新車試乗レポート
更新日:2021.03.29 / 掲載日:2021.03.27

SUBARU フォレスター e-BOXERの魅力解明

「e-BOXER」は、スバル伝統のボクサーエンジンを活かした独自のハイブリッドシステムだ。回生&モーター駆動を加えたスバルの走りとはどんなものか。フォレスターであらためて検証した。

「e-BOXER」は、スバル伝統のボクサーエンジンを活かした独自のハイブリッドシステムだ。回生&モーター駆動を加えたスバルの走りとはどんなものか。フォレスターであらためて検証した。

フォレスター アドバンス[e-BOXER] ●車両本体価格:315万7000円 ●ボディカラー:ホライゾンブルー・パール ※撮影車はスタッドレスタイヤおよび雪用ワイパーを装着。

■主要諸元(アドバンス)※オプションを含まず
●全長×全幅×全高(mm):4625×1815×1715●ホイールベース(mm):2670●最低地上高(mm):220●車両重量(kg):1640●パワーユニット:1995cc直4DOHC直噴(145PS/19.2kg・m)+モーター(13.6PS/6.6kg・m)●トランスミッション:CVT●WLTCモード総合燃費:14.0km/L●タイヤ:225/55R18

最小限のコスト負担で電動化のメリットを享受

e‐BOXERの前身となる2Lハイブリッドシステムが登場した時、パワートレーン開発コンセプトのひとつにコンパクトなパッケージング寸法があった。いわく、2.5L・4気筒車からサブフレームやフロアパンの設計変更なく換装が可能。コストアップを抑えて普及を図るのはe‐BOXERの基本でもある。

 そのコンセプトの通り、フォレスターのマイナーチェンジでは標準設定をNA2.5Lからe‐BOXERに変更した。システムにはNA2Lを核に1モーター/2クラッチ型の本格的なパラレル式ハイブリッドを採用する。モーター駆動アシストによる俊敏な加速の立ち上がりや繊細なパワーコントロール、回生による減速エネルギーの回収など、ドライバビリティと燃費の向上を特徴にする。

 もっとも、それらの特徴は多くのハイブリッドに共通するものであり、e‐BOXERだけの長所とは言い難い。しかし、圧倒的なのはコスパである。例えば「ツーリング」の税抜車両価格を比較すると、従来の2.5L車からの価格アップは5万円でしかない。また、全車速型ACCには電動アシストと回生減速を積極的に用いるエコクルーズモードが付加されるなど、e‐BOXER採用に伴う機能向上も図られている。

 技術的な先進性も重要だが、それ以上に大事なのが普及の面だ。安全&運転支援においてはアイサイトの展開が象徴しているように、普及させることの重要性はエコ性能においても同様である。

 回生用ブレーキや駆動用リチウムイオンバッテリーなど、付加されたハードウェアのコストをどこで回収しているのか不思議なくらいだが、間違いないのはそれが大きなユーザーメリットを生み出していること。プレミアムのための安全&運転支援やエコ性能ではなく、次世代の「普通」を今の時点で当たり前にしてしまったのだ。そういった意味でe‐BOXER標準化も、スバルにとってはアイサイトと同様に「普通」ということなのだろう。ユーザーとしては嬉しい限りだ。

icon SUBARU フォレスター

価格:291万5000~328万9000円

悪路にも目配りを利かせたSUV

 余裕のあるロードクリアランスに加え、悪路脱出能力を高めるX-MODEを搭載するフォレスターは、ボクサーエンジン+シンメトリカルAWDのアクティブなイメージを体現するクロスオーバーSUVだ。追加発売されたグレードのみ新型レヴォーグ譲りの1.8Lボクサーターボを搭載するが、ラインナップの中心はe-BOXERが占めている。

■アイサイトツーリングアシスト

おなじみのアイサイト。フォレスターはツーリングアシスト(0~120km/hでアクセル、ブレーキ、操舵を支援)を標準搭載する。

■2L直噴DOHCボクサー+リニアトロニック

e-BOXERのエンジンは2L水平対向4気筒(FB20型)、リニアトロニック(CVT)は「オートステップ変速」を搭載している。

■e-BOXER

コンパクトなモーターとリチウムイオンバッテリーをシンメトリカルAWDレイアウトに統合。X-MODE作動時にはモーターのトルクやレスポンスを活かして脱出性能を向上させ、SI-DRIVE スポーツモード選択時には中速域でモーターアシストを活用して力強く加速。ACC作動時に「ECOクルーズコントロール」スイッチをONにすると、モーターアシストと回生ブレーキを最大限活用し、より燃費に配慮した追従制御を行う。

●文:川島茂夫 ●写真:長谷川 徹
●協力:株式会社SUBARU 問い合わせ先:0120-052215(SUBARU お客様センター〈SUBARUコール〉)

提供元:月刊自家用車

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