フォード、ウォルマートの自動運転配達サービスを開始

　アルゴAIの創業者兼CEOであるブライアン・セールスキー氏は、「お客様の需要が高い都市部で動作する自動運転技術のテストと開発に注力してきた当社の取り組みが、今回のコラボレーションで真に活きてきました」と述べた。「ウォルマートとフォードと3都市で協力することで、自律走行車による配送サービスの可能性を示すことができます」と期待を示している。

　今回の提携で、自動運転技術を提供する企業と、その技術を車両に組み込むことができる自動車メーカー、そして世界最大の小売企業が一体となって取り組む。ウォルマートは消費者の期待に応えるために新しい技術を採用し、ラストワンマイルの配送プロセス強化を試みる。このサービスにより、ウォルマートの顧客は食料品などをオンラインで注文し、自宅に直接ドア・トゥ・ドアでの自律配送が可能になる。

　ウォルマートのラストマイル配送担当上級副社長であるトム・ワード氏は、「アルゴとフォードと共に、新たな3つの市場で自律型配送の取り組みを拡大できることを嬉しく思います。このコラボレーションは、比類なきスピードと手軽さでお客様のご自宅に商品をお届けするという当社のミッションをさらに推し進めるものであり、ひいては自律型配送の道を切り開くものです」と述べた。

　この商用サービスは3つのエリア内でウォルマートの顧客に提供され、徐々に拡大していく予定。消費者の期待が翌日または当日配送にシフトしていく中で、特に配送が集中する都心部において、今回のコラボレーションは自律走行技術がどのように顧客体験を向上させるか、また、物流やオペレーションを最適化することができるかについての実験となる。

　フォードの自律走行車・モビリティ事業担当CEOのスコット・グリフィス氏は、「アルゴとフォードは、米国の幅広い都市での大規模な自律走行車の運用に向けて積極的に準備を進めています」と明かした。「ウォルマートの小売・電子商取引におけるリーダーシップと、アルゴとフォードの自動運転事業をこれらの複数の都市で組み合わせることは、最終的にビジネスの効率性を高め、優れた消費者体験を可能にする商品配送サービスの拡大に向けた重要なステップとなります」と述べている。

　アルゴのクラウドベースのインフラは、パートナーのビジネスオペレーションとシームレスかつ効率的に連携するように設計されており、ウォルマートのオンライン注文プラットフォームと統合することで、注文のルーティングや客先へのパッケージ配送のスケジューリングを行う。

　アルゴとフォードは、ピッツバーグ、デトロイト、カリフォルニア州パロアルトでの自動運転技術のテストに加え、2018年からはマイアミとワシントンD.C.、2019年からはオースティンで、自律型送迎サービスやデリバリーサービスを構築。顧客のサポートや、車両運行を維持するために必要な不動産、給油・整備・清掃などの商用車両の管理機能を確立している。

　アルゴ AIは、ピッツバーグに本社を置くグローバルな自律走行技術プラットフォーム企業。同社は、フォードモーターカンパニーやフォルクスワーゲングループなど、大手自動車メーカーと提携して自動運転技術を開発。都市部での移動をすべての人にとって安全、簡単、楽しいものにすることを目指している。