故障・修理
更新日:2024.01.31 / 掲載日:2024.01.31

HONDA旧型「スーパーカブ」エンジン・オーバーホール講座 腰下編【4】

大好評のHONDA旧型「スーパーカブ」エンジン・オーバーホール講座。これまでにシリンダーやヘッド回りのリフレッシュを行ってきました。ここではその続編として、クランクやトランスミッション、クラッチなど、シリンダーから下のいわゆる「腰下部分」を分解していきたいと思います。組み立てまでしっかり解説していきますのでぜひ参考にしてください。

●文&写真:橘 祐一

HONDA「スーパーカブ」の誕生は今から65年以上も昔の1958年。当初OHVだったエンジンは、1964年登場のC65からOHCタイプへと進化した。そしてその後はフルモデルチェンジが行われた2015年まで基本設計を大きく変えることなく半世紀以上にわたり生産された驚きのロングライフモデル。ここで取り上げるのはそんな旧型モデルのC65。

ミッションギヤそしてクランクを取り付ける

ギヤにダメージがなければ、このままの状態でクリーニングする。分解するときには順番を間違えないように。

左ケースの元の位置に取り付ける。この際にはワッシャーなどの取り付けを忘れないように。

クランクを取り付けるときには、シャフトが邪魔にならないように、ケースを木端などのブロックで持ち上げておく。

クランクケースの取り付け

左ケースにガスケットを載せる。この時、紙のガスケットにはシリコンオイルを薄く塗布した(塗らない方がいいという意見もあるので、これは好みで)。

クランクケースのボルトは中央から外側に向かって締め込んでいく。締め付けトルクは12Nm。

はみ出したシリンダー部分のガスケットはカッターなどで切り取っておく。

シフトパーツの取り付け

シフトストッパープレート、シフトドラムストッパー、シフトアームを下の位置に取り付けていく。向きなどを間違えないように。

オイルポンプの取り付け

オイルポンプを取り付ける。ボアアップをしている場合、オイルの吐出量が足りないので、90㏄用の純正や社外の大容量オイルポンプに交換しておくといい。80㏄程度であればオリフィスの拡大は必要ないと思う(個人の意見です)。

クラッチユニットの取り付け

クラッチユニットは、クラッチが滑るなどの症状がなければそのまま組み込む。クラッチ盤の交換や分解整備をする場合、裏側の大きなCクリップを取り外し、4ヶ所のネジを緩めれば分解できる。小さなスプリングを紛失しないように。

スターターコイルの取り付け

ステーターコイルはコイル表面にサビが出ていたので、#800のサンドペーパーで磨き、防錆剤を薄く塗布しておいた。ステータープレートをケースにはめ込んで、ステーターコイルを元の位置に取り付ける。

ローターとカバーの取り付け

マグネットローターもサビがひどかったので、サンドペーパーやワイヤーブラシで錆を落とし、薄く防錆剤を吹き付けておく。シャフトにマシンキーを取り付け、マグネットローターを取り付ける。締め付けトルクは41Nm。

ついに完成だ!

左側のクランクケースカバーにある、キックスターターシャフトのオイルシールは傷みやすいので、新品に交換しておく。クランクケースカバーを取り付けたら完成!

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ライタープロフィール

内外出版/オートメカニック
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