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更新日:2020.09.04 / 掲載日:2020.08.31
今もその名を残す“伝統” NISSAN R31 SKYLINE エンジンと「ここに注意」
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エンジンルームは電装系ハーネスや冷却水路に経年劣化によるトラブル多発
オイル漏れは、カムカバーとヘッドの合わせ面やカムやクランクのオイルシールから漏れ出している車両が多いそうだ。オイル漏れとは関係ないが、黒いカバーに隠れたイグニッションコイルも、経年劣化によるスパーク不良が発生していることが多いという。純正部品の供給はないため、現在代替え品を製作しているそうだ。
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冷却水路のホース&パイプが経年劣化で水漏れの原因に
エンジンまわりのトラブルで柴田さんの口から真っ先にに出てきたのが冷却水漏れ。ゴムホースの経年劣化と、金属パイプの錆による水漏れが多発しているという。特にエンジン後部のヒーターホースには要注意。
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ちなみに14本ある冷却水路のゴムホースだが、純正部品はどれも廃盤となっているそうだ。その状況を打破すべく、R31ハウスではオリジナルリプロパーツを用意し対応しているという。
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エアコンもリプロパーツで復活可能
エアコンも純正部品の欠品が多く、修理できずに困ることが多い。そのためR31ハウスではリプロパーツを製作。ただし少しでも安価にユーザーに供給できるようにとR32GT-Rなどでも使用可能な共用品とするために、純正部品とは異なったレイアウトとなる部分もあるそうだ。
R31に搭載されるRB20エンジン
R31スカイラインには直列6気筒のRB20DE(T)が主軸となるが、それ以外にSOHCのRB20EやディーゼルのRD30、4気筒のCA18など多くのエンジンが搭載された。ここではRB20DETをメインにメンテの方法を伺っている。そのRB20DETは前期、後期モデルがあり、さらにはエキマニとタービンの変更でハイパワー化した、オーテック、トミーカイラの他、写真のグループAのホモロゲーションモデルとなるGTS-Rに搭載されたRB20DETRがある。ちなみに今回取材させていただいた、R31ハウスでは後期型のRB20DETエンジンのO/H済みエンジンを50万円で用意しているそうだ。
純正部品の供給は極々僅かになっているが、R31専門店がリプロパーツを供給
取材協力をいただいたのは、R31 HOUSE。R31なら知らぬ者はいない、R31の専門店だ。柴田代表自身がR31好きというだけに、廃盤となった純正部品をリプロパーツとして供給するなど、乗り続けることが難しい状態となったR31の救世主的なショップとなる。リプロパーツは通信販売も行っているので、サンメカにとってもありがたい存在といえる。
所在地:岐阜県加茂郡坂祝町黒岩1081
電話: 0574-28-0899
URL:https://www.r31house.co.jp/
経年劣化したハーネスが不調の原因に
エンジンの電装パーツ類の経年劣化が、多くのエンジン不調の原因となっている。例えばエンジンハーネス。カプラー部の樹脂の劣化により接触不良を招いているのだ。
R31ハウスではカプラー交換による対処を施していたそうだが、配線自体の劣化も目立ってきたことから、なんと純正では既に欠品となっているエンジンハーネスを、全取り替えできるように、リプロパーツを作ってしまった。このハーネスは後期型RB20DET搭載車に対応する。もちろんエンジン不調の原因はハーネスの他、各種センサーなど電装パーツ類が原因の場合も多い。壊れやすいのは水温センサー、エアフロ、パワートランジスター、AACバルブ、エアレギュレーター、O2センサーなど(下の3枚の写真も参照)。
サージタンクのガスケット切れ
インマニは2分割タイプとなり、スロットルバルブやシリンダーヘッドとの合わせ面も含めるとインマニまわりで3枚のガスケットが存在するのだが、その紙製ガスケットが抜けて2次エアを吸い不調な車両が多いという。純正は廃盤だがR31ハウスのリプロパーツあり。
インジェクター本体からの燃料漏れ
インジェクターからの燃料漏れが昨今よく見られるトラブルだそう。しかもインジェクター本体内部から漏れ出しているそうだ。現在はRB26用を流用して対応することが多いが、吐出量が異なるためRB20DET用のリプロパーツ製作を計画しているという。
走行中、フロア下からの異音は 経年劣化した駆動系が原因かも?
プロペラシャフトのセンターベアリング
駆動系のトラブルとしては、プロペラシャフトに備わるセンターベアリングのガタによる、走行中の異音の発生が上げられる。まだ純正部品が出るようなので、高速走行時などで腹下から唸り音が気になる場合は、交換してみるといいだろう。
デフマウント切れとドラシャブーツ切れ
デフマウントもトラブルを抱えていることが多い部分。デフ後方のマウントが切れてしまい、しっかり保持できていない車両がよくあるという。またドライブシャフトもブーツが切れてしまっていることが多く、要確認部分となっている。
R31を今後も調子良く 乗ってもらうために
1985年にデビューしたR31スカイライン。デビューから35年を経た旧車を調子良く乗ろうと思った時に問題となってくるのが部品供給。それは人気車種となるスカイラインとて同じ。特にGT-Rというスカイラインにとって絶対的なグレードの設定がなかったR31は、早くから多くの部品が廃盤となっていた。そんな状況を救ったのが今回R31スカイラインのメンテナンスポイントを伺ったR31ハウスの代表である柴田さんだ。
「R31が底値の頃からたくさんの部品取り車両を買い取ってきました。純正部品も廃盤になる前に可能な限りストックしています。でもそれだけでは対応しきれない。経年劣化して交換が必要な部品は、どのクルマも同じですからね。メーカーが供給してくれないなら、オレが作るしかない。ってことでR31をこれからも調子良く乗ってもらうために必要な部品を用意させてもらってます」
リプロパーツとしてR31用に製作したパーツは、冷却水ホースやエンジンハーネス、さらにはボンネットインシュレーターやアンダーカバーまで、R31スカイラインを乗り続けるためにどうして必要となる部品ばかり。
「ウチで復刻パーツを出しているのは、R31のトラブル多発部分となります。R31を乗り続けていれば、必ずメンテナンスが必要になる。現在用意している以外にも、そんな部分の復刻パーツを今後も出していく予定です」