輸入車
更新日:2021.03.04 / 掲載日:2019.12.31

BMW X1/気になる中古車【試乗判定】

2016年モデル BMW X1 xDrive 20i

文●竹岡圭、九島辰也、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2020年2月号の内容です)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。


一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?

Member Profile

  • 自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】
    人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2019-2020 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

  • 自動車ジャーナリスト【九島辰也】
    長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

オンオフを問わない多用途性で人気を集める小型SUV

SUV人気の火付け役となったBMW

編集部●中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はドイツ車御三家のひとつBMWからSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)のX1が登場です。お借りしたのは2016年モデルの「xDrive 20i」で、走行距離は4万5000kmです。
九島●家は新しめの戸建てで小型犬なんて飼っちゃって、休日は家族みんなでショッピング。いいね、ライフスタイルが浮かんでくるよ。
竹岡●わかる。普段は美人の奥さんが運転してるんでしょ(笑)。あれ、X1って最近新しくなったよね。そうなるとこれは先代なの?
編集部●いいえ現行型の前期です。X1は2019年10月にマイナーチェンジを受けて外観がBMWの最新デザインに進化しました。今日お借りしたのは、2016年6月登録ですから、フルモデルチェンジしたばかりの頃のクルマですね。
九島●年式といい走行距離といい、中古車購入のサンプルとしてはまさにぴったりの1台だね。
竹岡●それにしてもSUVの種類ってすごい増えた。BMWだけでもX1、X2、X3、X4、X5、X6、そしてこの間導入されたX7でしょ。さらに4、5、6にはMモデルも用意されているっていう。
九島●つまりSUVはすでに乗用車のメインストリームだということ。2000年に初代X5が登場して現在のオンロード系SUVの基礎ができたわけだけど、当時は競合も含めてフルサイズモデルしか選択肢がなかった。そこで2004年にBMWがX3を投入して大ヒット。SUVマーケットがミドルクラスにも拡大した。するとBMWは2010年にX1を登場させてコンパクトクラスにまでラインアップを広げた。
竹岡●いまでは多くのブランドがSUVをラインアップしているけど、BMWがその先駆けだったと。「SAV」ってジャンルを作って走りのよさで差別化したのも上手だし、名前を従来のセダンとリンクさせて、奇数モデルがオーソドックスなSUVタイプで、偶数モデルがクーペというのも、わかりやすくていいよね。
編集部●ではここでX1の概要を紹介します。今回お借りしたのは、2015年にフルモデルチェンジした2代目モデルです。ラインアップは大きく分けて4種類。1.5Lガソリンターボを搭載するベーシックな前輪駆動「sDrive18i(136馬力)」、2Lディーゼルターボで四輪駆動の「sDrive18d(150馬力)」、2Lガソリンターボの四輪駆動「xDrive20i(192馬力)」、そして同高性能仕様「xDrive25i(231馬力)」です。さらにパッケージオプションとして、スポーティな「Mスポーツ」とオフロードイメージの「Xライン」をそれぞれに用意しています。
竹岡●このクルマってけっこう売れてるんでしょ?
編集部●現行型は2018年までで世界累計28万7000台を販売し、日本でも販売ランキングの常連です。
九島●日本で使うのにちょうどいいサイズなんだよね。400万円前半からという値付けもいいし。
編集部●では、そろそろ試乗のほうをよろしくお願いします。


竹岡「男女を問わずオススメのまさに鉄板の選択」

九島「BMWのSUVづくりの経験値を感じる完成度」

DETAIL CHECK

ユーザーが求めているものをしっかり提供する間違いのない選択

編集部●試乗から戻ってきた二人に感想を伺いましょう。
竹岡●使いやすいクルマだよね。サイズ的にも都市型で女性も乗れるし、それでいて2代目は室内が広くなったから快適。
九島●X3が大きくなったから余計にX1のジャストサイズが光るね。このサイズは増えたしヨーロッパでトレンドだから競争が激しい。つまりクルマの作りもいいってこと。
竹岡●X1のプラットフォームはMINIクロスオーバーやクラブマンと共用だけど、乗り比べるとちゃんとそれぞれに個性がある。X1はSUVとしてすごくオーソドックス。ヒップポイントが高くて見晴らしがよくて、乗り味もちょっとゆったり。
九島●そうだね。コーナーでのロールも控えめに抑えられていて、SUVをBMWが仕上げたらこうなるだろうなって、みんなが想像したそのとおりの走り。だから買ってから、「想像と違った、失敗した!」とはなりにくいと思うよ。
竹岡●昔の3シリーズみたいな鉄板の選択。これを選んでおけば間違いなしみたいな。
九島●で、中古車市場はどうなの。
編集部●もっとも多いのが「18d」で全体の5割で、中心価格帯は300万円前半。続いて「18i」が3割で200万円後半から、残りの「20i」と「25i」は非常に少ない状況です。九島●となったらベストバイはディーゼルの「18d」で決まりだね。今日の白なんていいし、シルバーも似合うと思うよ。
竹岡●私も「18d」でいいと思う。価格はちょっと高いなぁと思うけど、それだけ人気ってことだよね。

BMWらしさ漂うシンプルかつスポーティなインテリア

 衝突回避・被害軽減ブレーキやLEDヘッドライトといった先進機能を搭載。セダンから乗り換えても違和感のないBMWらしいシンプルかつスポーティなインテリア。2019年10月のマイナーチェンジでタッチ機能付き10.25インチディスプレイ、ワイヤレス携帯チャージを採用した。

よりSUV的になった室内空間 後席スペースもより快適に

 全高が35mm高められた恩恵は室内空間のゆとりとして現れている。シートはヒップポイントを前席で36mm、後席で64mm高めたことで、SUVらしい見晴らしのいい視界を獲得。運転のしやすさにも繋がっている。また、後席の膝前空間は最大で66mm拡大。オプションでシートスライドも用意。

2代目では使い勝手を改良 荷室容量も大きく拡大した

 ラゲッジルームの容量は505Lで先代比85Lの拡大。リヤシートのバックレストは4対2対4の分割可倒式で豊富なアレンジに対応。バックレストをすべて倒すと最大で1550Lもの容量を収納できる。また、床下にも小物などが入る100Lのスペースが用意されている。

タウンユースにマッチするFFと多用途にゆとりをもつ4WD

 パワートレインは、初期が1.5L直3ターボ(FF)+6速AT、パワーの異なる2L直4ターボ(4WD)+8速ATというラインアップ。2016年に2L直4ディーゼルターボ(4WD)+8速ATが追加され、2017年に1.5L直3ターボのATが7速DCTに変更を受けた。

試乗判定レビュー

※各項目に対して5点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

  • SUVのなかでもいまはコンパクトSUVがいちばん人気ということで、これはもう鉄板の1台ですよね。元々BMWはX5でプレミアムSUVというカテゴリーを切り開いたパイオニア。その弟分のX3がだいぶ兄貴分のX5に近づいたこともあり、よりX1の存在意義が高まりました。とくに日本のカーライフ事情にはピッタリマッチしているのだと思います。

  • 初代X1のユニークなスタイリングは個人的に嫌いではなかったが、よりSUVライクなプロポーションにした2代目はさらに使い勝手がよくなっている。とくに後席空間が拡大されたのはファミリー層にとっては嬉しいだろう。とくに際立つような装備はないが、安全装備を含めて必要にして十分な仕立て。そういう意味でも隙のない仕上がりだ。

  • SUVでありながら、コーナーでしっかりと路面を捉えるこのフィーリングはまさしくBMWそのもの。「SAV」を名乗るだけあって小気味いいハンドリングだ。それでいながら全体的におっとりとした癒し系の乗り味はX5やX3と同様。試乗車は2Lガソリンターボだけあって高速域での伸びのよさが気持ちよかったが、全体のバランスではディーゼルに軍配。

竹岡 圭の試乗判定(1件)
平均点 4.7
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.0
  • 走り 5.0

九島辰也

  • いまもっとも注目が集まっているジャンルだけに強力なライバルが多数存在していますが、それでもX1が販売ランキングの常連なのは、これまで積み上げてきた経験のなせる技。多くのユーザーがほしいと思うクルマに仕上げられています。スタイリッシュなルックス、気持ちのいい走り、そして手ごろな価格。中古車市場での人気もしばらく続きそうです。

  • コンパクトSUVのなかでもプレミアムクラスに属するモデルだけに、基本的な装備は充実していて、先進安全装備についてもクラスの標準的な内容を採用しています。2代目のポイントは使い勝手が非常によくなったことで、とくに後席のシートバックが3分割可倒式となったのは、アウトドアなどで便利。オプションで後席スライドも存在しています。

  • 街乗りからアウトドアまで何でもこなせる多用途性能がSUVの魅力ですが、X1はシチュエーションに応じて走り味を選べるのも魅力。みんなと出かけるときにはゆったりと、ひとりで運転を楽しみたいときにはドライブモードを「スポーツ」にすれば爽快な走りも楽しめます。本格的な雪道を走らないなら1.5Lガソリンターボの「18i」もいい選択だと思います。

九島辰也の試乗判定(1件)
平均点 4.7
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.0
  • 走り 5.0

グーワールド 編集部

  • いまもっとも注目が集まっているジャンルだけに強力なライバルが多数存在していますが、それでもX1が販売ランキングの常連なのは、これまで積み上げてきた経験のなせる技。多くのユーザーがほしいと思うクルマに仕上げられています。スタイリッシュなルックス、気持ちのいい走り、そして手ごろな価格。中古車市場での人気もしばらく続きそうです。

  • コンパクトSUVのなかでもプレミアムクラスに属するモデルだけに、基本的な装備は充実していて、先進安全装備についてもクラスの標準的な内容を採用しています。2代目のポイントは使い勝手が非常によくなったことで、とくに後席のシートバックが3分割可倒式となったのは、アウトドアなどで便利。オプションで後席スライドも存在しています。

  • 街乗りからアウトドアまで何でもこなせる多用途性能がSUVの魅力ですが、X1はシチュエーションに応じて走り味を選べるのも魅力。みんなと出かけるときにはゆったりと、ひとりで運転を楽しみたいときにはドライブモードを「スポーツ」にすれば爽快な走りも楽しめます。本格的な雪道を走らないなら1.5Lガソリンターボの「18i」もいい選択だと思います。

グーワールド 編集部の試乗判定(1件)
平均点 4.8
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.5
  • 走り 5.0

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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