車検・点検・メンテナンス
更新日:2025.10.09 / 掲載日:2018.08.29
リビルト品とは?中古品やリンク品との違い、選ぶ際のポイント解説

車の修理費用を抑える方法として、「リビルト品」があります。新品より低価格でありながら、品質も新品同等で保証も付くため、多くの整備現場で活用されています。
一方で、「中古品やリンク品となにが違うのか」「デメリットはないのか」と疑問を持つ人もいるでしょう。
この記事では、リビルト品の意味や特徴をはじめ、中古品・リンク品との違い、メリット・デメリットを解説します。さらに、よく使われる部品例や購入・依頼先、選び方のポイントまでご紹介しますので、費用と品質のバランスを重視する人は、ぜひ参考にしてください。
1. リビルト品とは

リビルト品とは、廃車などで取り外した使用済みの部品を分解・整備・検査して、新品に近い状態に再生した部品のことです。
修理費用を抑える方法として提案される場面も増えていますが、「どんな部品なのか」「中古やリンク品とどう違うのか」と疑問や不安を感じる人もいるでしょう。
まずは、リビルト品の意味と特徴を整理し、そのうえで中古品やリンク品との違い、注意点を解説します。
(1) リビルト品の特徴
リビルト品とは、使用済みの部品を分解・洗浄、そして摩耗や劣化した部品を交換し、再組立・検査された再生部品のことを指します。
「リビルト(rebuilt)」には「再構築」という意味があり、その名のとおり、安全に使える状態にまで整備されている状態です。
製造工程には、分解・洗浄・部品交換・再組立・性能検査が含まれ、外観・性能ともに新品同等に使用できます。
多くのリビルトメーカーでは、製品の保証が付いていますが、保証期間や内容は、部品やメーカーによって異なります。
(2) 中古品やリンク品との違い
リビルト品は「中古品」や「リンク品」と混同されがちですが、整備内容や品質に大きな違いがあります。
ここでは、それぞれの特徴を見ながら、リビルト品との違いを整理しましょう。
① 中古品とは
中古品とは、廃車などで取り外された部品のことです。取り外したままの状態で使用されるので、分解や洗浄、消耗部品の交換は基本的にありません。
そのため、外観こそ問題なく見えても、内部のサビや、部品の摩耗により、交換後すぐに故障する恐れがあります。
価格の安さはメリットですが、性能や耐久性にばらつきがあるため、長期間の使用を前提とした修理には注意が必要です。
② リンク品とは
リンク品とは、中古品をもとに損傷や摩耗した部品だけを修理・整備して販売される再利用部品です。
必要最小限の整備をするため、リビルト品より安価に提供される傾向があります。
故障していない部分は、分解や調整せず使用するため、品質や耐久性の面で、リビルト品よりも劣るケースがあります。
(3) リビルト品のコア返却制度
リビルト品には「コア返却制度」という仕組みがあります。ここでいうコアとは、もともと車に付いていた、故障している部品のことです。
リビルト品はこのコアを回収し、再整備して再販する流通サイクルによって成り立っています。そのため、リビルト品の購入後には一定期間内にコアを返却しなければなりません。
たとえば「商品到着から2週間以内に返却」といったルールが設定されており、返却しないと別途料金を請求される場合があります。
また、返却してもコアが著しく破損していたり、分解されていたりする場合は返却として認められないこともあるため、注意が必要です。
2. リビルト品を選ぶメリット
リビルト品は、価格の安さだけでなく、品質や環境面においてもメリットがあるため、実際の整備現場でもよく活用されています。
ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介しましょう。
(1) 新品よりも価格が抑えられる
リビルト品の最大のメリットは、価格の安さです。新品の純正部品と比べて、半額以下の価格で購入できる場合もあります。
とくにエンジンやトランスミッションなど高額な部品では、修理費用を大幅に安くできる可能性があります。
定期的な交換が必要な部品でも、リビルト品を活用すれば維持費の軽減につながるでしょう。
(2) 品質と保証による安心感がある
リビルト品は、使用済み部品を分解・整備・検査したうえで販売されます。消耗部品は新品に交換され、再組立後に性能テストを実施しているため、新品同等の品質を得られます。
また、多くのメーカーでは6カ月から2年ほどの保証が付いており、万が一不具合が起きた場合でも、交換対応を受けられるので非常に安心です。
(3) 環境への配慮と整備作業の効率化につながる
リビルト品は、再利用可能な部品を活用して製造されています。不要になった部品を処分せず、再利用することで、廃棄物の削減にもつながります。
さらに、新品部品と違い、あらかじめ交換する際に必要な部品も付属されているため、取り付けもスムーズにでき、整備士にとっても負担が軽くなります。
3. リビルト品を選ぶデメリット
リビルト品はコストや環境面で非常にメリットがありますが、購入前に理解しておきたい注意点もあります。
ここでは実際に起こりやすい3つのデメリットを解説します。
(1) 品質や保証内容に差がある
リビルト品は製造・整備するメーカーによって、品質や検査基準が異なります。
国内のリビルト品メーカーでも、再生工程や使用部品の違いで耐久性や性能に差が出ることがあります。
メーカーによっては保証期間が短く、外観がきれいでも交換後すぐに不具合が起こるリスクはゼロではありません。
(2) 必要な部品がすぐに入手できない場合がある
リビルト品は廃車などで取り外した部品を利用して作られるため、車種や部品によっては在庫が少ない場合があります。とくに輸入車や生産終了から年数が経った車種では入手できないことがあります。
部品によっては、必要な時期に手に入らず修理が長引く可能性もあるでしょう。整備スケジュールに影響しないよう、事前に納期を確認しておくことが重要です。
(3) 現品修理対応になる場合もある
保証期間内にリビルト品が故障した場合、「現品修理」になることがあります。現品修理とは、取り付けたリビルト品をメーカーへ送り修理する方法のことです。現品修理の場合、取り付け直後に不具合が出ても、新品や代替のリビルト品と即交換になるわけではありません。
また、修理には日数がかかるため、代車の手配やスケジュール調整が必要になることがあります。新品部品に比べて柔軟性が低い点は理解しておくと安心です。
4. リビルト品がよく使われるパーツ

リビルト品はさまざまな部品に利用されますが、すべての部品が対象ではありません。
ここでは使用頻度の高い部品や、高額修理時に選ばれやすい部品を紹介します。対象部品を知っておくことで、交換時の選択肢が広がります。
(1) オルタネーター・セルモーターなど
オルタネーター(発電機)やセルモーター(スターター)は、年数や走行距離の経過で摩耗や劣化が進み、不具合が起きやすい部品です。
新品では高額になるため、リビルト品の需要が高い部品のひとつです。新品に比べ数万円、場合によっては半額近く安くなる場合もあるため、大幅なコスト削減が期待できるでしょう。
(2) エアコンコンプレッサー・ハイブリッドバッテリーなど
エアコンコンプレッサーは冷房機能を担う重要な部品で、故障するとエアコンが効かなくなり快適性を大きく損ないます。新品は高価ですが、リビルト品なら新品同等の性能と品質で費用を抑えられます。
プリウスなどのハイブリッド車のバッテリーは、新品で数十万円かかるため、リビルト品を使えば大幅な節約が可能です。パワステポンプやターボチャージャー、ステアリングギヤボックスなども、リビルト品が流通している代表的なパーツです。
(3) エンジン・トランスミッション・ドライブシャフトなど
エンジンやトランスミッションは、新品交換時の部品代が非常に高額です。リビルト品にするだけで数十万円単位の節約が見込めます。工賃も高いため、費用面でのメリットが大きい部品です。
ドライブシャフトやデファレンシャル、プロペラシャフトなどの駆動系部品もリビルト品が利用できます。
ただし、いずれも走行性能や安全性に関わるため、実績のある整備工場や業者から購入・取り付けを依頼すると安心です。
5. リビルト品を使った修理の依頼先・購入先
リビルト品を利用する際は、信頼できる依頼先を選ぶことが重要です。ここでは主な選択肢と特徴を紹介します。
(1) ディーラー
ディーラーは純正部品の使用が基本ですが、店舗やメーカーによってはリビルト品にも対応します。品質管理が徹底され、整備士の技術力も高いため安心感があります。
一方で、全店舗がリビルト品を扱っているわけではないため、費用を抑えたい場合は、修理を依頼する際にリビルト品での対応が可能か確認しましょう。
(2) 認証・指定整備工場
地域の認証整備工場や指定整備工場は、予算や修理計画に合わせてリビルト品を提案してくれる可能性があります。
ただし、技術力や対応方針には差があるため、口コミや施工実績を確認してから依頼すると失敗を防げるでしょう。
(3) ネット通販・パーツショップ
リビルト品の購入は、ディーラーや整備工場だけでなく、ネット通販やパーツショップからでも可能です。車種や純正品番から検索でき、価格を比較しやすいのがメリットです。
ただし、整備工場に持ち込みで部品交換を依頼する際は、工賃が割高になる場合や保証対象外になる可能性があります。事前に持ち込み可否や工賃などを確認しておきましょう。
6. リビルト品を選ぶ際のポイント

リビルト品を選ぶ際は、以下の3つのポイントを総合的に検討することが大切です。
1. 修理費用の予算と部品の重要度
2. 使用年数・走行距離・車の価値
3. 純正品や中古品との総合的な比較
順にご紹介しましょう。
(1) 修理費用の予算と部品の重要度
修理にかけられる予算を明確にしておくことで、新品・中古品・リビルト品のどれが適しているか判断しやすくなります。たとえば、エンジンやトランスミッションのように安全性や走行性能に直結する部品は、信頼性を優先し高品質なリビルト品や新品を選んだほうが安心です。
予算が限られている場合は、価格の安い中古品を選ぶのもひとつの方法です。
(2) 使用年数・走行距離・車の価値
車の年式や走行距離、現在の市場価値は重要な判断材料です。長く乗る予定であれば、耐久性や保証内容を重視し、新品または高品質なリビルト品を選ぶとよいでしょう。
反対に、数年以内の買い替え予定がある場合や市場価値が低い車であれば、価格の安い中古品を選ぶのが合理的です。
(3) 純正品や中古品との総合的な比較
リビルト品は、新品と中古品、それぞれのメリットを活かした部品です。たとえば、新品は品質や保証に優れる反面、価格が高いです。一方、中古品は安価ですが、交換後すぐに壊れるリスクがあります。
リビルト品は、高品質と低価格で、新品と中古品のメリットを兼ね備えています。
比較する際は価格差だけでなく、保証期間やアフターサービス、整備工場の実績も含めて判断すると納得感が高まります。
7. リビルト品のことはグーネットピットにお任せください
リビルト品は新品より費用を抑えつつ、新品同等の品質と保証を備えた有効な選択肢です。オルタネーターなどの補機類からエンジンやトランスミッションまで幅広く利用でき、修理費用を大幅に安くできます。
ただし、最適な選択は部品の重要度や車の状態、今後の使用期間によって変わります。新品や中古品との比較、保証条件を確認し、信頼できる整備工場に依頼することが大切です。
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