故障・修理
更新日:2024.01.28 / 掲載日:2024.01.28

初心者でもDIYできる! HONDA旧型「スーパーカブ」エンジン・オーバーホール講座【1】

HONDA「スーパーカブ」の誕生は今から65年以上も昔の1958年。当初OHVだったエンジンは、1964年登場のC65からOHCタイプへと進化した。そしてその後はフルモデルチェンジが行われた2015年まで基本設計を大きく変えることなく半世紀以上にわたり生産された驚きのロングライフモデル。そのため、東南アジアをはじめ世界中で今日も元気に走り回っている。ここで取り上げるのはそんな旧型モデルのC65。現行型ではないが、エンジンの基本構造は共通しているところが多いため、幅広いモデルの修理等で参考にしていただければ幸いだ。

●文&写真:橘 祐一

作業場の奥から発掘したカブエンジンを修理してみた

 2017年5月号から2018年5月号までオートメカニック本誌で連載した「スーパーカブ復活作戦」で、フレームまで全バラして修復した1989年式プレスカブ50。

 修復後は近所の買い物から林道ソロツーリングまでこなしてくれたのだが、いつの間にか乗る機会が減り、田舎に引っ越してからは移動のほとんどは軽トラックを使うようになってしまったため、作業場の片隅で埃をかぶってしまった。

 昨年、久しぶりに乗ってみようとキャブレターを掃除してエンジンの始動までは漕ぎ着けたものの、思ったよりエンジン回転が上がらず、走ってもトルク不足で気持ち良くなかったので、そのうち直そうと思い、また作業場の奥に仕舞い込んでしまった。

 先日、作業場が散らかってきたので掃除をしていると、積み上げたコンテナボックスの中に12Vカブ50の純正エンジンを発見。

 以前シャリーを直しているときに部品取り用として手に入れた中古エンジンだったと記憶しているが、72ccのボアアップシリンダーを組み込んだものの、結局使用しなかったのでエンジン内部の状態はわからない。

 頑丈なスーパーカブのエンジンなので、消耗部品を交換すれば復活するだろう。ということで、分解整備を試みることに。

 腰下のミッション周りまで分解して組み立て直したが、今回は作業時間の都合上、腰上のオーバーホールの手順を紹介しよう。

 カブ&モンキー系のエンジンは基本構造が同じなので、修理時の参考になるはずだ。

カムチェーンテンショナーを緩める

エンジン下の左側にはカムチェーンテンショナーが入っているので、ボルトを緩めてスプリングを抜いておく。テンショナー先端のゴムパーツは傷みやすいので交換しておこう。

カムスプロケットを取り出す

シリンダーヘッド右側のボルトを緩める。

反対側の丸いカバーを外すとカムスプロケが見える。

固定しているボルト2本(形式や年式により3本のものも)を緩める。

スプロケからカムチェーンを取り外し、手前に引き抜くようにして取り出す。

シリンダーヘッドの取り外し

シリンダーヘッド上側にあるシリンダースタッドの4本のナットを取り外し、左側(向かって右側)にあるボルトを取り外す。上にゆっくり引き抜くとシリンダーヘッドが取り外せる。

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内外出版/オートメカニック
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