新車試乗レポート
更新日:2018.10.18 / 掲載日:2010.10.15
日産 マーチ 試乗レポート
日産 マーチ 試乗レポート
試乗
フルモデルチェンジ
発表・発売/2010年7月13日
日産自動車
0120-315-232
文●森口将之 写真●齋藤正
■一新されたメカニズムは燃費以外にも見どころ満点
4代目となる日産マーチは、世界戦略車としての位置づけを明確にすべく、生産拠点から見直しを実施。その結果、日本仕様はタイで作られることとなった。さらに、新開発のプラットフォームや1.2L直列3気筒エンジン、副変速機付きCVT、アイドリングストップを導入するなど、メカニズムの大部分を一新。ハイブリッドカー以外では最良レベルとなる10・15モード燃費26.0km/Lをマークしている。
■ドライビング/ユーティリティ
新しいエンジンの最高出力&最大トルクは、79馬力、10.8kg mと、旧型の4気筒を下まわる。しかし低回転から力強いトルクを発生する3気筒の特性と、副変速機を組み込むことでワイドレシオ化したCVTのおかげで、スタートダッシュは元気すぎると思えるほど活発だ。その後も1500回転あたりの力強いトルク感が、頼もしい加速を味わわせてくれる。
4気筒より低く太いサウンドは、4000回転を越えるとボリュームアップするものの、日常的なシーンでそこまで回すことはないので不満はない。100km/h巡航は約2000回転に抑えられ、静かに思えるほどだ。
気になるアイドリングストップは、反応は素早く、振動は気にならなかった。停車中はエアコンが止まるけれど、ステアリングを切れば再起動してくれる。暑さ寒さのレベルは人それぞれだから、人工的な温度管理に頼らないマーチの手法のほうが理にかなっている。3気筒の欠点である停車中の振動を、アイドリングストップで回避できるという利点も見逃せない。
ショックをしっとり受け止め、姿勢をフラットに保つ乗り心地は、このクラスとしては落ち着いていて、ボディの剛性感も高い。横浜の市街地と都市高速で試したハンドリングは、キビキビした反応が印象的だった。タイヤが燃費重視の銘柄なので、グリップレベルはほどほどだが、基本性能の高さはしっかり確認できた。
■インテリア/エクステリア写真[1]
旧型ではファニーなイメージだったインパネは、落ち着いた雰囲気に一転。視界のよさも印象的だ。エアコンの円形スイッチはキューブと共通。
シートは小さめだがコシのある座り心地。アイボリーは最上級の12Gだけで、ほかのグレードはグレーあるいはブラックになる。
上級グレードにはスピードメーター内にタイヤアングルインジケーターを装備。初心者でも安心して車庫入れができそうだ。
■インテリア/エクステリア写真[2]
トランスミッションは全車CVT。ワイドなギヤ比が得られる副変速機付きとして、力強い発進加速と好燃費を両立している。
軽量・小型、低中回転での力強いトルクなど、3気筒のメリットを実感できるエンジン。ノイズや振動は不満のないレベル。
旧型ではカーブしていたルーフラインがまっすぐ伸び、リヤゲートの角度が垂直に近づいたので、リヤシートの頭上空間には余裕が生まれた。
マーチ 12G(CVT)主要諸元
全長×全幅×全高 | 3780×1665×1515mm |
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ホイールベース | 2450mm |
トレッド前/後 | 1470/1475mm |
車両重量 | 960kg |
エンジン | 直3DOHC |
総排気量 | 1198cc |
最高出力 | 79ps/6000rpm |
最大トルク | 10.8kg m/4400rpm |
10・15モード燃費 | 26.0km/L |
サスペンション前 | ストラット |
サスペンション後 | トーションビーム |
ブレーキ前/後 | Vディスク/L&Tドラム |
タイヤ前後 | 165/70R14 |
全国メーカー希望小売り価格
日産 マーチ | 99万9600~164万4300円 |
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