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故障・修理
更新日:2021.11.01 / 掲載日:2021.11.01

DIY“俺”バイク製作記【VOL16】

自分だけのオリジナルバイクを作ってみたい!そんな思いからスタートしたオートメカニック誌の長期連載企画。さまざまな困難を乗り越えて完成を目指す!
 前回シートカウルが完成したことでシートポジションが決定、タンクの延長量が決まった。その延長量に合わせてポジション変更前に製作してあったタンク原型を手直し、それをベースにアルミタンクを製作。流麗かつスポーティな形状に仕上がった。

●文:オートメカニック編集部(鈴木伸一) ●写真:飛澤 慎
この記事の目次

05:裏板を製作する

アッパーフレームが通る貫通路を設ける

 燃料タンクはアッパーフレームをまたいで抱え込む形に設置する。
 このため、タンク裏にはアッパーフレームがはまり込むスペース(貫通路)を設ける必要がある。外観が仕上がったところで、その貫通路を製作していく。
 手順としては前端と底部の開口部をアルミ板で隙間なく塞ぎ、原型を利用して貫通路を製作後、現物合わせではめ込み面を切り抜く。外観に比べれば難易度はそれほど高くはないが、各作業は煩雑で思いの外手間がかかる。漏れると危険な燃料のタンクゆえ、外からは見えなくなる部分といえど決して手は抜けない。じっくり取り組む必要がある。
底部形状を写し取って底板を切り出す
タンクの底部全体をカバーできる薄紙を用意。タンク底にテープで留め、パネル末端をペンでなぞって底部形状を写し取る。薄紙を剥がし取り、ラインに沿ってハサミでカットして底部テンプレートの完成。次に前方の開口部形状を写し取る。表から薄紙で覆ってテープで留め、裏から開口部の周囲をなぞって形状を転写。薄紙を剥がし、ラインに沿ってハサミでカットする。その開口部テンプレートをアルミ板に重ねて形状を写し取り、ラインに沿って切り出す。
前板を前方の湾曲に合わせて加工する
切り出した開口部パネルを開口部にあてがって曲げ始めの基点を確認する。イングリッシュホイールの金属ローラーに挟み込み、前後に交互に動かしながら下方に捻ることで曲げていく。この際、原型にこまめにあてがって曲がり具合を確認しながらRを合わせていく。曲げにくいパネル末端はヤットコで挟んで曲げることでRを合わせる。重なり合う面はペンでマーキング。マーキングした面を金切りバサミでカットし、開口部にピッタリはまるよう加工する。
隙間なくキッチリ溶接する
加工した開口部パネルを上部端が上面パネルに密着するよう開口部にはめ、周囲と面一になるよう位置合わせしてガムテープで仮固定する。開口部パネルの四隅と側面を一定間隔で点付けする。歪みを生じることなく収まったことを確認したところで本溶接。端から端まで隙間を生じさせることなくキッチリ溶接する。
アルミ板から底板を切り出す
底部テンプレートをアルミ板に重ね、外周をペンでなぞって形状を転写する。転写ラインより一回りほど広めにプラズマカッターで切り抜き、金切りバサミでテンプレート形状に切り出す。切り出した底部パネルでタンク底部を一旦、このように完全に塞いでしまう。
底部に隙間なくキッチリ溶接する
底部パネルをタンク底部にピッタリ密着させてガムテープで仮固定し、一定間隔で点付けする。底面からはみ出してしまっている部分を金切りバサミでカット。「研磨布ディスク」をセットしたディスクグラインダーで研磨して側面パネル面まで削り込む。底部パネルの形を整えたところで本溶接する。側面パネルの接合面端に残った切れ目もキッチリ溶接して塞いでおく。
アッパーフレームの貫通路を切り出す

原型の内側の側壁に沿って切り込みを入れ、左右に分割する。そして、このようにアップーフレームにはまり込む面のテンプレートを製作する。アッパーフレームと接する面を厚紙に押し付け、ペンで外周をなぞって形状を写し取る。ラインに沿ってハサミで切り出し、直線部分が内側を向くようアルミ板にのせ、形状を転写する。150㎜ほどのクリアランスを取ってテンプレートを反転させ、形状を転写。転写面より一回り大きめのサイズに切り出す。

貫通路を設置する面を切り抜く
切り出した貫通路用のプレートをスリップロールのローラー間に押し込み、プレート中心が上部ローラーに合致するまでハンドルを回して送り込む。送り出されてきたプレート端を両手でしっかり保持し、反対端と平行になるまで手前に曲げ返す。底部パネルの中心を割り出し、センターラインを記入する。U字に曲げ加工した貫通路の幅を計測する。計測値は約60㎜。センターラインを基点に左右に、30㎜(貫通路の横幅の1/2)離れた位置に平行線を引く。貫通路を厚紙に密着させて断面形状を写し取る。ハサミで切り出し、開口部パネルに重ねて形状を転写。プラズマカッターで貫通路面をそっくり切り抜く。
貫通路のはみ出し面をマーキングしカットする
底部パネルに開けた穴に貫通路をはめ込む。貫通路末端のU字頂点が底部パネル穴の後端に合致するよう位置合わせし、タンクからはみ出す面をペンでなぞってマーキングする。貫通路の前端のはみ出し面は上面部を50㎜ほど残して固定ブラケットに仕立てることにした。ブラケットとして残す面を追加記入する。貫通路を取り外し、はみ出し面をそっくりカット。固定ブラケット面はリューターで削って形を整える。加工が済んだところでタンクに組み付けて収まり具合を確認。必要に応じて修正を加える。

取材で毎回お世話になっているのが「表現工房」さんだ
表現工房 八王子作業所・事務所


モノ作り教室を開催している「表現工房」の本拠地は東京都八王子市の「八王子作業所」で、幹線道路に面した路地の突き当たりにある。


〒193-0813
東京都八王子市四谷町604ー3
●URL/http://hyougenkoubou.jp/
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ライタープロフィール

内外出版/オートメカニック
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