新車試乗レポート
更新日:2018.10.26 / 掲載日:2013.12.19

シトロエン DS3カブリオ 試乗レポート

シトロエン DS3カブリオ

文●九島辰也 写真●GooWORLD 問い合わせ シトロエン コール TEL:012-55-4106

プレミアムなキャラクターを確立した「DS」シリーズ。走りのパフォーマンスで高く評価されていたDS3に新たにオープンキャンバスモデルが追加された。DS3カブリオは、開放的で快適な走りを披露した。

 コンパクトカーにおいて、あのチンクエチェント・バイ・グッチ以来の衝撃的なモデルが現れた。DS3カブリオである。このクラスのクルマのデザインも画一化しつつある傾向のなか、こいつはしっかり個性を発揮する。シトロエンらしいモード感がガッツリ詰められているのだ。

オープンエアドライブが想像以上に身近になった!

シトロエン DS3カブリオ (背面)

 注目したいのは、そのルーフ。カブリオといえどもピラーを残したオープントップが採用され、そこに彼らならではのこだわりのキャンバストップ地が取り付けられている。

 で、そのデザインがすばらしい。とくにDSの文字をモディファイしたDSモノグラムは傑作だ。まるでフランスやイタリアの老舗メゾン系ブランドの上質なバッグのような柄をイメージさせる。日本車はもちろんドイツ車にもできない芸当だろう。鮮やかなブルー地のルーフもいい。

 これらはボディカラーとのコーディネイトが決まっている。その面ではよりビスポークな世界を求めたいところでもあるが、そこまでの対応は酷というもの。車格と価格を鑑みればこれで上出来
 そして走り出せば風の巻き込みも気にならない。前方にディフレクターが出るので快適なキャビンを保てる。もっと言うと、このクルマは良好なドライブフィールを提供してくれる。運動性能の高さはクローズドモデルで実証済みだ。今回ルーフのデザインや実用性をチェックしながらも、じつはその走りに心を奪われていた。試乗コースにワインディングを選んだのもそんな理由となる。

 エンジンはご承知のとおりの1.6L直4DOHCターボが搭載される。最大トルクは156馬力だが、体感は数値以上。理由は最大トルクを1400回転という低い領域から発生するからだ。出だしでもたつくどころか速すぎるとすら思える。トランスミッションは6速MT。広範囲で使える2速はじつに頼もしい。

 そしてこのパワーソースを路面に伝える駆動力と足のセッティングがこのクルマの醍醐味。ステアリングの操舵角に対する素早い反応や追従するボディの一体感はクルマ好きを納得させる仕上がりだ。厳密に言えば当然クローズドよりカブリオはボディが緩くなるが、それもまったくもって許容範囲。ワインディングをひらりひらりと駆けるなかでネガティブ要素は感じられなかった。

 そんなDS3カブリオだが、ひとつ問題があるとすればMTしかないことだろう。屋根が開くとか言う前にターゲットは狭まる。だが、そこが逆に魅力でもある。それだけ自分だけのクルマとしてアピールできるし、信号待ちでかぶることもない。それにそもそもフランスじゃMTで乗るのが常識。それだけ本物嗜好というわけだ。価格の311万円も現実的。余裕があればセカンドカーとしてぜひ手に入れたい1台である。

Detail Check

  • コックピット

    シトロエン DS3カブリオ コックピット

  • コックピット

    インパネまわりのデザインはハッチバックモデルと同じでスポーティな雰囲気に仕上がる。とくにこいつはMTなのでその傾向は強い。インパネのカーボン調パネルもそんな感じだ。ハンドル位置は右のみでATの追加も今のところ予定なし。

  • エンジン

    シトロエン DS3カブリオ エンジン

  • エンジン

    ハッチバックでもその走りを実証しているエンジン。1.6L直4ターボは156馬力を発揮する。高効率を図ったコモンレール式直噴タイプというのもまたミソだ。JC08モードは13.6km/Lとなる。

  • インテリア

    シトロエン DS3カブリオ インテリア

  • インテリア

    シート地はレザーのみ。サイドサポートのあるスポーティな形状が特徴。前席には高さ調整機能もある。リヤシートは6対4の分割可倒式を採用。2名乗車であればオトナも乗れるスペース。

  • シトロエン DS3カブリオ ルーフ

  • 閉はルーフコンソールのスイッチで行う。一気にリヤピラーの上まで開き、もう一度スイッチを押してリヤウィンドウまで畳む。すべて終えて16秒。畳んだルーフが後方視界を妨げるのもご愛嬌。

  • ラゲッジスペース

    シトロエン DS3カブリオ ラゲッジスペース

  • ラゲッジスペース

    開口部は狭いがそれなりに使えるトランク。リヤシートを畳めば奥行きも使える。容量はクラストップレベル。また、トランクリッドの開き方も工夫されていて、後方のスペースを取らなくしている。

主要諸元:プジョー RCZ R(6速MT)

全長×全幅×全高3965×1715×1460mm
ホイールベース2455mm
トレッド前/後1465/1455mm
車両重量1210kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1598cc
最高出力156ps/6000rpm
最大トルク24.5kg m/1400-3500rpm
サスペンション前/後ストラット/トーションビーム
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク
タイヤサイズ前後205/45R17

全国メーカー希望小売価格(発売・発表 2013年6月・2013年7月)

DS3カブリオ スポーツシック(6速MT)311万円

BodyColor

 ブラン バンキーズ ノアール ペルラネラ ルージュ ルビ ジョーヌ ペガス

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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