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更新日:2020.09.04 / 掲載日:2020.08.31

今もその名を残す“伝統” NISSAN R31 SKYLINE 内外装と「ここに注意」

  • ストラットアッパー部やフロアフレーム後端部など錆に注意

    ボディの錆多発部位を伺うと、定番となる部分は3カ所だそう。まずはストラットタワー部矢印の部分に錆が発生していることが多いという。ストラットアッパー部という大きな力が掛かる部分だけに、錆を見つけたら早めに対処した方がいいだろう。この他、フロアのフレーム部、リヤサスメンバーのマウント部付近にも錆が発生しやすい。それからリヤホイールアーチの下部が、前後方向とも錆が発生している車体が多いようだ。

  • 大型のピラーレスドアだがドア落ちの心配は少ない

    2ドアクーペというボディ形状はドアが非常に大きくなる傾向がある。 R31の2ドアもかなり大きなドアを有するわけだが、ドアが大きいといわゆるドア落ちが発生してドアの閉まりなどに影響しそうだが、柴田さんによるとR31は取り付け部に十分な強度があり、ドア落ちしている車両はほとんどなく、気にする必要はないとのこと。

  • 車検時のヘッドライト光量は?

    R31の兄貴分となるR30系では、元々小さなヘッドライトユニットということもあり、リフレクターなどが汚れた状態では十分な光量を出せず車検時に困ることが多いという。R31も同様なのでは? と思い聞いてみると、そういった問題は少ないようだ。光量落ちの場合でもLED化などで対処できてしまうという。

  • 本来はグレー系のスモークだが……

    テールランプには内部に水が溜まったりするなどのトラブルは無いそうだが、レンズ表面が紫外線によって変色してしまうことがよくあるそうだ。具体的には本来グレー系のスモークレンズなのだが、茶系のスモークレンズのようになってしまうという。紫外線はこんな部分にも影響を及ぼすようだ。

  • 燃料タンクまわりのトラブル

    旧車は長期放置期間があった車両が多く、そういった車両は燃料タンク内に錆が発生していることが多い。R31もタンク内の錆によるトラブルが多発しているという。

  • またR31特有のトラブルとして、給油口からのホース部にクラックが発生することが多い。満タンにした時のみにガソリンが漏れるそうなので、そういった場合は部品交換が必要だ。

  • アンダーカバー欠損も多し

    エンジン下側を覆う樹脂製のアンダーカバーが欠損している車両が多いという。しかしこの部品、すでにメーカーで廃盤となっており付けたくても付ける部品がない状態だったそうだ。そんな状況を打破すべくR31ハウスではリプロパーツを作り対応している。

  • ウインドウ周辺のゴム類やモール類の状況は?

  • ウインドウまわりだと、サイドのトップモールが波打ってしまったり、前後ウインドウのファスナー(矢印部の細いゴム)が切れてしまうことが多いという。

  • その他のモール類は、経年劣化により表面が白っぽく褪色してしまっていることがほとんどなので、R31ハウスでは塗装を施すことで対応しているそうだ。

  • オートスポイラーもGTS-R純正も問題あり

    当時の目玉装備だった可変式のGTオートスポイラーは現在ではまともに機能するものはほとんどなく、GTS-R用の固定式リップスポイラーのレプリカを装着するのが定番となっている。ちなみにGTS-R純正品は素材がウレタン製なのだが、こちらも経年劣化による変形などで、使えない状態となっているものがほとんどだという。

当時の最先端技術であったハイキャスが絡んでくるパワステの作動油漏れ問題

  • パワステと連動するハイキャスはフルード漏れ修理時に取り外す

    R31スカイラインで初採用された4輪操舵のハイキャス。その仕組みはパワーステアリングと連動する油圧システムで、ゴムマウントされたリヤサスペンションメンバーを押し動かすというもの。

  • 新車時では優れたメカニズムだったかもしれないが、年月を重ねた現在では長い油圧経路からの作動油漏れや、油圧で強制的に力が掛かることでメンバーのマウントゴム切れが発生するなど問題も多い。

  • その対策としてハイキャス無し用のステアリングギアボックスへの変更も含めた、ハイキャス完全除去を施す車両が多いという。切れてしまったメンバーマウントもリフレッシュされるので、乗り味も大幅に改善されるはずだ。

  • スタビブッシュも劣化の注意部位

    スタビライザーのブッシュも経年劣化が進んでいる部位のひとつ。特にスタビリンクのボールジョイントの反対側、串刺し状のゴムブッシュの劣化が進んでいる。当然ガタが大きくなってしまっているので、スタビの効きへの影響は大きいはずである。

  • テンションロッド、ブッシュの劣化

    ストラット式のフロントサスペンションはテンションロッドのボディ側のブッシュにガタが発生していることが多い。R31ハウスではピロボールジョイントを用いた、ピロテンションにアームごと変更してしまうことが多いようだ。

  • ロアアームのボールジョイント

    ロアアームのボールジョイントにもガタが発生していることが多いことから、R31ハウスではボールジョイント単体でリプロパーツを用意してくれている。ガタがある場合は是非交換しておこう。

ドライバーズシートのヤレ以外 大きなトラブルのないインテリア

  • ブレーキとショックアブソーバーは純正パーツでのメンテは事実上困難

    前後のブレーキは社外のシールキットなどによるO/Hは可能だが、本体側に問題があった場合などは純正部品の供給が今ではないので、部品入手が非常に困難となる。R31ハウスではオリジナルにこだわらないのであれば、対向ピストン化されたキャリパーや大径のローターがセットとなるブレーキキットを薦めているそうだ。ちなみに装着ホイールサイズに合わせ、ローター径やキャリパーサイズも選べるという。ショックアブソーバーも現在は車高調に変更してしまうのが現実的とのこと。というのもノーマル形状を選ぶと、アッパーマウントやブーツなどゴム系部品が交換しないといけない状態となっている場合が多く、コスト的に車高調を選んだ方が安いことが多いからだそうだ。

  • 強いていえばエアコン吹き出し口が弱い

  • R31は、ダッシュパッドの割れやスイッチ類の作動不良といった内装関連のトラブルが、ほとんどないそうだ。強いて上げるとすれば、エアコンの送風吹き出し部の割れが目立つぐらい。この部品も当然ながら現在では純正部品が製造廃止となっている。ドリンクホルダーを付けるなど、破損を招くことをしない方がいいだろう。

  • 4ドア車のドア内張りにパッドの剥がれが発生するという。ただし写真の2ドアであれば、特に問題は起こらないという。

  • ドライバーズシートにはヤレ多し

    内装にトラブルが少ないR31といえども、ドライバーズシートは擦れや切れが発生している場合がほとんど。写真の車両のような美しい状態のシートを見ることは非常に稀だそうだ。

提供元:オートメカニック

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グーネットマガジン編集部

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