コーティング・クリーニング
更新日:2019.02.27 / 掲載日:2019.02.27
目指せ30万km! オンボロジムニー快適化計画 その1
ネットオークションで衝動買いしたジムニー。走行は20万kmを超えたポンコツ。エンジンのフルオーバーホールを終えて路上復帰は果たしたものの、あちこちにガタがきていて問題はまだまだ山積みなのだ。
丁寧にOHしたつもりだが、オイルにゴミが!?
エンジンOH後、フロントナックル部のオイル漏れを直したこともあり、メカ的な問題はほぼ解消。オンボロジムニーは、車検にもパスして無事に1000kmを走破した。今回は新車時と同じ扱いで慣らし後の点検とオイル交換を実施する。
先に無事に……といったが、実はそうでもなかった。ジムニーを止めてあった場所にオイルが垂れていたのである。エンジンルームから見る限り、湿ったような部分はない。思い当たるフシというか、今回の作業で漏れそうなポイントといえば、クランクのリヤオイルシールかシリンダーブロックのロワデッキの液体ガスケット不足くらいしか考えられない。これらの部分を点検するには、最低でもミッションを降ろさないと判定できない。オイルシール交換程度なら半日で交換できるはずだが、クランクケース下を分解するとなると、再度エンジンを降ろさなくてはならない。しかし、オイルレベルゲージ上では減ってないという。
ひとまず、オイルシールは新品を用意しておき、ガレージでリフトアップ。恐る恐るエンジンやミッションを見たのだが、完全にドライになっていてどこにも漏れた形跡がない。ミッションケースのクラッチに近い部分には、川渡りなどで浸水した時に対応するためか、真下に小穴が開けられているが、ここからライトで照らしてフライホイールとクランクシャフトの取り付け部を見てもドライなのだ。まわりを見ても、どこにも漏れはなく、サビが多かった水まわりの配管でも一切にじみはない。これは組み付け時にスレッドシーラントを塗布したおかげもあるだろう。
強いていえば、ミッション側のクラッチハウジングを洗浄したので、その際の汚れが垂れてきたのか? 結局、この原因は分からなかった。
エンジンの作動自体は始動性も走りも快調そのもの。プラグの焼けは2番が僅かに白いが一般的には全く正常と判断できるもの。
エンジンの状態は問題ナシ
エンジンオイルにはゴミがいっぱい
デフオイルは20万km無交換?
駆動系のオイル交換ではプラグが固着して緩まない
コンプレッションはどれも12kg/cm2台で揃っており、こちらも問題ない。オーバーホール後のオイル交換では、古いオイルの分析が大切だ。抜いたオイルはピストンリングの当たりが出ていない初期から使っているワケでブローバイが多いせいか黒い汚れが目立つ。これは次回以降も経過を見ていく必要があるが、低予算OHなので、致し方ない面もある。
そして、オイルフィルターの分解へ進む。これはエンジン内部の異物にどのようなものがあるかをチェックするためである。フィルターカッターでカートリッジのケースをカットし濾紙を取り出して広げていくと、谷間にブツブツがたくさんある。大きさは0.5mm程度のものだが、シルバーにキラッと光るものや茶色のものがある。もしかしてメタルの剥離か? と一瞬ヒヤリとするが、指にとってすりあわせてみると、グニャグニャした柔らかいものだった。これはどうやら古い液体ガスケットが残っていたようだ。洗浄はかなり時間をかけたのだが、その後のすすぎが足りなかったというか、組み付けにも追加洗浄したりしたので、作業場のゴミが少しずつ付いたのかもしれない。この影響については、再度エンジンを開けてみないと分からないが、機能上は大丈夫だと思いたい。
次は駆動系のオイルだ。前オーナーのメンテ状況からして、コンディションはよくないと思われるので、早めに替えておきたい部分。ジムニーは、前後のデフ、トランスミッション、トランスファーと4か所もある。
このような乗りっぱなしのクルマの作業では、フィラープラグから緩める。もしドレンから先に緩めてフィラー側が外れなかったらオイル注入ができなくなる。案の定、固着が非常に激しい。フィラープラグの穴はスクエア型の浅いタイプなので、工具の掛かりも不十分でなめやすい。そこで、スクエア部にバルブコンパウンドを塗って、滑り止めと面圧分散対策をして、長いパイプで延長して緩めた。
トランスファーオイルも汚れている
予想どおりミッションオイルも真っ黒
ミッションオイル交換はマフラーを外してから
駆動系のオイルは、いったいどんな状態のものが出てくるかと期待していたが、フロントデフのドレンを外すと、意外にも褐色の色味が残っている。フロントの車軸にあるフリーホイールハブがフリーの設定のままで固着していて、4WDで使うことはなかったようだから、この部分はほとんど作動していないのだろう。一方リヤデフは、鉄粉の切り粉のようなものもドレンのマグネットに付着。しかし、こちらもオイルの色味が残っており、手で触る限り粘度も適切で想像よりはよい状態だった。新しいデフオイルはシングルグレード品を使ったが、冬なので湯煎して温めてもなお固く、ポンプを操作するのが大変。オーナーが買ったのを入れたが、燃費面を考えるとマルチグレードにしたほうがいい気がする。
トランスファーは2WDと4WDの切り替えを行う部分だが、ここにはサイレントチェーンが入っている。アルミケースでプラグはテーパータイプなので、緩める前にネジの突き出し量を見ておき、締め付け時に過度な締め付けを行わないようにすることが大切(締めすぎはケース破損になる)。オイルはやや黒いものの、エンジンの状態を思えばまともに見えるくらい。
最後はミッションオイル。気温が下がってきて、冷間時は1速と2速のシフトが非常に入れづらいということなので、相当劣化しているのだろう。シンクロ部品も減っているかもしれないので、オイル交換だけでよくなるか分からないが、とりあえず替えてみる。しかし、マフラーがドレンの下にあるので、何か樋状のものを置かないとオイルまみれになってしまう。駆動系のオイルは抜けきるのに時間がかかるので、マフラーを外してから交換した。一番汚れがひどく、アルミ粉のようなものも多く出てきた。シンクロの真ちゅう系の粉やら、ギヤやベアリングの鉄粉も多くあるだろうから、これは交換して正解だ。
走ってみると、シフトフィーリングはかなり改善され乗りやすくなった。
【オマケ】タバコ臭さをなんとかしたい!
途中で禁煙した方や、喫煙車の中古車を手に入れた時、タバコの臭いが気になる。シートやカーペット、天井までをしっかりクリーニングしたはずなのに、いつまでもタバコ臭いことはありませんか? その原因は、ダッシュボードにアリ。タバコの火が完全に消えていないうちに灰皿を閉じることで煙がダッシュボード内に充満し、内部にタールがベッタリと張り付いてしまっているのだ。ジムニーの前オーナーはヘビースモーカーだったようで、あちこちがヤニでベタベタ。クリーナーシートで拭き取ると、いつまでもシートが黄色くなるほど強烈だった。
この臭いを取り除くにはまずは灰皿とその周りのパネルはもちろん、インパネ周りは外せるだけ外してしまう。これらを家庭用クリーナーでしっかり洗い落とせば、しつこいタバコの臭いがかなり軽減されるはずだ。取り外せないダッシュボードの内部も、家庭用のクリーニングシートで拭き取ればキレイになる。