故障・修理
更新日:2021.08.31 / 掲載日:2021.08.30

DIY“俺”バイク製作記【VOL1】

自分だけのオリジナルバイクを作ってみたい!そんな思いからスタートしたオートメカニック誌の長期連載企画。さまざまな困難を乗り越えて完成を目指す!

 金属加工&溶接を極めればオリジナルバイクの製作も夢ではない。しかし、フレーム設計に強度計算、治具の制作等々クリアすべき課題はとても多い。でも困難が多いからこそ魅力的なのも事実。ここに紹介する「バイク塾」で究極のDIYをとくとご覧あれ!
●文:鈴木伸一 ●写真:飛澤 慎

ベースになるのは……
HONDA ベンリィ CD90

スーパーカブのエンジンをベースとするなど経済性・耐久性・実用性に優れていたビジネスバイク。

■オリジナルバイクの製作過程を密着取材!

 東京都八王子市に本拠地を構える「表現工房」では、バイクフレームをイチから手作りして、自分だけのオリジナルバイクを製作できる「手作りバイク塾」というモノ作り教室が開かれている。

 しかも、受講して製作した自作フレームのオリジナルバイクはナンバー取得も可能で、一般公道を走らすことができるという。そこで、オリジナルバイクの製作過程を取材してみることにした。

 さて、CDをベースに製作したというタイトルカットの格好いいオフローダーは嶋本氏の愛車で、足回りにCR系のパーツを使うなど、相当のカスマイズが施されている。このため、同じ物を作るのは時間はさるものながら予算的にも無理がある。

 そこで、AM仕様としてはCDの足回りをそのまま移植する、嶋本氏が自分で初めて設計したというベーシックモデルを製作することにした。また、本来は講習者が嶋本氏の指導の下、自分自身で1つずつ手作りしていく。が、時間の関係(2日間という強行スケジュール)で、嶋本氏に製作して頂いた。

 なお、「表現工房」には「鉄と木倶楽部」というモノ作り教室もあり、「日野教室」ではより多くのジャンルの教室を受講することができるとのことだ。

■日野教室 <第一線で活躍する現役のプロが講師となって開校しているモノ作りの教室>
●〒191-0062 東京都日野市多摩平1-5-12タカラ豊田ホームズ109

普段、それぞれの仕事や作家活動でモノ作りをしている現役のプロが講師となって、その技術や知識を惜しむことなく提供してくれる「モノ作り教室」。各教室や体験コースが用意されており、第一線級のプロの指導が受けられるため、上達度合いが違うとのことだ。

■鉄と木倶楽部 <鉄と木を組みあわせてオリジナルの家具や雑貨を製作!>

鉄と木を組みあわせたオリジナルの家具や雑貨を制作するモノ作り教室。一番人気は鋼板を切り抜いて作る表札や看板作りとのことで、アイデアを出し合いながらこの世に1つの自分だけの作品を作ることができる。また、溶接の体験教室も開設されている。

★作品例:ドリンクホルダー

★作品例:作業台

■手作りバイク塾 <ホンダCDをベースに、オリジナルのフレーム、フェンダー、マフラー、タンク等を手作りするコース>

CDをベースに1台のオリジナルバイクを制作する「4ヶ月フルコース(週5日、4ヶ月間)」の他、フレーム、マフラーなど、作りたいパーツの制作技術を習得できる「各パーツ制作コース」が用意されている。また、工房にある設備で「サンドブラスト」や「ステッカー」、「シルクスクリーン」による作品の制作も可能とのことだ。

アルミタンクの製作

マフラーの製作

FRPパーツの製作

シートの製作

★電動バイク製作コース
既存のスクーターを電動化するコースもあり、スクーターは持ち込む必要があるものの、電動化に必要なパーツは全て用意してもらえる。なお、使用するパーツは電動バイクの老舗、スーテック製とのことだ。

01:治具セッティング

CDの純正フレームをベースに各部の芯出しを行う

 バランスの乗り物であるバイクは、フレームのセンターがキッチリでていないとまっすぐ走らなくなる。
 このため、フレーム製作時は各部位の芯だしを1つ1つ組み上げる都度、キッチリ行うことが重要となる。当然、正確に組み上げるための治具の芯出しも重要なポイント! そのために治具の設置面は平らで水平でなければならない。基準となる0点に正確性が求められるからだ。
 このため、治具は水平をキッチリ出した大きな「定盤」に設置。基準となるノーマルCDの純正フレームを組み付け、各マウントはセンターをフレーム中心線に合わせてから固定する。作業の第一歩は、この治具のセッティングからだ。

完全なオリジナルを作るとなると膨大な時間を要するため、今回は既に設計が完了し、完成後の応力測定まで完了している「スクランブラー」を制作する。その設計図が上図で、各部を順に作りつつ組み上げていく。

治具を組み付ける定盤を水平になるよう設置する

まず、高さを決めるための基準となる「定盤」を作業場に設置する。端から端まで均等に、キッチリ水平が出るよう、水準器を宛てて確認しながらアジャスターを回して設置高を微調整する。準備が整ったところで各種治具を設置していく。

基準線を照射するレーザー芯出し装置をセット!

定盤端に設置されているガイドレールに「レーザー芯出し装置」をセット。基準点に移動させてスイッチONする。これは垂直や水平ラインをレーザー表示する装置で、治具や製作物の芯だしを正確に行うことができる。

基準線に合致するようマウント位置を調整する

まず、フレームの芯出しの基準となる重要ポイント。ステム部分を固定する治具の芯出しを行う。垂直ラインを照射して治具に記入されている垂直ラインに合致するようシムを挟んで微調整。垂直が出たところでボルトをキッチリ締めて固定する。

基準となるCDの純正フレームを組み付ける

CD純正フレームのフロントステムを治具のシャフトにはめ込み、ベアリングベースに固定リングをはめて安定させる。エンジンマウントの位置決め治具を仮止めし、エンジンマウントボルトを組み付ける。フレームの芯出し後、固定ボルトを締めて本固定する。

純正スイングアームをセットする

スイングアームの固定治具を仮組する。純正スイングアームを純正フレームに組み付け、ボルトを締めてピボット位置を固定。リヤアクスルシャフトを組み付け、位置がズレないようアクスルナットをキッチリ締めて固定後、治具の固定ボルトを本締めする。

治具が基準位置に収まったところでフレームを取り外す

治具が基準となる位置にキッチリ収まったところで、CD純正フレームを取り外す。これで治具のセッティングは完了。以後、フレームを構成する各パーツを設計図に従って1つ1つ作りながら、この治具上に組み上げていく。

取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ

表現工房 八王子作業所・事務所

〒193-0813
東京都八王子市四谷町604ー3
●URL/http://hyougenkoubou.jp/

モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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