中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
デミオは史上最高の国産ディーゼルへ
6速MT車を御指名

節度のあるシフトフィールを持つMT。1.3のガソリンは5MTとなるが、変速するのが楽しい
【本記事は2014年8月にベストカーに掲載された記事となります。】とにかく試乗といきたい。6速MT車を御指名。1速に送り込みクラッチミートすると、免許取り立ての運転手すら「エンストしないでしょうね」という感じで動き出す。アクセラやアテンザと同じくクラッチミート時のストレスまったくなし。2000回転くらいでシフトアップしても、充分流れに乗っていける。考えてみれば1080kgのボディにガソリンなら2.2L(最大トルクは22.4kgm)に相当するエンジンを積んでいることになる。速くて当然か?
アクアやフィットHVを圧倒する楽しさ

最高回転数5200rpmとディーゼルとは思えない伸びやかなフィーリングが魅力のSKYACTIV-D1.5とミラーサイクルに直噴を組み合わせた現行型の改良版SKYACTIV-G1.3。SKYACTIV-D1.5は6MTが最大トルク22.4kgmに対し6ATのそれは25.5kgmと約14%も大きい。またSKYACTIV-G1.3は圧縮比こそ14.0から12.0に落としているが、最高出力は84psから92psに、最大トルクは11.4kgmから12.3kgmにアップしている
しばらく通常の速度域で味見するも「いいですね!」。好印象しかない。それじゃ、ということでアクセルを深く踏んでみることにした。当たり前ながらアクセラDより少しマイルドである。そらそうだ。アクセラDのトルク、ガソリンだと4.2Lに相当しますから。とはいえデミオDだってBセグメントとしちゃ文句なしにパワフル。ライバルになるアクアやフィットHVを圧倒する楽しさを持っている。素敵だ!
1.5DE+6ATとのマッチングも想像以上にいい

1.5Lディーゼル&1.3Lガソリンをラインアップ
■1.5DE+6ATとのマッチングも想像以上にいいちなみに6速AT車にも試乗してみたが、意外や意外。マニュアル車より太いトルク出す設定(最大トルクは25.5kgmになっているため、これまたパワー感じゃ負けてない。シングルターボだから(アクセラはツインターボ)若干アクセルレスポンスという点で物足りないけれど、ブースト圧さえかかったらコッチのモン。100km/h巡航からの追い越し加速なんか「グイグイ」でございます。私なら迷うことなくMT選ぶも、ATだって相当楽しめるかと。
走る楽しさはデミオD

ダイレクト感が魅力の6ATを1.3にも採用。マニュアルモードも持ち、ディーゼルとのマッチングもいい
足回りはどうか? 開発途中のプロトタイプとあって期待していなかったが、相当仕上がっている。履いているタイヤは燃費を重視した低転がりタイプだったものの、コーナリングを含めけっこう楽しめた。ただMT仕様にかぎってスポーティグレードを用意してもいいかもしれない、と思う。また、試乗コースがフラットな路面だったこともあり、目地などを通過するときのツキ上げ感はチェックできませんでした。念のため。気になる燃費は確認できなかったが、どうやら街中を流して20km/L程度走るようだ。ガソリンより安価な軽油なのでアクアやフィットHVと同等のランニングコストで済むだろう。いっぽう、走る楽しさからすれば、明らかにデミオD優勢。特にアクセルを普通に踏んだ時のトルク感がすばらしい! MTを選べば、常時クルマと対話できる。BセグのECOカーを買うならぜひ試乗してほしい。
フルSKYACTIVになった1.3Lガソリン車の評価

ディーゼルもガソリンもライバルはフィットだ
■フルSKYACTIVになった1.3Lガソリン車の評価最近のマツダ車全般に言えるコトながら、ディーゼル車についちゃ絶賛されているが、ガソリン車はこれといった高い評価になっていない。実際、アクセラもアテンザもCX-5も、ガソリン車に乗ると普通なのだった。やっぱりダントツによくないと激戦区で勝ち残るの、難しいです。そんなことを考えつつデミオの1.3Lに乗ってみたら、やはりキャラという点でディーゼルより地味。絶対的な動力性能も、強敵であるフィットに気持ち届かない感じ。トルク感がやや薄い。また、同じ直噴エンジンを搭載している1.2Lスイフトと比べると、ほとんど同じ。スイフトはフィットに対し勝てていないが、それと同じようなイメージである。やはり圧縮比12.0のレギュラー仕様だと思ったようにトルク出せないのかもしれません。エンジンフィールも特徴感じない。強いて言えば5速MT仕様があることか?いずれにしろカタログ値を含め、燃費データがまったく公表されておらず、ガソリン車についちゃ評価しにくい。抜群に燃費よかったら改めて評価します。ハンドリングは低転がりタイヤを履いているせいもあり地味。ヴィッツやスイフトなどライバル車と同等レベルをイメージしてほしい。ステアリングフィールについちゃ試作車のため、ディーゼルと少し違うのだった。こちらは市販車になった段階で評価したいと思う。マツダ御自慢のシートやペダル類は、なるほどBセグメントの水準を大きく超えている。C&Dセグメントから乗り替えても不満ないレベル。現時点で未発表の価格と実用燃費がライバルより勝っていれば、面白い存在になると考えます。
新型デミオ3つの疑問

現行のデミオよりも全長が160mmも大きくなったのが新型の特徴。伸びやかで塊感のあるデザインとなった
新型デミオ3つの疑問1.5Lガソリンをやめてしまった理由販売比率的には約3%しかなかった1・5Lガソリンは海外向けには残るが、国内は1.5Lディーゼルに代わられた。ディーゼルをスポーツモデルとして売り込もうというはっきりとした狙いの現われだ。半面全日本ラリーなどモータースポーツで活躍していた1.5Lガソリンがなくなるのはさみしい。全長が大きくなり4mを超えた理由全長が4060mmとフィットよりも大きくなった。フェリーの料金が高くなるが、跳(HAZUMI)と呼ばれるデザインを生かすには、全長4mを超えることもやむなしという判断になったという。大きくなったが、居住性は現行と変わらず、デザインを優先させている点がマツダらしい。4WDが電子制御になった理由1.3ガソリンにも1.5ディーゼルにも4WDがある。しかもCX-5やアクセラと同じアクティブトルクコントロールカップリングと呼ばれる電子制御タイプがおごられる。Bセグはフィットなどビスカスタイプの4WDが主流のため、デミオがリード。雪国ユーザーを取りに行く!
お気に入りの初代インサイトを手放し、デミオ1.5LDE(6AT)購入を決意しました!

鈴木氏のお気に入りだった初代インサイトの5MT仕様。820kgという超軽量ボディとCd値0.25という空力が特徴だ
お気に入りの初代インサイトを手放し、デミオ1.5LDE(6AT)購入を決意しました!TEXT/鈴木直也新型デミオのディーゼルを買うことに決めちゃいました。 ご存じの方もいるかもしれないが、ぼくはここ10年ほど初代インサイト5MTに乗っている。 コイツは燃費が抜群にいいことはもちろんだけど、車重800kg台のクルマならではの軽快な身のこなしが魅力。非力だけどパフォーマンスを引き出して走る楽しさは格別で、むかし乗っていたアルピーヌA110を彷彿させるものがある。要するに、メッチャ気にいったので、ずいぶんと長く乗っているのだ。では何故ここにきてデミオなのかというと、ひとつには実用性の問題だ。 初代インサイトは、燃費スペシャルと割り切った2シーターで、そこは割り切って乗っているからイイのだけれど、最近IMAバッテリーまわりのトラブルが頻発。そろそろメンテに大きな費用が発生しそうな気配がある。さすがに、生産から10年以上経つと、実用車としてはそろそろ老朽化が目立つのだ。
魅力的

満タン1000km走行が目標! 気になるディーゼルの燃費は30.0km/L前後!?
もうひとつは、デミオの走りが予想どおりすばらしかったこと。アテンザやアクセラでSKYACTIVディーゼルのよさは周知のとおりだが、デミオと新しい1.5Lディーゼルの組み合わせは、バランスという点じゃ前作以上。もちろん、動力性能的には2.2Lほどのパンチはないが、コンパクトなボディと組み合わせた敏捷な身のこなしは秀逸で、足の仕上がりも期待をまったく裏切らない。ぼくはむかしからコンパクトで走りの楽しいクルマに目がないんだけど、新型デミオ・ディーゼルは完全にぼくのスイートスポットにはまっちゃったのだ。また、まだ試してはいないものの、その気になったらかなりすばらしい燃費性能をマークしそうなところもわくわくするポイントだ。初代インサイトは、東京から御殿場の往復で楽に25km/L以上をマークするが、デミオ・ディーゼルならこれに近い線が狙えるんじゃないかと期待してる。しかも、最大トルクは250Nm(25.5kgm)と初代インサイトの2倍以上だから、ドライバビリティも圧倒的。この活発な動力性能と低燃費が両立しているところに、かなりググッときてしまったわけです。新車をデビュー前に購入決定なんて初めてのことなんだけど、新型デミオは、ぼくにとっちゃそのくらい魅力的なクルマなのでございます。