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故障・修理
更新日:2023.12.28 / 掲載日:2023.12.28

ブレーキパッドの交換を自分でする方法 手順と注意点を徹底解説

ブレーキパッドは、車を運転するたびに消耗するため、定期的に交換する必要があります。この記事では、自分で交換するときの手順を解説しています。

なお、以下でも詳しく説明していますが、ブレーキパッドは車のブレーキ性能を左右する重要なパーツであり、適切な交換が不可欠となります。作業に少しでも不安がある場合は、業者に依頼しましょう。

業者探しのポイントなども紹介していますので、参考にしていただけたら幸いです。

1. ブレーキパッドを自分で交換する前に……

ブレーキパッドの交換は、道路運送車両法の特定整備にあたります。特定整備は、地方運輸局長の認証を受けた整備工場でなければ行うことができません(参照:道路運送車両法 第七十八条丨e-Gov法令検索)。

一方で、道路運送車両法第四十七条によれば、車の所有者は必要に応じて点検・整備をしなければならない、ともされています。したがって、車の所有者であれば、ブレーキパッドの交換を自分で行うことが可能です。

ただ、ブレーキは車の重要な機能であり、正しく作動しなければ、人身事故などの大きなトラブルにつながる可能性もあります。そのため、ブレーキパッドの交換を自分でして問題ないのは、自動車整備士並みに専門知識を持ち、車のメンテナンスに慣れている場合のみです。

それ以外の人は、業者に依頼するようにしましょう。

2. ブレーキパッドを自分で交換する手順

ブレーキパッドを自分で交換する場合は、以下の手順で行います。

1.必要な工具を用意する
2.ホイールを取り外す
3.古いブレーキパッドを取り外す
4.新しいブレーキパッドを取り付ける
5.ブレーキフルードの補充とエア抜きを行う(場合によって)
6.ホイールを取り付ける
7.ブレーキの動作確認と試運転をする

(1)必要な工具を用意する

ブレーキパッド交換をスムーズに行うため、以下の工具をそろえておきましょう。

ジャッキ&ジャッキスタンド車を持ち上げてホイールを外すために必要
レンチホイールのナットやブレーキキャリパーのボルトの取り外しや取り付けに使用
大きめのS字フック取り外したブレーキキャリパーを固定しておくのに便利
ブレーキパーツクリーナーブレーキディスクやブレーキキャリパーを洗浄するために用意
ブレーキキャリパーツールブレーキキャリパーのピストンを押し戻すために使用
新しいブレーキパッド適切な型番と規格のものを選ぶ
グリス新しいブレーキパッドを取り付けるために使用
作業用手袋怪我の予防などのために準備

ブレーキパッドをまだ用意していない場合は、次章の新しいブレーキパッドの選び方をご参考ください。

(2)ホイールを取り外す

ブレーキパッド交換作業に移る前の準備として、まずはホイールを取り外します。以下、大まかな作業の流れです。

1.車体の固定

まず、手順としては車体を安全に固定することから始めます。車止めやブロックをタイヤに当て、車が動かないように固定しましょう

2.ジャッキの使用

次に、ジャッキを使用して車体を少し持ち上げます。ジャッキアップポイントは車種により異なりますので、事前に調べておきましょう

3.ホイールのナット外し

レンチを使って、ホイールを固定しているナットを外しましょう。この際、車体が高くジャッキアップされていると作業が楽になります

ホイールをレンチを使って外す(イメージ)

作業を進める前に周囲に人やペットがいないか確認し、安全第一に行いましょう。

(3)古いブレーキパッドを取り外す

ホイールを取り外したら、ブレーキローター(ディスクローター)とブレーキキャリパーが現れます。

ホイールを外したあと(イメージ)

ブレーキパッドは、このブレーキキャリパーの中にあるパーツです。取り外すまでの手順は、以下のとおりです。

1.ブレーキキャリパーのボルトを外す

ブレーキキャリパーを固定しているボルト2本のうち、下側のボルトのみを外します
※次の「ブレーキキャリパーを持ち上げる」工程のときに、車種によってはブレーキホースの長さが足りず張ってしまうことがあり、その場合はボルトを2本とも外す必要があります。ホースに無理な力がかからないように気をつけましょう

2.ブレーキキャリパーを持ち上げる

上側のボルトを視点にしてブレーキキャリパーを持ち上げます。外したほうのキャリパーボルトの穴とサスペンションを、S字フックでつなぎとめておきます

3.ブレーキパッドを外す

ブレーキキャリパーを上げたら、ブレーキパッドが見えるので取り外します

(4)新しいブレーキパッドを取り付ける

古いブレーキパッドを取り外したら、新しいブレーキパッドに交換します。ブレーキパッドを取り付けるときの手順は、次のとおりです。

1.リザーバタンクのブレーキオイル量を少し減らす

リザーバタンクのオイル量が多い場合、ピストンを縮めた際に溢れることがあります。リザーバタンクの半分くらいになるように、あらかじめ減らしておきましょう

2.ブレーキキャリパーのピストンを引っ込めておく

ブレーキキャリパーのピストンをブレーキキャリパーツールを使って引っ込めておきます。古いブレーキパッドが摩耗している分、ブレーキキャリパーのピストンが飛び出しているため、元に戻しておかないと新しいブレーキパッドのセットができません

3.ブレーキパッドを取り付ける

ブレーキパッドの「ブレーキキャリパーの当たる部分」にグリスを塗布(下の写真を参考)したら、取り付けます。グリスを塗布するときは、ブレーキパッドとブレーキローターが接触する部分につかないように注意しましょう

赤い丸の部分にグリスアップ(イメージ)

(5)ブレーキフルードの補充とエア抜きを行う

新しいブレーキパッドの取り付け後は、ブレーキフルード(ブレーキオイル)の量を確認し、場合によっては補充とエア抜きを行います。

1.ブレーキフルードの補充

エンジンルーム内のリザーバータンクに入っているブレーキフルードの量をチェックしましょう。下限(MIN)を下回っていたら、上限(MAX)と下限(MIN)の間の量になるようにブレーキフルードを注入します

2.ブレーキのエア抜き

次に、ブレーキのエア抜きを行います。これは、ブレーキライン(ブレーキホース)内に空気が混入するとブレーキの利きが悪くなるためです。エア抜きをするときは、ホイールを外した状態でブレーキペダルを数回踏み、踏み込んでいる状態を維持します。
その状態でブレーキキャリパーのエア抜きネジを緩めると、オイルが流れ出てきます。このとき、流れ出てくるオイルの中に気泡があるかどうかを確認します。
気泡が出なくなるまで繰り返すと、ブレーキライン内の空気を抜くことができます

(6)ホイールを取り付ける

取り外したホイールを元の位置に戻します。すべてのホイールナットを手で軽く締めた後、レンチを使って締めていきましょう。

(7)ブレーキの動作確認と試運転をする

ブレーキパッド交換後は、しっかりと確認作業と試運転を行いましょう。

まず、作業箇所について見直し、ブレーキパッドが正しい位置にあるか、ボルトが固定されているかなどをチェックします。

次にエンジン始動前にブレーキペダルを30回程度踏み、ピストンがブレーキパッドを押せる状態にしておきます。その後、安全な場所でゆっくりと走行し、ゆっくりとブレーキを掛けてみて反応を確認します。

最後に、異音や異常な振動、違和感がないか再度チェックします。何かおかしいと感じたらすぐに対応しましょう。自身の安全を守るためにも、これらの確認作業は大切です。

3. 新しいブレーキパッドの選び方

まだ新しいブレーキパッドを持っておらず、これから購入するときは、次の点をチェックしながら選ぶとよいでしょう。

1.自分の車の車種や年式
2.ブレーキパッドの性能
3.ブレーキパッドの材質
4.ブレーキパッドのメーカー

(1)自分の車の車種や年式

ブレーキパッドを選ぶときに大切なのは、自身の車の「車種」および「年式」を確認することです。それぞれの車種や年式に適したブレーキパッドが存在しますので、適合表を見て確認しましょう。

(2)ブレーキパッドの性能

ブレーキパッドの性能は、安全運転において重要な考慮事項です。性能は主に「制動力」「耐久性」「鳴きやすさ」に分けられます。

制動力は、ブレーキをかけたときの停止性能を示します。高い制動力を持つパッドは、ブレーキをより強くかけることができます。しかし、摩耗しやすいデメリットがあります。

耐久性はパッドの寿命を示します。耐久性が高いパッドは、交換回数を抑えることが可能です。ただし、耐久性が高すぎると制動力が若干落ちる傾向があります。

鳴きやすさは、異音の発生しやすさを示します。一般的に、金属で作られたブレーキパッドは、「キーキー」という異音を出しやすいとされています。

(3)ブレーキパッドの材質

ブレーキパッドの材質は、ブレーキの性能と価格に直結します。大別すると、「ノンアスベストタイプ」「メタリックタイプ」「セミメタリックタイプ」「カーボンメタリックタイプ」「オーガニックタイプ」の5種類があります。

ブレーキパッドのタイプ特徴おすすめの人
ノンアスベストタイプ・低速走行時のブレーキの利きがよくなる
・耐摩耗性
・ブレーキ音が小さい
・高速走行時の性能はやや劣る
日常的な街乗りが多い人
メタリックタイプ・高速走行時のブレーキの利きがよくなる
・音の発生、ブレーキディスクへの摩耗が大きい
高速道路の利用が多いとき
セミメタリックタイプノンアスベストとメタリックの中間タイプ日常的な街乗りと高速道路走行、どちらもそれなりにする人
カーボンメタリックタイプ・制動性が高い
・熱に強くパフォーマンスが落ちにくい
・ブレーキローターの摩耗が進みやすい
スポーツ走行やサーキット使用などハードな運転をしたい人
オーガニックタイプ・素材は有機物質
・コントロール性が高い
・ブレーキローターの摩耗が進みにくい
・制動力はやや劣る
市街地での通勤・送迎など、短時間での走行が主となる人

これらの特性を理解し、自分の運転スタイルや車両状況に合った材質を選ぶことが重要です。

(4)ブレーキパッドのメーカー

ブレーキパッドを選ぶ際の一つのポイントが、メーカー選びです。国内外に多数のブレーキパッドメーカーが存在しますが、各社で製品の性能や品質に違いがあります。

主要なメーカーは、以下の5社です。迷ったら、まずはこれらの会社から選んでみるとよいでしょう。

・曙ブレーキ
・MSI
・M-Autoparts
・DIXCEL
・Brembo

ただし、メーカー選びだけでなく、自分の車の走行条件や使用環境に合ったブレーキパッドを選ぶことも重要です。

新しいブレーキパッドを購入するときは、下記の記事もあわせてご覧ください。

4. ブレーキパッドの交換作業は基本的に業者に依頼を

ブレーキパッドの交換作業は、自動車整備士並みの専門知識と技術を持っていないかぎりは、業者に依頼することをおすすめします。費用相場と業者を選ぶときのポイントをご紹介しましょう。

(1)業者に依頼したときにかかる費用相場

ブレーキパッドの交換作業を業者に依頼したときにかかる費用の相場は、7,000円程度+ブレーキパッド代です。ブレーキパッド以外のパーツの交換もする場合は、さらに費用がかかります。

(2)業者を選ぶときのポイント

ブレーキパッド交換を業者に依頼する際に重視すべきポイントは、以下の4つです。

1.地方運輸局長の認証

ブレーキパッドの交換は、前述したように特定整備にあたります。特定整備は、地方運輸局長の認証を受けなければ実施することができません。ただ、小さな整備工場のようなところは、認証を受けずに整備していることがあります。思わぬトラブルに巻き込まれないように、「認証整備工場の標識」が掲示されているか確認しましょう

2.実績と評判

長年運営している業者や、口コミで評価の高い業者を選ぶと安心です。ネット上での評価だけでなく、実際に利用した人の口コミも参考にするとよいでしょう

3.費用

ブレーキパッド交換にかかる費用は、業者やブレーキパッドの種類によって大きく異なります。複数の業者から見積もりを取ることで、適正な費用を知ることができます

4.アフターサービス

交換後のフォローアップがある業者を選ぶと、長期的な安心感が得られます。不具合が起きた際の対応も確認しておくとよいでしょう

5. ブレーキパッドの交換はグーネットピットにご依頼ください

繰り返しになりますが、ブレーキパッドの交換は、少しでも不安があったら業者に依頼しましょう。無理をせず、プロに依頼することが安心安全なカーライフの第一歩です。

グーネットピットでも、ブレーキパッドの交換に対応しています。必要に応じて、それ以外の箇所の点検やメンテナンスに関するアドバイスなども行っており、手厚いサポートを強みとしております。

もし業者選びに迷っていたら、グーネットピットの利用をご検討いただけますと幸いです。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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