車検・点検・メンテナンス
更新日:2026.04.09 / 掲載日:2018.08.29
車検でタイヤのはみ出しは何mmまで許容される?測定方法と対策

ホイール交換やインチアップをした後、「タイヤがフェンダーからはみ出しているかもしれない」「タイヤのはみ出しで車検に落ちるかも」と不安を感じる人もいるでしょう。
タイヤのはみ出しには明確な車検基準があり、9人乗り以下の乗用車の場合、10mm未満であれば適合とされています。しかし、それはタイヤ部分に限った話であり、ホイールに関しては一切認められません。
この記事では、タイヤのはみ出しに関する車検基準や原因、簡易的な自己測定方法、危険性、他にも押さえておきたい車検に通らないタイヤの条件、はみ出しが心配な場合の対策まで詳しく解説します。
1.タイヤのはみ出しに関する車検基準
車検では、タイヤのフェンダーからのはみ出しに関して、明確な基準が設けられています。現在の保安基準では、特定の車両において一定の範囲内であればタイヤのはみ出しが認められています。
(1)10mm未満なら車検適合
2017年6月の保安基準改正により、タイヤのはみ出しに関する基準が一部緩和されました。現在は、以下の条件を満たせば車検に適合します。
・タイヤの中心からの垂線とフェンダートップの当たる部分から前方30度、後方50度の範囲内
・上記範囲内で最外側部のタイヤのみが10mm未満のはみ出し
ただし、この基準が適用されるのは2017年6月以降に新基準で型式指定された9人乗り以下の乗用車に限られます。10人乗り以上の乗用車や貨物車は、対象外です。
(2)はみ出し許容はタイヤのみ、ホイールは不可
9人乗り以下の乗用車では、タイヤのはみ出しが10mm未満であれば許容されますが、この許容範囲はタイヤ本体に限定されます。ホイールやホイール関連パーツ(ホイールナットやホイールキャップなど)のはみ出しは、一切認められていません。
これらがフェンダーからはみ出していると、タイヤのはみ出しが10mm未満であっても車検不適合となります。わずかなはみ出しでも車検に通らないため、事前のチェックが重要です。
(3)はみ出しが検査される範囲
9人乗り以下の乗用車でタイヤのはみ出しが許容されるのは、すべての範囲ではなく、車両の特定の部分に限定されています。具体的には、タイヤの中心からの垂線とフェンダートップの当たる部分から前方30度、後方50度の範囲内です。
2.タイヤがはみ出す原因
タイヤがフェンダー面からはみ出してしまう原因は、主にホイール交換時のインセット変更、車高調整やローダウン、インチアップ時のサイズ選択ミスです。
カスタムやホイール交換によって意図せずはみ出しタイヤになってしまうケースの他、中古車購入時に前オーナーが装着した不適合なタイヤ・ホイールがそのまま残っているケースもあります。
(1)ホイール交換時のインセット変更
タイヤがはみ出す原因として多いのが、ホイール交換時のインセット変更です。インセットとは、ホイールのリム幅(横幅)の中心線から、取り付け面までの距離を示す数値です。
ホイール交換の際に純正よりインセット数値を小さくすると、ホイールが車体外側に向かって出る形になります。例えば、純正のインセットが「+45」のホイールを「+40」に変更した場合、ホイールは約5mm外側に張り出します。
この数値変更により、タイヤやホイールがフェンダーから大きくはみ出してしまい、車検基準を超えてしまうケースが少なくありません。
(2)車高調整やローダウン
車高を下げるローダウンやサスペンションの調整を行うと、タイヤの角度が変化して、はみ出しが発生するケースがあります。特に、過度なキャンバー角(タイヤのハの字傾き)をつけた場合、タイヤの下部がフェンダーから大きくはみ出します。
(3)インチアップ時のサイズ選択ミス
インチアップでは、ホイールのサイズを大きくする代わりにタイヤの扁平率を下げて、外径を純正と近づける必要があります。この調整を誤ると、タイヤがフェンダーからはみ出してしまうでしょう。
タイヤ外径が純正より大きくなりすぎると、はみ出しだけでなくスピードメーターの誤差が起こり、基準を超える可能性があります。また、ハンドルを切ったときに車体に接触するのも車検不適合となるため、注意が必要です。
インチアップを行う際は、タイヤの外径計算を正確に行い、純正タイヤとの外径差を最小限に抑えることが重要です。
3.タイヤのはみ出しを自分で測定する方法
タイヤのはみ出しは、自宅でも測定することが可能です。準備するものは、重り付きの糸(下げ振り)、定規、分度器です。
【測定手順】
1. 重り付きの糸をタイヤの円の中心軸に合わせて垂直に垂らす
2. フェンダートップと垂線が交わる点を基準に、前方30度・後方50度の範囲を確認(前輪・後輪とも同じ)
3. この角度範囲内で、垂直に垂らした糸とタイヤ表面の距離を定規で測定
4. フェンダーから外側へのはみ出しが10mm未満であれば車検基準に適合
測定の際は、タイヤ本体の最も外側に出ている部分を測ることが重要です。正確な測定が難しい場合は、車検前に整備工場で確認してもらうのがおすすめです。
4.はみ出しタイヤの危険性

タイヤがフェンダーからはみ出していると、接触・巻き込み事故のリスクや石・水の飛散による周囲への迷惑、フェンダーとの接触による破損などにつながる可能性があります。安全なカーライフのために、適切な状態を保つことが重要です。
(1)接触・巻き込み事故のリスク
タイヤやホイールがフェンダーから大きくはみ出していると、歩行者や自転車、バイクなどを巻き込む重大な事故につながる危険性があります。特に、以下のような状況で接触事故のリスクが高まります。
・狭い道でのすれ違い時(車両同士の距離が近くなる)
・歩道に近い場所の走行時(歩行者や自転車との距離が縮まる)
・右左折時(内輪差により、はみ出し部分が歩行者や障害物に接触しやすくなる)
はみ出したタイヤやホイールは、ドライバーの死角になりやすく、接触に気づきにくい問題もあります。
(2)石や水の飛散による周囲への迷惑
タイヤがフェンダーからはみ出していると、走行中に路面の石や水を周囲に飛散させやすくなります。
通常、フェンダーは走行時にタイヤが巻き上げる小石や雨水、泥などを防ぐ役割を果たしています。しかし、タイヤがはみ出している状態では、この防御機能が十分に働きません。
歩行者や自転車に泥水がかかったり、後続車のフロントガラスに石が飛んで傷をつけたりする可能性があるでしょう。他者に迷惑をかけるだけでなく、物損事故の原因となります。
タイヤのはみ出しは、単なる車検の問題だけでなく、社会的なマナーの観点からも避けるべき状態といえます。
(3)フェンダーとの接触による破損
タイヤがフェンダーからはみ出している状態で走行を続けると、フェンダーとタイヤが接触して破損するリスクがあります。フェンダー接触で起こる主な破損は、以下のとおりです。
・フェンダーの塗装剥がれや割れ
・フェンダー本体の変形や亀裂
・タイヤ側面の損傷
最悪の場合、フェンダーの切れ角とタイヤが当たり、タイヤの破損(バースト)につながる恐れもあります。
5.はみ出し以外で車検に通らないタイヤの条件
タイヤのはみ出し以外にも、車検に通らないタイヤの条件がいくつか存在します。主な不適合条件は、溝の摩耗(スリップサイン)やひび割れ・損傷、荷重指数(ロードインデックス)不足、スピードメーターとの大きな誤差です。
(1)溝の摩耗(スリップサイン)
タイヤの溝が摩耗してスリップサインが露出していると、車検には通りません。スリップサインとは、タイヤの溝の深さが残り1.6mm以下になったことを示す、溝の底にある盛り上がった突起です。
道路運送車両の保安基準では、タイヤのすべての溝において1.6mm以上の深さを有することが求められており、この基準を満たしていないタイヤで走行すると、整備不良車両として違反点数と罰金が科されます。
また、溝が摩耗したタイヤは、雨天時の排水性能が著しく低下するため、スリップ事故のリスクが高まります。接地面が薄くなることで路面からの衝撃吸収力が低下し、乗り心地の悪化やロードノイズの増大にもつながるでしょう。
(2)ひび割れや損傷
タイヤの表面に深いひび割れやひどい損傷がある場合、車検に通りません。
細かなシワ程度の軽微なひび割れであれば問題ありませんが、指で押して開くような深い亀裂や、タイヤの内部構造が見えるほどの損傷は危険です。このような状態のタイヤは走行中にバースト(破裂)する恐れがあり、重大事故につながる可能性があります。
また、縁石などにぶつけてタイヤが膨らんでいる状態も危険です。タイヤは側面が弱く、タイヤ内部のコード切れにより、この状態が起こります(ピンチカット)。
タイヤの状態は1ヶ月ごとにチェックし、異常を発見したら早めに交換しましょう。
(3)荷重指数(ロードインデックス)不足
タイヤには、1本あたりが支えられる最大荷重を示す指数「ロードインデックス(LI)」が設定されています。ロードインデックスが純正タイヤより低いタイヤを装着すると、車検に通りません。
ロードインデックスはタイヤ側面に表示されており、例えば「195/65R15 91H」と記載されている場合、「91」がロードインデックスです。この数値が大きいほど、タイヤが支えられる重量が大きくなります。
タイヤ交換やインチアップの際には、見た目だけでなくロードインデックスも必ず確認することが大切です。不足していると車両の安全性が損なわれるだけでなく、車検不適合となってしまいます。
(4)スピードメーターとの大きな誤差
タイヤの外径が純正サイズから大きく変わると、1回転で進む距離も変わるため、スピードメーターに誤差が生じて車検に通らなくなる場合があります。一般的には、純正タイヤの外径に対して、マイナス3%からプラス2%程度に収めることが推奨されています。
誤差が大きいと「法定速度内」と思っていても実際には速度超過していたり、追突回避や制動判断を誤ったりするリスクもあるため、タイヤサイズ変更時は必ず外径の変化率を確認することが大切です。
6.はみ出しタイヤへの対策方法

タイヤがフェンダーからはみ出している場合、車検に通らないだけでなく安全面でもリスクがあります。以下の対策方法を検討しましょう。
(1)適合するホイールへ交換する
車検に適合させるには、純正ホイールのインセット値に近い、または大きい値のホイールへの交換が有効です。具体的には以下のような対応が考えられます。
・純正ホイールに戻す(最も確実な方法)
・インセット値が大きいホイールを選ぶ
・ホイール幅を狭いものに変更する
ホイール選びの際は、インセット値だけでなくリム幅やPCD(ボルト穴の配置)なども車両に適合しているか確認が必要です。適合するホイールへの交換は、タイヤのはみ出しを根本から解決できる最も確実な方法といえます。
(2)タイヤサイズを見直す
ホイールをそのまま使いながらはみ出しを解消するには、タイヤの幅や外径の見直しが有効です。現在装着しているタイヤより幅が狭いサイズへの変更により、フェンダーからの突出量を抑えやすくなります。
タイヤサイズの適合性に不安がある場合は、タイヤ専門店や整備工場で相談し、車両に最適なサイズを選定してもらいましょう。
(3)オーバーフェンダーを装着する
タイヤのはみ出しを解消する方法として、オーバーフェンダーの装着があります。オーバーフェンダーとは、車体のフェンダー部分に後付けで取り付けるパーツで、車幅を物理的に広げることでタイヤをフェンダー内に収めることが可能です。
ただし、車検証に載っている全幅より20mm以上大きくなった場合は、構造変更申請が必要です。普通車は管轄の運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会へ申請します。
オーバーフェンダーは機能的な役割だけでなく、スポーティーで迫力のある外観を演出する効果もあります。ただし、取り付けには専門的な知識や技術が必要なため、確実に車検基準を満たすためにも専門業者への相談がおすすめです。
(4)専門業者へ相談する
タイヤのはみ出し問題を自分で解決するのが難しい場合は、専門業者への相談が確実です。ディーラーやカスタムショップ、整備工場などでは、車検基準に精通したスタッフが適切なアドバイスを提供してくれます。
7.はみ出しタイヤに関してよくある質問
(1)はみ出しタイヤは車検でどのくらいまで許容されますか?
2017年6月以降に新基準で型式指定された9人乗り以下の乗用車であれば、タイヤのはみ出しの許容範囲は「タイヤの中心からの垂線とフェンダートップの当たる部分から前方30度、後方50度の範囲内で、フェンダーから10mm未満」になります。
ただし、ホイール本体やホイールナット、ホイールキャップのはみ出しは一切認められず、10人乗り以上の乗用車や貨物車は対象外となります。
(2)はみ出しタイヤで警察に捕まることはありますか?
9人乗り以下の乗用車のはみ出しタイヤは、整備不良や不正改造として警察の検挙対象となります。車検に通らないだけでなく、公道を走行している時点で道路交通法違反に該当する可能性があります。
違反が確認された場合は、整備命令が出されたり、罰則が科されたりすることがあります。車検の時期を待たずに、はみ出しタイヤの状態で走行することは避けなければなりません。
8.タイヤのはみ出しで車検が通るか心配な場合はグーネットピットにご相談ください
タイヤのはみ出しが車検基準内に収まっているか不安な場合は、ぜひグーネットピットにご相談ください。グーネットピットには多くの整備工場で自動車整備のプロが常駐しており、さまざまなサポートを受けられます。
自己判断でタイヤサイズを変更すると、車検に通らないだけでなく、安全性にも影響が出る可能性があります。専門知識をもった整備士に相談し、適切な対策を講じましょう。
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