新車試乗レポート
更新日:2022.03.31 / 掲載日:2022.03.31

【試乗レポート レクサス LX】世界に胸を張れる日本製フルサイズSUV

文●九島辰也 写真●レクサス、ユニット・コンパス

 レクサスのフラッグシップといえば、LCやLSが頭に浮かぶ。それまでのイメージを変えたハイパフォーマンスなスポーツカーと、ブランド創設からリードする4ドアサルーンだ。ただ、時代はSUV全盛。となれば無視できなのがLXとなる。レクサスSUVラインナップの頂点に位置するモデルだ。

フレームから刷新したフルモデルチェンジ

LX600

 今年1月、そのLXがフルモデルチェンジした。フレームから見直された正真正銘のフルモデルチェンジである。

このタイミングのモデルチェンジの裏には、ベースとなるトヨタ・ランドクルーザーがある。昨年後半、200系から300系にスイッチした。ボディオンフレーム&リアリジッドアクスルという形式を継続しながらも、大きく進化したのだ。レクサスはそれをさらに独自にセッティング、彼らのブランドイメージに合わせるよう仕立てた。昨今のレクサスがこだわる“走り”を具現化するよう心掛けたのだ。

 具体的には、フレームの溶接から見直し剛性を従来比で20%アップさせている。またボディに高張力鋼板やアルミを多用することで従来モデルより200キロのダイエットを成し遂げた。剛性アップと軽量化はそのまま走りに直結するだけに、開発陣のこだわりを感じる。

 サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン式を、リアにトレーリングリンク式を採用するが、個人的に興味を持ったのは、通称ガスバネと呼ばれる“アクティブ・ハイト・コントロール(AHC)”。これはLX独自のシステムで、ガス圧でダンパーの油圧をコントロールする。これが電動パワステと連動して、クルマの挙動をナチュラルにかつ快適にしてくれるのだ。従来型ではフロントにのみ装着されていたが、新型では前後になった。この恩恵は大きい。

 エンジンは3.5リッターV6ツインターボで、最高出力は415psを発揮する。従来型が5.7リッターV8の自然吸気ユニットだったことを鑑みると、時代に合わせたダウンサイジングだ。それでいてパワーは377psだったので、40ps近くアップしたことになる。V8のサウンドとフィーリングは惜しまれるが、低回転から力強いツインターボも悪くない。サウンドも踏み込めばそれなりの頼もしさを感じた。開発陣もその辺は心得ていて、「V8の方が良かった」と言わせない工夫がされているようだ。

4人乗りで2列目に広大なスペースを用意する「EXECUTIVE」

 今回の目玉にグレード構成がある。スタンダードモデルの他に、個性豊かな2つのグレードが用意された。ひとつはEXECUTIVEと呼ばれる4人乗りで、22インチのアルミホイールを標準装備する。しかも、シートアレンジは個性的で、助手席後ろの席ではかなり広々した空間を作れる仕様になっている。助手席が前にスライドしレッグスペースは最大1mになり、リクライニングは最大48度まで傾けられるのだ。まさにエグゼクティブというか、VIP仕様である。

LX600 EXECUTIVE

黒をモチーフにし、悪路走破性を高めた「OFFROAD」

LX600 OFFROAD

 もうひとつの個性的なグレードはOFFROAD。こちらはその名の通りオフロードを意識したモデルで、フロントとセンター、そしてリアのデフをロックする機構を持っている。レクサスでそこまで必要かという疑問もあるが、泥道などで効果が大きいのは想像できる。フロントまでデフロックできるのは、ジープ・ラングラーとメルセデス・ベンツGクラス、それとレンジローバーくらいだからだ。

 それとこのグレードの特徴はエクステリアに黒をモチーフにしているところ。黒光りするフロントグリルとマットブラックに塗装されたホイールなどは個性的で、かなりイケている。黒いホイールはトレンドなだけに、大きな反響を得そうだ。

LX600 OFFROAD

どこまでもしっとりとしなやかな乗り心地

LX600 EXECUTIVE

 それじゃ実際に走らせた印象はというと、まずは乗り心地の良さに驚いた。ベースとなったランクルはそこがネックで、高速道路では細かなピッチングが気になった。が、LXはそれが一切ない。どこまでもレクサスらしく、しっとりしなやかな乗り心地を提供してくれる。言ってしまえば、ラダーフレームとは思えない乗り味だ。それにハンドリングもいい。前述したパワステとAHCの絶妙な組み合わせが、2.5トンとは思えない軽快さを演出する。ロールは抑えられ、ボディは操舵に対しスッと向きを変える。

 エンジンの吹け上がりもこのクルマの長所だろう。荒々しさが際立ったランクルとは異なり、ひとつひとつのギアでキレイに吹け上がる。10速あるATがうまくコントロールしているといった感覚だ。こちらも長距離でメリットを発揮するだろう。ドライバーの疲労軽減に役立つに違いない。

 と言った印象を総体的に思い起こすと、いいところばかりが目立った。これまでたくさんフルサイズSUVをテストドライブしてきたが、こいつはかなり上位に食い込む出来栄えだ。そこはきっと開発陣のこだわりの上に成り立っているのだろう。日本製フルサイズSUVとして胸を張れる一台である。

自動車ジャーナリストの九島辰也氏

レクサス LX600(7人乗り・10速AT)

■全長×全幅×全高:5100×1990×1885mm
■ホイールベース:2850mm
■車両重量:2590kg
■エンジン:V6DOHCツインターボ
■総排気量:3444cc
■最高出力:415ps/5200rpm
■最大トルク:66.3kgm/2000-3600rpm
■サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク
■ブレーキ前・後:Vディスク
■タイヤ前後:265/55R20
■新車価格:1290万円-1800万円(全グレード)

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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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