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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.06
現代に蘇ったフォード初代マスタング 走りのポテンシャルは?
ハート揺さぶるスタイリング

’69年式マスタングマッハ1と新型マスタングGTと比べる。全体的には新型マスタングのほうが厚みがあるもののうまく処理している
【本記事は2006年11月にベストカーに掲載された記事となります。】6月12日から予約が始まっている新型フォードマスタングにようやく試乗することができた。デリバリーは11月から始まるという。’67年式マスタングをモチーフとした新型マスタングのスタイリングは、往年のファンのハートを熱く揺さぶることだろう。
マッスルカーの代表

213ps/33.1kgmの4L V6を積むV6クーペプレミアムはリアスポイラーやフロントグリルのフォグランプが付かない。タイヤもV8は235/50R18だがV6は215/65R18サイズとなる
やはりマスタングといえば“マッスルカー”の代表。日本に導入されるのは、4.6L、V8(304ps)を搭載する“GTプレミアム”がメイン。クーペ(460万円)とコンバーチブル(530万円)の2モデルが“看板車種”で213psの4L V6クーペプレミアム(390万円)がエントリーモデルとなる。このV8はアルミブロック、SOHC3バルブというメカニズムを採用したフォードの新世代エンジンだが、走らせてみるとけっこう高回転が得意で軽やかに吹け上がるのが印象的だ。ひと昔前のように大トルクにものを言わせてドロドロッ~と走らせるのではなく、効率のいい5速ATと組み合わされてシューンとスピードを上げてゆくタイプ。全開で踏むと6000rpmに印されたレッドゾーンまで一気呵成で、直線的で伸びのいい加速感は、国産車にたとえるとフーガ450GTあたりに近いモダンなイメージだ。
クラシカルな乗り味

ロングノーズ&ショートデッキのファストバックスタイル、3連テールランプ、トランクリッドのエンブレムなど継承されている新型マスタング
いっぽう、シャシーはパワートレーンに比べるとややクラシカルな乗り味だ。メカニズム的にも、ストラット/3リンクリジッドという形式は大パワーFR用としてはいささか能力不足だが、大パワーのV8に対処して固められた足は荒れた路面が苦手。この傾向はコンバーチブルではさらに顕著だが、ちょっとスカットルシェイクが過大。シャシー面に関しては、4L、V6(213ps)のクーペのほうがウェルバランスだった。このマスタングの精悍なスタイリングとアメリカンマッスルカーならではの豪快な走りっぷりは大きな魅力。300万円台で手に入るV6クーペのコストバリューの良さも評価したい。