車のメンテナンス
更新日:2025.08.22 / 掲載日:2025.07.31
洗車後の見た目がグレードアップする、ブレーキキャリパーの簡易塗装【潔癖クルマ生活♯4】

文と写真●ユニット・コンパス
「愛車は綺麗なほうがいい!」をキーワードに、30年以上神経質なまでに洗車し続けてきたクルマ潔癖男の編集部Kが、独自のノウハウ(とウンチク)を披露する本企画。
今回は、ブレーキキャリパーの簡易塗装をお届け! 洗車時にいくらホイールをピカピカに仕上げても、キャリパーが汚いと洗車後の満足度が半減。そのモヤモヤを解決します。
洗車するときに気になる、キャリパーの汚れ

クルマは定期的に洗車を行っていても、長く使っていると細かな部分に汚れが堆積してくる。それはディテールを見れば明らかで、トランクルームの隙間や給油口の中、また、ドアヒンジやワイパー周辺のカウルトップパネル、そしてエンジンルームなどなど。ある程度の洗車自慢なら、だれもがこの壁と対峙しているはずだ(笑)。
そこで、潔癖男が注目するのが、ブレーキキャリパーの汚れ。これはホイールの形状によって外から見えにくいものもあるのだが、「見える」タイプのものはホイールをいくら一生懸命きれいにしても、洗車後の満足感が半減してしまう。
もちろん、ホイール清掃の際に長めのブラシや自身の指を駆使してある程度の汚れを落とすことはできる。しかし、その作業も月日とともに限界が訪れ、落としきれなくなってしまうのだ。洗車のたびにキャリパーに意識がいってしまう自分にほとほと呆れる瞬間があるが、思い立ったが吉日。今回は16年落ちのBMWで作業を行った。

今回の作業は、キャリパーを外さずに手の届く範囲を刷毛で塗ろうというもの。あくまで時間と費用を最小限に抑えた方法なので、本格的に仕上げたいという方には向いていないかもしれない。ちなみに、本格的にキャリパーを塗装する場合は、プロにお願いしてキャリパー脱着、塗装で1台分10万円前後の費用がかかると言われている。しかし、ためしに知り合いのお店に聞いてみたところ、10万円でも受けたくないと言われてしまった。キャリパーを脱着するとブレーキのエア抜きなど関連作業も発生し「割に合わない」のがその理由だそう。
いちばん大変なのは、タイヤの脱着!?

作業開始
ジャッキアップしてタイヤを外す。安全のために、ジャッキアップ後はウマをかけて、対角線上のタイヤには輪止めを装着しよう。
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パーツクリーナーとワイヤーブラシを使いながら、キャリパーにこびりついた汚れを落としていく。長年こびりついた汚れは簡単には落ちないため、焦らず根気よく作業を進めていく。今回使用しているワイヤーブラシはダイソーで購入。そもそも安いので、2セット買っておくことをオススメする。
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使用した塗料は、関西ペイントの油性鉄部用塗料でホームセンターで約800円で購入。サビの上から塗れるので超便利! 本来であれば耐熱塗料が好ましいのだが、そこまでブレーキを酷使した走りはしないのと汚れたらまた塗る予定のため、安さ優先で決めた。
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そして刷毛は2種類用意したものの、使用したのは幅10mmの小さいほうのみ。こちらは約400円。刷毛あるあるなのだが、あまり安いものだと作業中に毛が抜けて除去するのが面倒なので、買う際はよく確認してほしい。
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今回は、なんとマスキングもなしで!と、とことんまで安く手早く仕上げることに注力。刷毛は3回~4回重ね塗りしました。
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黒の塗料が少しだけあまっていたので、今回パット固定用の金具は黒で塗ってみた。少しだけアクセントになったかも。
14年落ちのプレマシーにも実施した!

後日、14年落ちのプレマシーにも実施。こちらのキャリパーはBMWよりも汚れが激しく、結果的に見映えがかなりよくなった(笑)

黙々と作業すること4時間で完了! タイヤ脱着がどうにも面倒だったが、外気温が30度を超えていたこともあり、塗料が乾くのあっという間。だいたい1カ所1時間(タイヤ脱着15分、キャリパー掃除20分、キャリパー塗装25分)だった。そして、かかった費用は全部で約2500円(塗料約800円、刷毛約1300円、ワイヤーブラシ約400円)。今回は手元にあったパーツクリーナーを使用したが、それを入れても約3500円ほどなのだから、作業場所を確保できれば、思いのほかリーズナブルに仕上げることができる。
何事も自分でやれば費用は抑えられる!

キャリパーが綺麗になると、洗車時のテンションもあがるというもの。この作業、本格的にキャリパー脱着塗装をプロにお願いすると約10万円。対して、簡易的に上から掃除して塗るだけなら5000円以下で実現可能ということで、潔癖男としては数年に一度の固定メニューとしている。ただし、感覚的には車齢10年を超えた車両に限定するイメージで。やはり新しいクルマへは、やはりちょっと勇気が必要だ(笑)
一般誌、自動車専門誌での編集者歴30年。もとは「仕事としてクルマで食べていくに際し、汚れていてはいけない」という願掛けで始めた洗車だったが、いつの日か洗車に取り憑かれてしまい、いまや『クルマ潔癖男』と呼ばれるまでになってしまった。現在、16年落ちのBMWと17年落ちのシトロエンの維持(というか洗車)に奮闘する毎日を送る。

16年落ち14万キロオーバーのBMW 525i。よく出先で「綺麗に乗ってるね~、車庫保管?」と聞かれるが、屋外保管(たまにボディカバー)です。この美観を保つために、これまでに300回以上は間違いなく洗車している(苦笑)
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