにつながるので必ず確認が必要です。

問題なければ、フルードで汚れた足回り関係の部品は水で洗い流しましょう。

その後、安全な場所でゆっくりと進みながらブレーキを踏み、ブレーキの利き具合を確認します。また、ブレーキ操作時に異音や異常がないことも確認します。

これらの作業は、安全運転のために非常に重要です。なにかおかしいと感じたら、すぐに対応しましょう。

2.ブレーキキャリパーの交換が必要なタイミング

ブレーキキャリパーの交換が必要なタイミングは以下のとおりです。

1.ブレーキに関する不具合が発生したとき
2.走行距離が10万kmに到達したとき

順にご紹介しましょう。

(1)ブレーキに関する不具合が発生したとき

ブレーキをかけた際などに違和感や不具合がある場合は、ブレーキキャリパーにトラブルが発生している可能性があります。具体的には、以下のような不具合が発生したらブレーキキャリパーを点検し、問題があればオーバーホール(洗浄や部品交換)やブレーキキャリパーの交換を検討しましょう。

・ブレーキの効きが悪い
・走行中、車から焦げ臭い匂いがする
・ブレーキパッドが片方だけ摩耗している
・アクセルを踏んでも加速が悪い
・ブレーキパッドを交換する際、ピストンが戻らない

ブレーキキャリパーは長年使用していると、シリンダーの内部やピストンの外周部にサビや汚れが付着することがあります。

サビや汚れが蓄積すると、ピストンシールが元の位置に戻らなくなり、ブレーキキャリパー内のピストンが固着し、ブレーキを引きずる(ブレーキパッドがディスクローターを押さえつけたままになり、ブレーキがかかった状態になること)恐れがあります。

その結果、ブレーキパッドとディスクローターの摩擦により異常発熱し焦げ臭くなったり、ブレーキパッドが異常に摩耗したりするということです。

ピストンシールとは、ブレーキキャリパー内に嵌め込まれているゴム製のパーツのこと。キャリパー内に充填されているフルードの漏れを防ぐ。ほかにブレーキピストンの前後運動にあわせて変形し、ブレーキペダルを離した際、ピストンを元の位置に戻す役割がある。

なお、ブレーキキャリパーの固着は、基本的にオーバーホールで解消できます。しかし、サビがひどく、オーバーホールでも固着が取れない場合には、ブレーキキャリパー自体の交換が必要です。

(2)走行距離が10万kmに到達したとき

走行距離が10万kmに到達すると、経年劣化などによって上記で紹介した不具合やトラブルが発生しやすくなります。

そのため、走行距離が10万km前後になったタイミングでブレーキキャリパーの交換を検討しましょう。一般的に車の年間走行距離は約1万kmと言われているため、約10年経過した際が目安になります。

ただし、現在のブレーキキャリパーは耐久性や性能が向上しているため、交換ではなく、オーバーホールすることで不具合やトラブルを未然に防ぐことも可能です。

ブレーキキャリパーの耐久性や運転方法、走行環境などによっても異なるため、どちらがよいか判断できない場合は、専門業者に相談するのをおすすめします。

3.新しいブレーキキャリパーの選ぶ際の注意点

新しいブレーキキャリパーを選ぶ際は、使用しているホイールと適合するか注意しましょう。

純正のブレーキキャリパーに交換する場合は基本的に問題ありませんが、社外製のブレーキキャリパーを選んだ際に装着できない可能性があります。

例えば、これまでのものや、純正より一回りサイズの大きいもの(ビックキャリパー)に交換した場合、ホイール内のスペースが足りずに物理的に入らないかもしれません。

そのため、純正のブレーキキャリパー以外を装着したい場合は、適合性を確認しておきましょう。なお、冬場にスタッドレスタイヤに履き替える場合は、どちらのホイールにも装着できるタイプがおすすめです。

適合性がわからない場合は、専門業者に確認しましょう。

4.ブレーキキャリパーの交換は基本的に業者に依頼を

はじめにブレーキキャリパーを自分で交換する方法をご紹介しましたが、ブレーキキャリパーを誤って取り付けてしまうと、ブレーキが正しく作動せずに、事故などにつながる恐れがあります。

ブレーキキャリパーの交換は、車の安全性に直結する重要な作業になるため、自動車整備士並みの専門知識と技術を持っていないかぎりは、業者に依頼することをおすすめします。

費用相場と業者を選ぶときのポイントをご紹介しましょう。

(1)業者に依頼したときにかかる費用相場

ブレーキキャリパーの交換を業者に依頼したときにかかる費用相場は、1カ所5,000〜10,000円+ブレーキキャリパー代です。ブレーキフルードの補充やほかのパーツの交換が必要な場合は、追加で費用が発生します。

また、オーバーホールを業者に依頼する際の費用相場は、以下の記事で紹介しています。オーバーホールを検討している場合は、こちらの記事もご覧ください。

(2)業者を選ぶときのポイント

ブレーキキャリパーの交換を依頼する際に重視するべきポイントは以下の3つです。

①地方運輸局長からの認証を受けた整備工場か

ブレーキパッドの交換は「道路運送車両法」の分解整備に該当するため、地方運輸局長の認証を受けた整備工場でなければ行えません。

ディーラーやカー用品店であれば認証を受けずに違法整備していることは考えられませんが、小さな整備工場のようなところは、認証を受けていない可能性があります。

思わぬトラブルに巻き込まれないように、依頼する前には、「整備工場に認証された標識」が掲示されているかを確認しましょう。

②交換実績が豊富か

交換実績が豊富な業者は、さまざまな車種に適応できる経験を持ち、予期せぬトラブルにも対応できます。ブレーキに関する作業は、車の安全性に直結する部分であるため、経験や知識が豊富な業者には安心して依頼できるでしょう。

具体的には、「業者へ問い合わせ」や「ネット上の評価や口コミの件数」「ホームページ上での事例紹介」などで確認します。

③対応が丁寧か

顧客の質問にわかりやすく答えたり、作業内容や交換後のメンテナンス方法を詳しく説明してくれたりする業者を選びましょう。

丁寧な対応を心がけている業者は顧客の不安を解消してくれるため、信頼関係を築くことができます。また、細かい疑問にも応えてくれるため、安心して車を任せられます。

5.ブレーキキャリパーの交換はグーネットピットにお任せください

ブレーキキャリパーは安全性に関わる重要なパーツです。ブレーキをかけたときに不具合や違和感がある場合は、すぐにブレーキキャリパーを点検し、交換が必要か確認しましょう。

しかし、ブレーキには多くのパーツが使われているため、ブレーキキャリパーの問題なのか判断できないかもしれません。

そのような場合には、専門業者に点検・交換を依頼することをおすすめします。豊富な経験と知識を持つ専門業者を選ぶことで、安心して任せられ、車の安全性を向上させられます。

もし、専門業者選びに迷っていたら、グーネットピットにご相談ください。ブレーキに関する経験や知識が豊富なスタッフが、ブレーキ全体のメンテナンスをサポートいたします。

安心してご依頼いただけるよう、アフターフォローも丁寧に行います。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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