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更新日:2021.04.01 / 掲載日:2021.04.01
トヨタ 熊本赤十字病院と世界初の燃料電池医療車の利活用実証をスタート

燃料電池医療車(外観)
トヨタは3月31日、熊本赤十字病院と協力し、世界初となる水素を使って発電する燃料電池医療車の実証実験を、2021年夏までに開始することに合意したと発表した。
車内外にアクセサリーコンセント装備、DC外部給電システムも搭載

燃料電池医療車(内観)
近年、台風や豪雨など自然災害の発生が増え、家庭や避難所に電気が届かない問題や、被災地での医療活動の必要性が高まっている。その状況に対し、同社では2020年夏ごろから熊本赤十字病院と検討を重ね、平常時には医療活動で、災害時には被災地での電力源としても利活用できる燃料電池医療車の開発に至ったという。
開発された燃料電池医療車はトヨタ・コースターをベースに、「MIRAI」にも搭載されているトヨタフューエルセルシステムを動力源に採用、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない環境性能と、低騒音・低振動を兼ね備えたものとなった。
給電機能については、車内外にアクセサリーコンセント(AC100V)を装備するほか、高出力かつ大容量の電源供給能力を備えたDC外部給電システム(最高出力9kW、供給電力量約90kWh)も搭載。また、車内は空調とHEPAフィルターを経た排気装置の組み合わせで、乗員の活動時の感染予防を高めている。
主要諸元
【車両】
■全長×全幅×全高:7160mm×2105mm×2795mm
■車両総重量:5670kg
■最高速度:約100km/h
■航続距離:約210km
【FCスタック】
■個数:1基
■最高出力:114kW/155PS
【モーター】
■個数:1基
■最高出力:134kW/182PS
■最大トルク:300N・m(34.2kgf・m)
【高圧水素タンク】
■本数:3本
■水素貯蔵量:7.2kg
【給電機能】
■種類・出力:AC100V、最大9kW
DC(CHAdeMO)、最大9kW
■供給電力量:約90kWh