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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.03.01 / 掲載日:2018.03.01

ポンコツジムニーハコ替え計画 その1

ポンコツジムニーの新プロジェクトは「ハコ替え」。ハコ、つまりキャビンを交換してしまいます。某メーカーのキャンペンをパクって「まだ使えるけど、ハコ替えしませんか?」なんてね。

SUZUKI ジムニー(JA22)
1981年に登場したSJ30型から引き継いだ四角いボディを持つJA22 W。コイルバネを採用した最初のモデル。最近はじわじわ人気上昇中。

問題のJA71。第一印象は、正直「写真よりボロい」だった。まぁ、頑張れば復活できそうだけど、どうしようかと現地でかなり悩んだ。

ジムニーを使って何か面白いことをしよう
 前回で約2年ぶりに復活したポンコツジムニーの連載。休載中も読者の皆様からジムニーはあれからどうなったの? という問い合わせを多数いただき、編集部との協議の結果、連載の再開となったわけだが、どうせやるならドーンとでかいことをしよう、と今回の企画が決まった。ただ素材となるクルマがなかなか見つからず、前回はちょっと中途半端なオーディオ交換でお茶を濁してしまいました。すみません。というわけで、今回から新プロジェクトがスタートです。
 ジムニーは今時珍しいラダーフレーム。フレームの上にボディが載せられているので、フレームとボディを分離させることができる。ハコ替えとはつまり、フレームの上に乗っているハコである、キャビン部分を交換して載せ替えてしまうこと。オフロードでハードに乗り回すジムニー乗りの間では割とメジャーな修理方法でもある。というのも、トライアルや林道などでハードな走りをしていると横転も当たり前。モノコックの車両であればそれで一発廃車となるのだが、フレーム車なので、キャビン部分を交換すれば復活可能なのだ。しかもジムニーは現行のJB23なら約20年、その前のシリーズでもボディ自体の基本構造を変えずに17年間も作り続けていたので、まだまだ現存台数も多く、部品取りのドナーを探してくれば、買い替えるよりはるかにリーズナブルに蘇らせることが可能というわけだ。
 ところで、なんでポンコツジムニー号にハコ替えが必要なのか。ポンコツジムニー号は激しいクロカン走行もしていないので横転したわけでもないし、錆穴は修復したので腐って大穴が開いたわけでもない。ボディはいたって綺麗な状態だ。じゃあなんでハコ替えをするのかというと、オープンカーが欲しくなったから。ジムニーは1970年に発売された初代モデルLJ10から、ずっと幌タイプのボディをラインナップしてきたが、現行のJB23にモデルチェンジした時に消滅してしまった。ポンコツジムニーと同時期のモデルにも幌屋根のモデルは存在していたが、ボディは同じでも搭載されるエンジンは旧型のF6Aで、登録も4ナンバーとなるJA12Cは生産台数が非常に少なく、見つけても高価だ。トライアルなどの競技車両であればボディをぶった切ってしまう「バンカット」という方法もあるが、ポンコツジムニー号は公道走行がメイン。雨の日も寒い日も暑い日も快適に乗りたいということでこれは却下。

やっぱり幌モデルは高い。ターゲットはJA71に
 JA22型は、1981年に発売されたSJ30型からボディの基本構造やデザインは変更されていない。とはいえ、SJ30のエンジンは2ストローク3気筒のLJ50。その後のモデルでもF5A、F6Aとエンジンが異なっている。エンジン自体はフレームに載っているのだからハコ自体は付きそうだが、ハーネスや配管の取り回しがどうなっているのかが気になる。ということからJA12Cのボディを持ってくるのが一番簡単そうだが、先ほども話した通り生産台数が少ないので中古車は高価で、部品取り車もまず出てこない。予算も少ないので最も数が多く比較的安価なJA11のボディを探すことにした。
 それから毎日のようにネットオークションとにらめっこ。オープンボディの部品取り車はなかなか出てこない。中古車としては何台か出品されているが、どの車もボディはボコボコに凹んでいるのに、価格が高め。あとからボディの補修をすることを考えると、予算内ではちょっと厳しい。そこで、検索の範囲を広げてJA11だけでなく、550cc時代のJA71、1300ccのJA51も探してみることにしたが、結果は大して変わらなかった。このままでは次の連載に間に合わないかもしれない。と焦り出し、部品取り車だけでなく中古車でも探してみることに。ネットオークションでは気に入った物件が見つからなかったので、中古車検索サイトもくまなくチェック。そこで、ちょっと気になる一台を発見したのだ。

予想を越えるボロさにちょっと後悔したりして
 見つけた車両はJA71。中古車店の販売車両なので部品取り車ではなく実働車。整備付きコミコミで35万円というプライス。JA71にしてはちょっと高い気もするが、希少な幌ボディだからこんなものなのか? 写真で見る限りボディはキレイな感じなので、早速チェックしに行くことに。実車と初対面した時の印象は、ボロい。写真ではかなりキレイに写っていたけれど、これはボロい。ボディに穴はあるし、フロアに腐りもある。ただ、クロカン走行はしていないようで、大きな凹みはないし、フレームもキレイな状態だ。これならなんとなるかもしれない。ただし、値段次第だ。保証なしの現状販売で売って欲しいと交渉すると、22万まで下がった。床に穴もあるし、もう少しなんとかして、と懇願すると20万なら、ということ。かなりの時間現場で悩んだが、購入を決めました。
 群馬県から引き取ってきたジムニーは、じっくり見るとすごくボロい。購入したのを後悔してしまうほどのボロさ。とにかく汚いので、幌と内装を取り外して掃除することに。硬化した幌やフロアマットを引き剥がすと、そこから現れたのは錆穴。それは予想してたんだけど、予想外だったあの害虫が棲み着いていた! 慌てて殺虫剤を噴射し、高圧洗浄機で汚れを洗い流した。とりあえず少しはキレイになったんだけど、本当にこれで良かったんだろうか、クルマを眺めながらしみじみ考えてしまった。

買っちゃいました!
現状販売での値下げに応じてくれたので購入してしまった。一応実働で書類も付いていた。箱を入れ替えればこっちも復活させることができそうだが、需要はないか?

エンジンはしばらく乗っていなかったようであまり調子は良くないが、まだまだ使えそう。ヘッドに赤い縮み塗装がされているけど、リビルトエンジン載せ替えか?

引き取ってきて確認すると、やっぱりボロい。屋外に放置されていたようで、車内には枯葉がつもり、なんだか湿っぽい。幌はボロボロで雨漏りし放題だっただろうね。

幌ボディはこのロックを外すとフロントウィンドウが前に倒れる。このレバーの分、ダッシュボードの幅が狭い。JA22用の移植は難しいか?

塗装はあちこちひび割れ、ところどころ剥がれている。剥がれた隙間からは元の紺色が覗く。それにしてもオールペンした塗膜が分厚くないか? 何層塗りなの?

サイドシル部分は塗装がひび割れ、その割れた部分から錆跡が垂れてしまっている。塗装を剥がしたらどんな状態になっているか、ちょっと怖い。

古いクルマの錆発生定番ポイントであるボンネットの先端もバッチリ錆びている。塗装の下から錆が進行しているので、中はグズグズか?

オーバーフェンダーが取り付けられているので、その下には泥が溜まって錆が進行するというありがちなパターン。中はグズグズだろうね。

ダッシュボードには何かを貼り付けたような跡が。樹脂が変質して白い粉を吹き、割れている箇所も多い。ダッシュボードはできればJA22用を移植したい。

獣の毛?
購入前から気になっていたのが内装の汚さ。シートにはカバーがついているがこれもボロボロ。

よく見るとケモノの毛がたくさん挟まっている。犬、だよね……?

とりあえず掃除をしよう

幌は純正のようだが、激しく縮んで変形している。ビニール窓は曇って変色していてテープで補修はされているがあちこちがひび割れて、崩壊寸前。触るのが怖いほど。

とりあえず幌を取り外すため、サイド下側のホックを外す。

ピラー部分はレールに差し込まれているのだが、がっちり固着して外れない。

サイド上側のファスナーを開けようとするが、幌が縮んでいることもあり、ファスナーが固くて壊れそう。いや、壊れてもいいんだけれども。

ファスナーが開き、ようやくレールに差し込まれた部分を外すことができた。

硬化したビニール窓がバリバリと割れ、破片が飛び散った。

センター部分はベルクロで固定されているだけ。こんなんで高速走ったらバタつかないのかなぁ。そんなコト気にしたらジムニー乗ってられないか。

フロントウィンドウ上の部分もレールに差し込まれているが、これもなかなか外れない。車体側のレールを壊さないように注意する。

おお、オープンぽくなってきた。

ビニール製の幌は硬化してしまい、折りたためないほど硬い。苦労しながらバリバリと折りたたみ、なんとか処理することができた。

シートがボロボロになってしまったようで、サイズの合わないカバーがかけられていたがこれもボロボロ。取り外そうとしたのだが、引っ張っても全然外れない。

仕方ないのでシートを取り外す。

縛られ地蔵か?
裏返して見ると、これでもかと紐で縛られている。なんだこれ? しかもベルトがホチキスで固定されている。なんだこれ? ちょっと怖い。

JA71の助手席側は、後部座席に乗り込むためにこのように持ち上がって前に倒れる。このレールのおかげでシートはスライドできない。JA22とは固定位置も違う。

助手席のシートを取り外す。

クモ?
すると、その下からは蜘蛛やオサムシなど虫の死骸が。

これだけ汚ければ仕方がないか。しかし、このジムニーどこに置いていたんだろうねぇ。

キタナイ!
車内には新聞紙やら枯葉やら泥やらゴミやらが蓄積してすごく汚い。ちょっと移動させるだけでも乗り込みたくないくらい。

とにかくキレイに掃除しよう。

リヤシートはシンプルな2人がけ。4ナンバーなので背もたれが直立して薄っぺら。生地も汚れて破れもあるし、再使用は厳しいかな。

リヤのフロアは一見キレイに見える。ここから見ると大きな凹みもないし、錆も少ないように感じるのだが、この考えは甘かったとあとで知る。

新聞紙や枯葉などの大きなゴミは箒とちりとりで掃き出し、残った細かいゴミを掃除機で吸い取った。細かい泥や砂がたくさん積もっていた。

!!!
フロアマットを剥がすと、いました! 最も会いたくなかった奴が。しかもまだ生きてる! そうです。GKBRです。

殺虫剤を大量に噴射して避難した。

ジャブジャブ水洗い!!

隅々までキレイにするため、外せるパーツは全て外す。このモデルはフロントウィンドウが倒せるので、倒せるように部品を外す。ちなみにJA12Cの幌ボディはフロントウィンドウを倒すことはできない。

カバーを先に外すこと!
フロントウィンドーを倒す時は、ダッシュボード左上のカバーを外さないと、ワイパーモーターが当たってしまう。カバーが割れる事も。

ウインドウを倒すと内側の部分に錆があるのがわかった。下のゴムパッキンは硬くなっていたが、この部品は出るのか?

ウィンドウウォッシャー液のホースも硬くなっていたようで、ウインドウを倒したら抜けてしまった。硬くなって引っ張っても出てこない。

オーバーフェンダーはクリップで固定されていただけなので簡単に外れた。その下には予想通り錆が発生し、一部は腐って穴が空いていた。

穴!

ロールバー風のBビラーの上部分。塗装がひび割れてそこから水が入り込み、内部から錆が発生している。まだ穴は空いていないが、早めに対処したい。

掃除をしてちょっとキレイになったジムニー。

だが、フロアには泥がたくさん入り込んでいたのですごく汚い。しかもアイツも棲み着いていたのでスッキリしない。

リヤゲートのスペアタイヤを外してみると、その下のパネルは泥だらけ。錆びていなかったのは良かったけど、ちょっと汚いなぁ。

車内も水洗いすることにしたので、水抜きのためにフロアに開けてあるドレンのキャップを全て外しておく。いくつかは硬くなっていたので変形してしまった。

高圧洗浄機を使うので効果は薄いかもしれないが、一応ダッシュボード周りにはビニールでカバーをしておく。ま、最悪壊れてもいいんだけどね。使わないから。

フロアに高圧洗浄機でじゃんじゃん水をかける。

室内を水洗いすることなどなかったので不思議な感覚。汚れはなかなか落ちなくて難儀した。

一通り汚れを落とし終えたら乾燥させる。電装部分や隙間などは乾きにくいので、ブロアーで水分を吹き飛ばしておく。風圧で塗装が剥がれて飛んで行った。

水洗い後。写真ではあまりキレイになった感じがしないが、泥汚れが落ちたのでスッキリした。洗浄機の水圧でところどころ塗装が剥がれてしまっている。

洗浄後にじっくり室内を観察すると、フロアの錆が結構ひどい。

運転席の足元は大きな穴が空いているし、助手席側もフロアには穴があった。これは補修でなんとかなる。

!!!
一番ショックだったのはこれ。バルクヘッドのアクセルペダルが取り付けてある部分。錆がひどく、小さな穴が空いている。

リヤフェンダー上には錆びた部分に小さなパネルがコーキング材で貼り付けてあった。なにこれ? 謎の修理法だな。次回より分解開始か?

キレイになった!!
今回はここまで。

提供元:オートメカニック

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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