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故障・修理
更新日:2023.12.28 / 掲載日:2023.12.28

ブレーキパッドが異常? ウェアインジケーターの役割や交換方法を紹介

ブレーキをかけると「キーキー」と音がする、サイドブレーキをかけていないのに警告灯が点灯している……これらは、ブレーキパッドに取り付けられたパッドウェアインジケーターが出す警告です。

この記事では、パッドウェアインジケーターの役割や警告の対処法を解説します。作動するタイミングやブレーキパッドを交換する目安、交換方法も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

1. パッドウェアインジケーターとは

ブレーキパッドには、交換時期を知らせてくれる部品として、ウェアインジケーターが取り付けられています。この部品は、「パッドウェアインジケーター」や「パッドセンサー」と呼ばれており、純正のブレーキパッドには基本的に付属しています。

(1) パッドウェアインジケーターの役割

パッドウェアインジケーターは、ブレーキパッドの摩耗度合いが限界に近づいたことを警告する役割のある部品です。多くのパッドウェアインジケーターは、2mm程度になったときに警告音などで交換の必要性を知らせてくれます。

ただし、社外品のブレーキパッドにはパッドウェアインジケーターが付属していないことがあります。その場合、パッドウェアインジケーターなしで、ブレーキパッドを取り付けてください。パッドウェアインジケーターだけ購入し装着する場合は、ブレーキパッドとの適合性をよく確認しなければいけません。

(2) パッドウェアインジケーターの仕組み

パッドウェアインジケーターには、「機械式」と「電気式」の2種類があります。それぞれの仕組みをご紹介します。

①国産車に多い機械式

国産車の多くは、機械式のパッドウェアインジケーターがブレーキパッドに取り付けられています。

通常、ディスクローターとパッドウェアインジケーターは接触しません。しかし、ブレーキパッドが一定の薄さまで摩耗するとインジケーターがディスクローターに接触し、警告音を発します。

警告音は、金属が擦れる「キーキー」と耳障りな音で、ディスクローターとブレーキパッドが擦れて発生するブレーキ鳴きに似ています。そのため、このような音が出たらブレーキパッドの残量を確認してください。

②高級国産車や輸入車に多い電気式

電気式は、高級国産車や輸入車に多く使われているパッドウェアインジケーターです。

電気式はブレーキパッドの摩耗が進み、交換が必要になると、組み込まれたセンサーが警告信号を発します。具体的にはブレーキパッドの厚みが一定の基準以下になると、電線がディスクローターに接触し、電気回路が切断されます。

これにより、インストルメントパネルにブレーキ警告灯が点灯し、ドライバーにブレーキパッドの交換時期を知らせる仕組みです。

なお、電気式には「差し込み式」と「埋め込み式」があります。差し込み式は、センサーを抜き差しでき、埋め込み式は製造段階でブレーキパッドに埋め込まれています。

2. ブレーキパッド 寿命と交換の目安

パッドウェアインジケーターの警告は、ブレーキパッドの限界が近いことを知らせてくれるものです。警告が出てもすぐに交換できない場合もあるため、交換のタイミングをパッドウェアインジケーターだけで判断せず、走行距離や目視などで定期的に確認しましょう。

ブレーキパッドの交換が遅れると、ブレーキが利かなくなることやディスクローターを傷つけてしまうことにつながります。ブレーキパッドの寿命と交換の目安は以下の2つです。

1.ブレーキパッドの厚み
2.ブレーキフルードの量

順にご紹介します。

(1)ブレーキパッドの厚み

ブレーキパッドは摩擦の力を使い、ディスクローターの回転を制御します。そのため、ブレーキをかけるたびに摩耗します。

新しいブレーキパッドの厚さは通常約10mmですが、この厚さが3mm未満になると交換が必要です。3mm未満の厚さでは、ブレーキパッドが割れやすくなったり、パッドが台座から剥がれやすくなったりとブレーキの損傷リスクが高まります。

摩耗スピードは材質や使用状況などによって異なりますが、約10,000km走行するごとに1mmずつ薄くなります。新しいブレーキパッドの場合、約30,000~50,000km走行したときに点検するとよいでしょう。

ブレーキパッドの正確な残量を確認するには、タイヤを外し、円盤型のディスクブレーキの点検窓から確認します。

(2) ブレーキフルードの量

ブレーキフルード(ブレーキオイル)のタンクにはMINとMAXの目盛りがあります。ブレーキフルードの量がMINの近くまで減っている場合、ブレーキパッドの厚みが薄くなっている可能性があります。

ブレーキフルードは、ブレーキをかけるときの力を油圧で伝えるのが役割です。ブレーキパッドが薄くなると、補填のためにブレーキフルードがブレーキキャリパー(ブレーキパッドの動きを制御する部品)へ押し込まれる量が増えます。つまり、ブレーキフルードが減っている場合、ブレーキパッドも減っているということです。

ただし、ブレーキフルードは2年ごとの交換が推奨されており、ブレーキパッドを交換するタイミングとズレることになるでしょう。そのため、どちらかを交換した後はタンクのMINを基準とするのではなく、ブレーキフルードが前回確認したときから減っているかを目安にしてください。

また、サイドブレーキを引いていない状態で、以下のようにブレーキ警告灯が点灯する場合も、ブレーキパッドが薄くなっているかもしれません。

ブレーキ警告灯は、パッドウェアインジケーターの警告だけでなく、ブレーキフルードの量が減少したときにも点灯します。

3. ブレーキパッドの交換方法

パッドウェアインジケーターは、基本的にブレーキパッドに付属している部品のため、ブレーキパッドと同時に交換します。ブレーキパッドとパッドウェアインジケーターの交換に必要な道具と方法をご紹介します。

(1) 自分で交換する場合に必要な道具

交換に必要な主な道具は、以下の12個です。

道具詳細
新しいパッドウェアインジケーター適切な仕様のパッドウェアインジケーターを用意する。基本的に純正のブレーキパッドには付属している
新しいブレーキパッドとシム適切な仕様のブレーキパッドとシムを用意する。基本的にシムはブレーキパッドに付属している
ジャッキとジャッキスタンド車を持ち上げるためのジャッキと、安全に固定するためのジャッキスタンド
レンチやスパナホイールやブレーキキャリパーのボルトを緩めたり、締めたりするために使う
S字フックやタイラップ取り外したキャリパーが脱落しないように使う。長く大きめのS字フックや、長くて取り外しができるタイラップ(結束バンド)が適している
ブレーキパッドのクリーニング用具ブレーキディスクやキャリパーを清掃するときに使う、布やブラシを用意する
ブレーキパーツクリーナー古いブレーキグリスやキャリパーのブレーキダストを清掃するときに使う
グリス、パッドグリスブレーキパッドをキャリパーに取り付けるときに必要
補充用ブレーキフルード減った分のブレーキフルードを補充する
ブレーキキャリパーツールブレーキパッドを押し戻すための専用ツール。ピストンを押し戻すときに使う
トルクレンチボルトを適切な力で締める道具
作業手袋や保護メガネ安全性の確保と油汚れなどを防止するため、作業するときに着用する

(2) 自分で交換する方法

自分でパッドウェアインジケーターとブレーキパッドを交換する方法を解説します。

①安全確保

平坦で舗装された安全な場所に車を駐車し、パーキングブレーキをかけてください。ジャッキスタンドで車を持ち上げ、安全に作業できるようにジャッキスタンドで車体を支えます。

なお、怪我や油汚れなどを防止するために、作業のときは保護手袋や保護メガネなどを着用してください。

②ホイールの取り外し

タイヤレンチやスパナを使って、ホイールナットを緩めます。ホイールナットが緩んだら、ホイールを取り外してください。なお、ジャッキアップする前にホイールナットを少し緩めておくと、ジャッキアップ後に外しやすくなります。

③キャリパーの取り外し

キャリパーを固定している下側のボルトをレンチやスパナで外し、上側のボルトを支点にキャリパーを下から上に取り外してください。取り外したキャリパーはS字フックやタイラップなどで、スプリング部分に引っ掛けておきます。

④古いブレーキパッドを取り外す

キャリパーのブラケットから、古いブレーキパッドをゆっくり取り外してください。パッドの取り付け位置によって、スプリングクリップやピンを外す場合もあります。

⑤パッドウェアインジケーターを取り付ける

ブレーキパッドにパッドウェアインジケーターを取り付けます。取り付け方法は、パッドウェアインジケーターによって異なるため、取扱説明書を確認してください。

一般的な機械式の場合、ブレーキパッドに金属部品を取り付けます。電気式の場合、センサーをブレーキパッドに取り付けます。

⑥新しいブレーキパッドを取り付ける

新しいブレーキパッドを取り付けましょう。なお、取り付ける前には、ブレーキパッドの背面(ディスクローターを挟み込む面の裏)にシムを取り付けておく必要があります。

ブレーキパッドの背面にグリースを塗布してから、ブレーキパッドにシムのつめを引っ掛けるように取り付けます。

⑦ブレーキフルードを補充する

ブレーキキャリパーツールを使用し、飛び出しているピストンをゆっくりと元の位置まで押し込んでください。

ピストンを押し込んだあとにブレーキフルードのタンクを確認し、足りない場合は補充します。ブレーキフルードは、ボンネットを開けて確認します。

ピストンをしっかり奥まで戻しておかなければ、ブレーキキャリパーが新しいブレーキパッドに当たって組み付けられません。そのため、ピストンが止まるまでしっかり奥まで押し戻すのがポイントです。

⑧キャリパーの取り付けと組み付け

新しいブレーキパッドの取り付けとブレーキフルードを補充したら、キャリパーを元の位置に取り付けます。ブレーキパッドをキャリパーに組み込むとき、パッドとキャリパーの摺動(しゅうどう)部分にブレーキグリスを使用します。

ボルトを強く締めすぎると、ネジが折れる可能性があるため、トルクレンチを使い、適切な力で締めてください。

⑨ジャッキダウンとブレーキ復帰

ジャッキダウンし、ブレーキフルードの量を再確認します。不足している場合は補充しましょう。

ブレーキパッドを交換したときは、エンジンを掛けずに10~30回ほどブレーキペダルを踏んでください。取り付けただけでは隙間が空いているため、ブレーキパッドがディスクローターに確実に当たる状態にする必要があります。

踏み込みはじめはスカスカの状態ですが、踏み込むにつれて調整され、ブレーキペダルが重くなってきます。はじめの数回はブレーキが利かない状態であり、このまま走行すると大変危険です。必ずこの工程を実施し、ブレーキが利くことを確認してから走行してください。

4. 交換を業者に依頼する場合の相場

ブレーキパッドとパッドウェアインジケーターの交換を業者に依頼する場合、工賃の相場は8,000〜10,000円程度(本体代除く)です。

パッドウェアインジケーターは、純正のブレーキパッドに基本付属しているものであり、一緒に交換します。そのため、パッドウェアインジケーターを装着することで、追加費用がかかることは少ないでしょう。ただし、電気式のパッドウェアインジケーターなど特殊な場合は、追加費用が発生するかもしれません。

また、定期点検や車検での同時作業であれば、工賃が安く済む場合もあります。ただし、業者によっても工賃は異なるため、必要に応じて複数の業者に見積もりを依頼してください。

業者を決定するときは交換費用だけでなく、口コミサイトやレビューサイトに悪評がないかを確認しましょう。

5. パッドウェアインジケーターの注意点

パッドウェアインジケーターの注意点は以下の3つです。

1.警告音が鳴ったらすぐに点検する
2.警告音は途中で鳴りやむ
3.パッドウェアインジケーターの点検

順にご紹介します。

(1) 警告音が鳴ったらすぐに点検する

パッドウェアインジケーターの警告は、ブレーキパッドが摩耗してきたことを知らせる重要な合図です。

警告が出た時点でブレーキパッドの摩耗がかなり進んでいるため、すぐに点検しましょう。それ以上使用を続けるとブレーキの利きが悪くなり、最悪の場合、ブレーキが利かなくなり事故につながる恐れもあります。

また、ブレーキパッドが摩耗しすぎると、ディスクローターにダメージを与えるため、高額な交換費用が発生するかもしれません。

(2) 警告音は途中で鳴りやむ

機械式のパッドウェアインジケーターの場合、警告音が途中で鳴りやむことがあります。

鳴りやむ理由は、ブレーキパッドの摩耗が進むことで、パッドウェアインジケーターがディスクローターに当たり、インジケーターの位置がずれたり、接触部分が変わったりすることがあるからです。

警告音が鳴り止んだときは、ディスクローターを傷つけている可能性が高い状態であり、異常が解消されたわけではありません。

(3) パッドウェアインジケーターの点検

定期的にパッドウェアインジケーターを点検し、正常に動作しているか確認しましょう。

機械式の場合、金属部品が適切に取り付けられていない、または外れている可能性があります。また、電気式の場合、センサーが抜けていることなども考えられます。

正常に動作していない場合、ブレーキパッドの摩耗に気づくのが遅くなるため、ブレーキトラブルにつながるでしょう。

6. ブレーキに関することはグーネットピットにご相談ください

パッドウェアインジケーターは、ブレーキパッドを交換する必要があることを知らせる部品です。機械式と電気式があり、国産車の多くは機械式が採用されています。

機械式は、ディスクロータとパッドウェアインジケーターが接触し、金属が擦れる「キーキー」という警告音を発します。電気式は、インパネにブレーキ警告灯を点灯させ、運転者に知らせてくれるのです。

警告が出たときはブレーキパッドが摩耗し、交換が必要な状態のため、すぐにブレーキパッドを交換してください。

しかし、自分で道具を準備したり、新しいブレーキパッドやパッドウェアインジケーターを選定・購入したりすると時間がかかるかもしれません。

急ぎでこれらを交換したい場合は、グーネットピットにご相談ください。グーネットピットには、車のメンテナンスの知識や経験が豊富なスタッフが在籍しています。

ブレーキパッドやパッドウェアインジケータの商品選定から交換作業まで、専門スタッフが丁寧におこないます。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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