故障・修理
更新日:2020.07.28 / 掲載日:2020.07.28

小キズのピンポイント補修 DIYボディリペア4

 タッチアップ塗料をスプレータイプに変身させる「エアタッチ」を利用すればピンポイントで塗装することができる。このため、小キズのピンポイント補修も可能となるが、前段階のキズの研磨作業が難儀。手研磨では狭い範囲の平面が出しにくく、勢い余って削り範囲を広げてしまいがちだからだ。そんな用途に役立つアイテムを発見。昨年7月号のBird motorsを取材した際、ピンポイント補修に利用していた「スーパーソニックスクラバー」が近所のホームセンターで売られていた。今回の取材に使えそうと、思わず手が出てしまった。ただし、パッケージの注意書きには「自動車の塗装面……でのご使用はさけてください」と書かれていた。つまり、ボディリペアは完璧に用途外! あくまで自己責任での利用となる。

スーパーソニックスクラバーの本体をしっかり保持。ヘッドを左回転に捻り、止まった位置でまっすぐ引き抜く。そして、パッドヘッドに組み替える。ヘッドにセットされているパッドを剥がす。パッドセット面はマジックテープのフックになっていて、市販のサンダー用ペーパーが貼り付く。貼り付けた状態でパッドサイズにカットする。キズついた牽引フックカバーを引き抜く。パッドヘッドを水に浸し、ペーパーに水を吸わせる。本体のスイッチをONし、補修面にヘッドを当てて研磨する。この通り、必要最小限の範囲で研磨が完了する。

電動お掃除ブラシ スーパーソニックスクラバー

■ 購入価格:1,980円(税別)
毎分8,000回の高速反復回転で角や溝などの細かな部分の汚れをパワフルに落としてくれる、コンパクトな電動お掃除ブラシ。防水仕様で、電池込みで200gの軽量設計。ハンドルは滑りにくく、快適に握れる設計になっている。ただし、パッケージの注意書きに「自動車の塗装面……でのご使用はさけてください」と書かれている。つまり、ボディリペアは完全に用途外。あくまで自己責任での利用となる。

硬質山型ブラシ、中硬質ラージブラシ、パッドヘッドの3種類のヘッドが付属。パッドヘッドのヘット部はマジックテープのフック仕様で、4種類の専用パッドをワンタッチで脱着できる構造になっている。

突起を削り落として平らに均す

ヘッドに#400ペーパーをセット。バンパー側面側のえぐれてめくり上がった突起面を水研ぎして平らに均す。このようにピンポイントで研磨が完了する。牽引フックカバーのはめ込み穴の端面も同様に水研ぎ。その横のささくれ立っている面も水研ぎして平らに均す。

樹脂用パテに硬化剤を混ぜ合わせる

樹脂用パテをヘラで適量すくってパテ盛板に取り出し、指定の混合率(2%)となるよう硬化剤を絞り出す。最初はヘラ先で切る感じに硬化剤を混ぜ込んでいく。硬化剤の塊が消えたら色が均一になるまで練り込む感じに混ぜ合わせる。分厚く盛っておくと化学反応でどんどん固まるため、混ぜ合わせたら平たく伸ばしておく。

キッチリ脱脂し、凹面にパテを充填する

きれいなウエスにシリコンオフを染み込ませ。研磨した面を隅々まで拭いて、表面に残っている研磨カスや油分をキッチリ拭き取る。平たく伸ばしたパテをこそげ取るようにして、ヘラ先に横一線に付着させる。凹面にパテが隙間なく入り込むよう、ヘラを寝かし気味に持ってしごく感じに薄く塗り付ける。同様にして残りの研磨面にもパテを薄く盛り付ける。

パテ盛りした面を研磨して平らに均す

30から40分ほど放置してパテが硬化したところで研磨する。#400ペーパーをセットしたヘッドを水に浸し、ペーパーに水を吸わせる。パテ盛りした面が周囲となだらかに繋がるよう研磨。手でなでて引っかかりがなくなれば完成。必要最小限の研磨でパテ盛りしたため、パテによる修正範囲も少なく済んだ。

3M  樹脂パテ一番

本編で利用している樹脂用パテは3M「樹脂パテ一番」で、ガレージに保管してあったものを利用した。ところが、この製品、一昨年に製造停止になって現在、入手不可とのこと。そこで、同等品で入手可能な製品をあげておく。それは染めQの「ニューエイジ パワーアップ2」で、Amazonで2,740円(税込)だ。

染めQ ニューエイジ パワーアップ2

プラサフをピンポイント吹きする

ソフト99「ボデーペン」の噴射ボタンの付け根には押し込み量を制限するストッパーが設けられていて、ワイド/スポットの切り替えも可能となっている。ストッパーを倒したままだとワイド(左側)、写真のように起こすとスポット(右側)になる。プラサフを用意してスポットに切り替え、段ボール片に試し吹きする。噴射方向や押し加減によって噴射パターンがどう変わるか確認するのだ。押し加減を確認したところで、研磨した面に狙いを定めピンポイントでプラサフを塗布。牽引フックカバーは固定紐を段ボール片に引っかけて仮固定し、カバー全体に塗布する。

研磨して平面に仕上げる

30分ほど放置してプラサフが乾燥したら、#800の耐水ペーパーを用意。カップに水を用意して耐水ペーパーを浸し、プラサフ塗布面を水研ぎして表面を滑らかに整える。残りの塗布面と牽引フックカバーも同様に水研ぎして表面を滑らかに整えて一段落。

バフレックスを専用パッドに貼り付ける

バフレックス裏面の剥離紙の切れ込みが入っている中央部を剥がす。バフレパッドの貼り付け面にピッタリ収まるよう位置合わせして中央部を貼り付け、剥離紙を剥がしながら残りを貼り付ける。なお、使用過程でバフレパッドが濡れている時は水を絞り、スポンジ表面の水気をよく拭き取ってから貼り付ける。

補修面の周囲を研磨して足付けする

塗装後、補修面より2回りほど広めにクリアを塗布するため、その範囲を足付けする。バフレックスを水に浸してスポンジに水分を吸わせる。補修面とその周囲を縦横の繰り返しで、水分を補給しつつ直線的に磨いていく。ザラザラした引っかかりがなくなったら、残った水分をエアダスターで吹き飛ばし、研磨カスをきれいに拭き取る。

ソフト99/ ボデーペン プラサフ

鉄鈑に対して良好な付着性を示す「プライマー」と塗装面の調製を行う「サフェイサー」の2つの効果を発揮する、グレーカラーの下塗り塗料。

バフレパッド 平面部補修用NH

研磨跡が目立たないよう効率的に仕上げることができる#3000相当の研磨性能と塗装面の凹凸になじむ薄さ・柔らかさを併せ持つシート状の研磨材と、平面部分に適したハードタイプの手磨き用パッドのセット。ソフト99の「コンパウンドシート」を利用してもよい。

タッチアップ塗料をエアータッチにセット

タッチアップペンの容器をカチカチと音がするまで振って、沈殿した塗料をよく混ぜ合わせる。「エアータッチ」の外箱のキャップ立て位置を指で押して丸くくり抜く。キャップを緩めて取り外し、キャップ立てに差し込む。タッチアップペンの容器にクイックアダプターを組み付け、キッチリ締め付ける。エアータッチのノズル部の下にまっすぐはめ込み、側面のロック爪を引っかけて固定。これで使用準備完了だ。

ソフト99  ボデーペン/ エアータッチ

コンパクトな筆付きキャップの専用用器に入れられているタッチアップ塗料で、純正ボディカラーに適合する塗料がラインナップされている。筆塗りのタッチアップ塗料「ボデーペン」をエアーブラシのような超極細スプレーペイントに変身させる専用アダプター。

ソフト99 エアータッチ こだわりセット クリアー

エアータッチを利用して塗装したメタリック&パールカラーに塗布することで艶が出る、上塗り用のエアータッチ専用クリアー塗料。エアータッチに取り付けるためのクイックアダプターが2セット、付属する。

数回に分けて徐々に色をのせていく

段ボール片に試し吹きして噴射される範囲を確認する。このように噴射範囲が狭く、周囲への飛び散りも少ないため、マスキングすることなくピンポイント塗装が可能だ。塗装面から約6から10cm離しつつキズ面を中心に塗装する。ただし、塗る量は軽く色がのる程度にとどめて乾燥させる。残りの補修面も同様にピンポイント塗装し乾燥させる。この塗装と乾燥を下地の色が隠れてムラなく色がのるまで数回繰り返す。

クリアーを塗布し、ザラつきを磨き落とす

エアータッチ専用クリアーに付属のクイックアダプター取り付け、タッチアップペンをクイックアダプターごと取り外して組み替える。塗料を塗った面よりもやや広めにクリアーを塗布して乾燥。この塗布と乾燥を艶が出るまで、2から3回繰り返す。クリアーが乾燥したところでコンパウンドで磨き上げる。艶が出たことで補修跡が周囲となじみ近くで見ても違和感のない仕上がりとなる。なお、牽引フックカバー下のリフレクターは隣接し過ぎて塗料が付着するため、塗装前に外しておいた。これを取り付けて完成だ。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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