車のエンタメ
更新日:2021.06.10 / 掲載日:2021.06.10

憧れのクルマを手に入れる10の方法

レクサスRXの画像

コロナ禍のせいで気軽に遊びにも行けない今日この頃。どうせクルマを買うなら妥協をせず、貯めていた資金を一気に投入して、ずっと憧れていたクルマを手に入れたいものである。しかし、憧れのクルマというのは、未知の存在であったり、入手が困難であるからこそ憧れの存在なのであり、手に入れるのは容易ではないはず。そこで今回は、高いハードルを跳び越して実際に憧れのクルマを入手するための方法について、10の項目で紹介していこうではないか。
(掲載されている内容はグー本誌2021年7月号の内容です)

[レクサス]RX
中古車中心価格帯:380万から620万円
新車価格:524万から796万円
SUVらしい迫力のスタイリングを備えながら高級感や走行性能はセダンに匹敵する高級SUVの代表的存在。現行型は2015年に登場した2代目モデルで、現代的な快適&安全装備を備えている。

憧れのクルマを手に入れる方法.1

今、レクサスはどうだ?
中古車も充実してきたレクサスを手に入れる!

独自素材や技術に注力する レクサスらしい世界観

 130年以上の歴史を誇るメルセデス・ベンツや105年目のBMWを前にすると、レクサスの歴史は32年(日本では16年)とまだ浅い。しかし昨年、大幅改良を受けたフラッグシップサルーンのLSは完成度が高く、バンブー(竹)をはじめとする日本初の素材や革新技術にこだわってきたレクサスらしい世界観を強みとしている。また、トヨタ史上最も厳しいという新設のテストコース、トヨタ・テクニカルセンター・シモヤマで鍛え直されたISからは、「コンパクトFRスポーツセダンの火を消してなるものか」という気概があふれんばかり。今、最もおもしろく、ワクワクさせてくれるプレミアムブランドだ。
 現時点で、走行性能においては最新モデルが最良モデル。ただ、美しく仕立てのいい内装や快適装備は、中古車であっても十分満足度が高く、特に取りまわしのいいコンパクトなラグジュアリーカーなら、CTやUXなどレクサスにしかない魅力的なモデルが見つかるはずだ。

  • まるも亜希子の画像

  • カーライフ・ジャーナリストまるも亜希子
    実用車から憧れのモデルまで、さまざまな「クルマのある生活」を提案、レポート。現在は1児の母として、ファミリーカー選びもサポートする。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

BMW、メルセデスに追いつき、追い越したのか?

  • 最新技術のイメージ画像

    最新技術
     欧州ブランドと抜きつ抜かれつしながらも、運転支援技術は世界トップレベル。世界初のデジタルアウターミラーをESにオプション設定するなど、革新技術投入への意欲も高い。また、日本でいち早く開始したオペレーターサービスをはじめ、音声認識のコネクテッド機能の使いやすさも抜群だ。

  • エンジンのイメージ画像

    ラインアップ
     セダン、ハッチバック、SUV、クーペ、コンバーチブルと12モデルが揃っているものの、パワートレインはハイブリッドがメイン。ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、PHV、EVと多彩なパワートレインをさまざまなサイズで取り揃えるメルセデスやBMWと比べると、さらなるラインアップ拡充を期待したいところ。

  • シートのイメージ画像

    快適性
     各乗員を赤外線人体表面温度センサーで検知し、4席それぞれに適した快適性を維持する機能や、血の巡りを助けるリラクゼーション機能など、まさに日本の「おもてなし」精神が息づく室内装備・機構は、欧州ブランドも舌を巻く細やかさ。操作はやや複雑だが、これに慣れるとほかでは物足りなくなる。

  • 高級感のイメージ画像

    高級感
     初期モデルはトヨタ車との共通部品が外から見てもわかることが多く、コストダウン感が滲んでいたが、ここ5から6年で高級感がグンとアップ。レザーの質感もよく、カラーコーディネートも多彩で満足度が高い。和紙の風合いや織物など、日本を感じさせる素材や柄の美しさもレクサスならではだ。

  • スタイリングのイメージ画像

    スタイリング
     先鋭・精妙の美を意味する「エル・フィネス」をデザインフィロソフィーに掲げ、スピンドルグリルなど独創的な意匠と先進技術が融合するデザイン。好き嫌いは分かれるだろうが、金太郎飴的な欧州ブランドとは一線を画す。また何層もの塗装による美しいボディカラーにも定評があり、女性ファンも多い。

憧れのクルマを手に入れる方法.2

この夏! 人気が最高に高まるのはSUVの憧れモデル
レジャーシーズンに向けてSUVを手に入れる!

レジャーシーズン到来を控え、走破性の高さや使い勝手のよさを持ち味とするSUV人気が高まると予想される。現在、多くの人にとって憧れの対象となっているSUVを手に入れる絶好のチャンスということで、各モデルの動向をチェックする。

  • 新型車が続々デビュー!

    ランキングの画像

    新車市場での売れ筋はコンパクトSUVに集中しているが、ハリアーやランドクルーザーといった憧れのプレミアムSUVや、ランキング外だがフォレスターやエクストレイルといった定番車種も人気が高い。

  • 新型車が続々デビュー!

     近年、SUVが多くの人から支持されているのは、「実用車=ミニバンやワゴン」という既成概念が薄れ、ファミリーをはじめとした人たちがSUVの万能ぶりに触れ、実用系車種を求めるならミニバンやワゴン以外の選択があることに気づいたから。あるいは革新的な技術を採用することで、燃費が悪い、運転がしづらいといったSUVに対するネガティブなイメージを払拭したモデルが登場し、SUVの個性や利便性に魅力を感じた人が増えたため。つまり、ユーザーのクルマに対する価値観や美意識の変化が、現在のSUV人気を裏付ける要因になっている。
     国内の自動車販売動向にはそれが色濃く表れている。新車で販売されているSUVの車種数は、全ジャンルのなかで最も多く30台超。なかでもコンパクトSUVは世界的な潮流となり、日本国内では2013年のホンダ・ヴェゼル登場以降、新型車が次々に市場へ導入され、今やSUVクラスにおける中心的な存在となっている。コンパクトSUVへの注目度はクラス全体に波及し、新車はもちろん中古車市場でも、クルマ購入を検討しているユーザーの視線がSUVに集中しているという状況だ。

  • ヤリスクロスの画像

    1位 ヤリスクロス
    N-BOXを押さえて新車販売台数トップを獲得したヤリスの躍進に貢献。ヤリスをベースにしながら、SUVに必須の機能性や使い勝手を凝縮している。

  • 新型ヴェゼルの画像

    7位 新型ヴェゼル
    センタータンクレイアウトなど先代型で好評を博した特徴を継承し、デザインや機能が刷新された。コンパクトSUVの先駆として、新型も売れ筋必至となる。

icon 他ジャンルからの乗り換えで得られるカーライフの変化とは?

レジャーのイメージ画像

優れた走破性はもちろん、汚れた荷物を気兼ねなく積めるラゲッジスペースは、レジャーユースにはもってこい。乗用車感覚でカジュアルに乗れるというのも市場でウケている理由だ。

SUVに乗り換えることで日常生活も趣味も充実する
 クルマの買い替えサイクルは年々延びて、近頃は7から8年ともいわれている。たしかに国産車は技術的に進歩したうえ信頼性が高まったことから、10年弱なら古さを感じることなく、故障もせずに長く乗り続けられるようになった。しかし、愛車を乗り換えるタイミングはいずれやってくる。そのときになって、どんなクルマにするかを慌てて考え、選択を誤らないよう、今から次の愛車はなにを基準に選ぶべきか考えておきたいところだ。
 そこで、ひとつの選択基準としてSUVに注目してみてはいかがだろう。かつては、ボディが大きくて重く、走りが鈍重で燃費もよくない。メリットといえばオフロードの走破性ぐらいで、売れ筋になる要素など微塵もなかった。しかし、そんな状況がこの数年で一変。SUVに対するネガティブなイメージは払拭され、魅力的な選択が増えて特別な存在ではなくなった。新車、中古車市場ともに、SUVが一大旋風を巻き起こしている。
 SUVの魅力はさまざまな用途に対応できる機能が充実している点にある。道具として優れた能力は、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるし、SUVに乗り換えることで、日常生活や趣味も充実するはずだ。
 売れ筋はコンパクトモデルに集中しているが、SUVクラスには「誰もが憧れるクルマに乗りたい」という願望を叶えられるモデルが多数存在する。新車購入するとなるとハードルが高めでも、中古車に目を向けると、手にすることが現実味を帯びてくる。レジャーシーズンを前に、機能性に優れ、オールマイティに使えるSUVに乗り換えて、充実したカーライフを満喫してほしい。

憧れのSUV各モデルの市場状況

「憧れ」と呼べるSUVには、高級車顔負けのプレミアムタイプ、街乗りも得意なクロスオーバータイプ、大勢で移動できる3列シートタイプなど、多種多様なモデルが揃う。各車の特徴や買いのポイントを押さえて選ぼう。

icon [トヨタ]ハリアー(現行型)

[トヨタ]ハリアーの画像

中古車中心相場 250万から440万円

ここがいいね!
 上質感の高いしなやかな運転感覚が持ち味で、特に高速域での静かさと心地よさはプレミアムSUVにふさわしい特徴といえる。調光パノラマルーフや、前後方録画機能付きデジタルインナーミラーといったトヨタ車初となる機能を備えているのも注目のポイント。
BUYERS GUIDE バイヤーズガイド
 2020年6月に登場した新型車とあって、中古車の流通台数が少なく相場も高値となる。最新型は魅力的な選択だが、モデルチェンジによって値ごろ感を強めた先代型(中心相場:170万から280万年)も、プレミアムSUVとして満足できる能力を有している。

icon [トヨタ]ランドクルーザープラド(現行型)

[トヨタ]ランドクルーザープラドの画像

中古車中心相場 300万から480万円

ここがいいね!
 FRベースの4WDは副変速機を備え、ハードな悪路で抜群の走破性を発揮する。走行中の振動を巧みに抑えられるボディ剛性の高さ、高級サルーンのような静粛性で、車格に見合った重厚な運転感覚を実現している。
BUYERS GUIDE バイヤーズガイド
 新車時価格が高額なうえに、値落ち率が小さく中古車相場は高値安定を維持している。ガソリン仕様が2タイプ(2.7L/4L)のほか、ディーゼル仕様が選べる。燃費性能や経済性を考慮するなら後者がおすすめとなる。

icon [トヨタ]RAV4(現行型)

[トヨタ]RAV4の画像

中古車中心相場 250万から360万円

ここがいいね!
 シティSUVに分類されるが、悪路走破性はクロカンSUVに匹敵するパフォーマンスを発揮する。居住性と実用性についてもSUVクラスでは抜きん出ていることから、日常的な場面はもちろん、アウトドアレジャーまで幅広い用途に頼もしく応えてくれる。
BUYERS GUIDE バイヤーズガイド
 中古車の流通台数は少ないが、日常からレジャーまで幅広く使える能力で高い人気を維持している。駆動方式はFFもあるが、やはり4WDを選びたい。高度な駆動配分機構を持つシステムは、舗装路での安定性向上に貢献し、安全性の向上に大きく貢献する。

icon [日産]エクストレイル(現行型)

[日産]エクストレイルの画像

中古車中心相場 120万から230万円

ここがいいね!
 クロカンSUVとシティSUVの特徴をバランスよく兼ね備え、ハードな悪路走行がこなせるうえに、市街地でもスマートに扱える。用途を限定しない万能ぶりと、広い室内空間を生かした優れた居住性がセールスポイントで、ファミリー向けとしては最適な1台だ。
BUYERS GUIDE バイヤーズガイド
 登場から7年を経過し、市場での流通台数が多いことから、相場はかなりこなれて購入しやすい。レジャーで使うことを想定して選ぶなら安全装備が充実した2017年6月以降の車両を選びたい。プロパイロット装着車なら長距離を快適かつ安心してドライブできる。

icon [マツダ]CX-5(現行型)

[マツダ]CX-5の画像

中古車中心相場 190万から290万円

ここがいいね!
 SUVでもマツダ車らしい「人馬一体」のフィーリングが味わえる。ドライバーが楽しいと感じる走りと同乗者の快適性をバランスさせているのも特徴だ。クリーンディーゼル搭載車は、車格のわりに燃費性能が優秀で、経済面でもメリットが得られる。
BUYERS GUIDE バイヤーズガイド
 エンジンのバリエーションが多彩だが、市場で流通量が多いのは2.2Lディーゼルとなる。低速領域からパワフルな特性をスムーズに発揮するため、少ない燃料消費で効率的にパワーが得られるのが利点だ。購入価格を抑えたいなら、2Lガソリン仕様もねらい目。

いつか乗りたい2つの頂点!!

 ランクルとジムニーは、車格こそ異なるが、いずれもSUVクラスにおいては、まさに孤高の存在といえる。悪路走行時にボディが路面に干渉しない対地障害角を備え、デコボコ道も難なく走れる足まわりの特性や卓越した4WD性能によって、走れない道はないと思わせるほどの圧倒的な悪路走破性を実現している。相場は高値となるが、価格に見合った価値を実感できる。

  • [トヨタ]ランドクルーザーの画像

    [トヨタ]ランドクルーザー(現行型)
    中古車中心相場 280万から420万円

  • ジムニーの画像

    [スズキ]ジムニー(現行型)
    中古車中心相場 160万から280万円

憧れのクルマを手に入れる方法.3

初めてでも絶対失敗しないちょい古スポーツモデルの選び方

  • CAUTION 相場高騰中!

    パーツの消耗度の画像

  • CAUTION 相場高騰中!

    80から90年代スポーツに注意
     現在40代以上の人にとって憧れといえば、80から90年代のスポーツカー。ただこれらは、クルマ本来の魅力や25年ルールの影響もあって、現在もお宝的な高値を維持している。

しかしそこには 憧れモデルがズラリ

  • ロードスターの画像

    [マツダ]ロードスター(NA型)
    人馬一体と称される走りでライトウエイトオープンスポーツというジャンルの楽しさを、日本から世界に向けて発信した。

  • スープラの画像

    [トヨタ]スープラ(A80型)
    ロングノーズ&ショートデッキのスタイルに直6ツインターボエンジンを搭載。ゲトラグ製6速MTなど、独自の魅力が満載。

  • スカイラインGT-Rの画像

    [日産]スカイラインGT-R(BNR34型)
    国産史上最強のスポーツカーと謳われ、いまだ熱狂的なファンが多い。R32、R33も中古車価格が異常なほど高騰している。

やっぱり、コンディションが心配?

古いクルマのコンディションを判断するなら、走る/曲がる/止まるといった走りの能力に支障がないことを重視すべき。

ポイントは経年劣化や購入後の維持費と方法

 憧れというテーマで愛車を選ぶなら、若かりし頃に新車で購入することが叶わなかったスポーツカーを忘れてはならない。第2世代のスカイラインGT-R、マツダRX-7、フェアレディZなど、80年代から90年代に市場を席巻したモデルは、当時としては最新鋭のメカニズムが採用され、20年以上を経た今も多くの人々から注目されている。
 こうしたクルマを愛車にするとなると、注意すべき点が多々ある。経年による劣化の進行度合いのチェックは必須で、特にエンジンや足まわり、ブレーキなど走りに影響する部分を重点的に確認したい。
 また、ちょっと古いスポーツカーは購入後の維持も容易ではない。部品の供給が終了している車種もあるし、今どきのクルマとは違ってメンテナンスの頻度も多くなる。不安なく購入し、長く乗りたいと考えているなら、自らの目や知識だけに頼らず、車両の情報や整備のノウハウなどに長けている専門店を利用するのが賢明だ。

憧れのクルマを手に入れる方法.4

クラウンの画像

俺たちのクラウンは今が旬?末期モデルのクラウンを手に入れる!いつの時代も輝いていた高級サルーン……
クラウンは、日本を代表する高級サルーンとして、いつの時代も憧れの存在として崇められてきた。次期型は「SUVになる」と噂されているが、「いつかは……」ではなく、今だからこそ、セダンのクラウンを手にしようではないか。

 初代の登場から66年。長い歴史と伝統を持つクルマにふさわしい気品と、国産高級車をリードしてきた先駆車としての崇高なプライドを感じさせる作り込みが、「いつかは……」乗りたいと思わせる所以となっている。
 歴代モデルは、いずれも内外装の高級感、ゆとりある動力性能、さらに最先端の安全性能など、搭載された技術や機能は、トヨタのフラッグシップサルーンならではのもので、所有する満足感が得られるのは間違いない。
 次期型はクーペスタイルのSUVにシフトするともいわれており、そうなった場合、中古車市場に影響を及ぼすのは必至だ。セダン需要の縮小でかつての人気は影を潜めているとはいえ、魅力的なセダンが少なくなってきた昨今の状況や、セダンのクラウンが新車では買えなくなることを鑑みると、相場が高騰する可能性は大いにあると考えられる。市場では、スポーティイメージを強調したグレードの人気が高い。13代目以降ではハイブリッド仕様も選べる。

icon [トヨタ]12代目クラウン

12代目クラウンの画像

中古車中心価格帯 20万から90万円

「ゼロクラウン」と呼ばれ、これまでの伝統を継承しながらも新しいクラウン像を作り上げたモデルだ。ロイヤル、アスリートをラインアップし、流通台数が豊富なうえに相場は100万円以下となる。

icon [トヨタ]13代目クラウン

13代目クラウンの画像

中古車中心価格帯 50万から140万円

内外装、走りにおける実力、質の高さは、欧州の高級サルーンと比較しても遜色ない。パワーユニットは2.5L、3L、3.5LでいずれもV6となる。スポーティ志向のアスリートの流通台数が多い。

icon [トヨタ]14代目クラウン

14代目クラウン

中古車中心価格帯 150万から290万円

2012年の登場時、海外へ販売の軸足を置くセダンが増えていたときに、日本専売モデルとして国内のニーズを追求して開発された。ハイブリッド仕様や2Lターボなどエンジンバリエーションが多彩。

icon [トヨタ]15代目クラウン

15代目クラウンの画像

中古車中心価格帯 340万から420万円

TNGAに基づくプラットフォームを採用し、走る・曲がる・止まるといった性能を磨き上げた。引き締まったスポーティなスタイルに見合った走行性能を実現し、クルマを操る楽しさが実感できる。

憧れのクルマを手に入れる方法.5

あの時キミは高かった……傑作高額車年表
誕生から何年、何十年経とうとも、高額車は今なお語り継がれる「万人の憧れ」として輝きを失うことがない。そこで、センチュリーやNSXなど、国産車で誰もが憧れた90年代以降の高額車を年表とともにおさらいし、現在の相場情報も併せて紹介していこう。

年表の画像

時代に名を刻んだ傑作は究極の憧れといえる存在
 高額車の共通点は、いずれもさまざまな領域で「優れたクルマ」であること。そして、いいクルマを目指して貫いた「作り手のポリシー」が感じとれることだ。そうした要素が、走りの楽しさや存在感のある佇まい、画期的な機能、他車にはない個性を生み出し、そこにドラマを感じさせてくれる。同じ傑作でも、映画や小説のように受動的なものとは違い、クルマは自分が乗って楽しめる能動的なものであり、人に与えられるのではなく自らの意思でそれを手に入れ操る感動が得られるのだ。
 時代が変わり、クルマに求められるものが様変わりしたとしても、高額車が持つ価値、それを手にした人の満足感は決して色あせることはない。まさに究極の憧れといえる存在を手に入れたことで得られる優越感は、普通のクルマとは比較にならない。いずれもキャラクターは濃い目だが、貴方のライフスタイルにマッチするなら、ぜひ購入を検討してみてほしい。

知っておいて損はなし! 憧れのクルマ購入マニュアル 対策を知り効率よく手に入れる!

さまざまな憧れのクルマに関する知識を得てきたところで、ここからはそれらを実際に購入するための具体的な作戦を練り、心構えについて考えてみようではないか。時間、金額、そして労力と使えるものはすべて駆使せよ!

憧れのクルマを手に入れる方法.6

対策1「急がば回れ」を知る

時間をかけることでマイナス要素を排除する

中古販売店の画像

何度も販売店へ足を運び、より多くの物件を見ることで、車両の知識が増えていく。結果、よりよい物件を選び出す力となる。

「憧れ」の存在に対しては、それ相応の購入方法が必要だと思われがちだが、運さえよければ、すぐに安くてコンディションの優れた良質物件に出会うことができる。しかしこれはすべての中古車にいえることだ。
 憧れのモデルというのは新車時の価格が高価だったり、存在自体がレアだったりすることが多いため、運よく良物件に出会える確率は低い。そうなると、運任せにするのではなく、すぐにできることで一番重要なのは、「急がない」ことである。
 たとえば、物件探しを急がないことで、高価過ぎる物件を掴まされないで済む。めったに見られない憧れ物件を目の前にすると、人はすぐ手を出してしまいがちだが、時間を費やせば、他の物件と比較することもできる。同じように、急がなければコンディションの優れた物件だって見つかる可能性が高くなるのだ。
 さらにメリットがあって、長い期間をかけて多くの物件を探ることによって、その車種に関してより深い知識を得ることだってできる。つまり、よりよい物件の見分けができるようになるというわけだ。もちろん、どうしても早めに購入しなくてはならない事情があれば話は別だが。

憧れのクルマを手に入れる方法.7

対策2 ローンは悪いことじゃない

計画を綿密に立てれば決して怖いものではない

販売計画のイメージ画像

頭金は重要だ。毎月の支払額を減らしたいなら、頭金を増やすしかない。ローン購入前にいくら貯められるか、それは貴方次第。

「ローン地獄」なんて言葉も聞かれるが、ローンは恐ろしい、ローンは絶対に使いたくないなどと思っている人は多い。しかし高額車をキャッシュで買うような人というのは一部の富裕層の方々で、クルマを買う際にローンを駆使する人は一定数存在する(だからローン会社が存在しているのだ)。
 憧れのクルマというのは、やはり金額がそれなりに高いことが多いというのはこれまで述べてきたとおり。もし良質な物件との最高の出会いをした際に、まだそれだけの預貯金を持ち合わせていなかったら、ローンで買うというのもありだろう。なにせ中古車は、他に同じ状態ものがひとつとして存在しない唯一無二のものなのだから。
 もちろん「地獄」にならないための計画を事前に立てておくことは必要だ。頭金はいくら払うのか、支払い回数は何回で、月にいくら支払っていくか。日々の生活にしっかり照らし合わせて、自分がいくらまでなら捻出できるか考えてみよう。無理はしてはいけない。だが、無理のない範囲の金額でさえあれば、ローン支払いも憧れのクルマとの生活を送りながらなら、きっと辛くないに違いない。

憧れのクルマを手に入れる方法.8

対策3 専門店を探すことの重要性

まずは店を探して相談してみること

  • VWイメージ画像

    車種専門店なら同車の次の型、その次の型なども取り扱っていて、いずれ好条件でステップアップすることが叶うかも。

  • 廃車のイメージ画像

    故障した際の知識が豊富なことはもちろん、同型車を多く扱っているためにパーツなども手に入りやすい場合がある。

 人が憧れを抱くクルマというと、高額車かレア車か、という2パターンに当てはまることが多い。どちらの場合にもいえるのが、流通物件数があまり多くないということ。新車ディーラーで普通に販売されているレクサスのような車種は除き、限定車や古めのクルマに関しては、下手すると、グーネットで検索をかけても物件が一台も現れないなんてことだってある。
 では、どうやって探すのがいいか。ターゲットは専門店だ。ちょい古スポーツ車専門、4WD車専門、軽自動車専門など、世の中にはさまざまなジャンル、または車種の専門店が存在している。憧れのモデルも、レアなモデルが多いということで、つまり専門店の存在確率は高くなる。
 自分が探している憧れモデルを取り扱っているであろう専門店が見つかったら、まずは電話やメールで相談してみよう。独自のルートやある程度の時間をかけて探し出してくれるに違いない。
 専門店で購入することにより、購入後にもメリットが生まれる。同車、同ジャンルに詳しいということで、故障などの対策にも長けているのだ。さらに、いつか手放す際には、相応のルートを使って損をしないで売却できるかもしれない。

購入後のランニングコストや自由度も吟味すべし クルマのプロからの提言を参考にして手に入れる!

  • 清水草一の画像

  • 自動車評論家 清水草一
    31歳にして脱サラし、憧れだったフェラーリを購入。以後、著述業で生計を立てながら10台以上のフェラーリを乗り継ぎ、他車との2台、3台持ちも実現してきた。

憧れのクルマを手に入れる方法.9

自宅駐車場のイメージ画像

フェラーリと実用車との2台持ち、3台持ちはもちろん、一時期はフェラーリを2台所有することもあった筆者の当時の自宅ガレージ。もちろんどちらも中古車である。

実用車も同時に所有すれば、憧れのクルマを自由に選べる!
 クルマ好きなら、愛車は最低2台は欲しい。欲を言えば何十台も欲しい。実際、クルマ好きの大資産家は、それを実現している場合が少なくない。クルマとは単に移動の手段ではなく、見て、所有して楽しむ側面がある。乗らなくたっていいのである。
 私の場合は、1台は必ずフェラーリだったので、実用性はほぼゼロ。セカンドカーが実質的なファーストカーだったから、実用的なボディタイプであるステーションワゴンを重宝していた。
 その後もう1台増やしたので、実用車の枠が2台になった。そうなると、ありとあらゆるラインアップが組める。1台はオープンカーが欲しいとか、ロングドライブ用にディーゼルがいいとか、近所の買い物用にはコンパクトカーがいいとか、本当にいろいろな組み合わせを楽しませてもらった。
 せっかく2台持ちを実現するなら、できれば性格が離れた2台がいい。サイズやボディタイプやパワーソースなど、あらゆる要素がすべて異なる組み合わせのほうが、その違いを楽しめる。
 たしかに2台持ちはコストがかかる。なかでも駐車場代や保険料、自動車税などの固定費は、精神的に重い。しかしちゃんと計算してみると、車両価格に比べれば、維持費はそれほど大きくないことがわかる。車両価格を安く上げれば、2台持ちは決して難しくないのだ。
 つまり新車でなく中古車を買えば、それだけで2台持ちがぐっと現実味を帯びてくる。

憧れのクルマを手に入れる方法.10

フェラーリと清水の画像

フェラーリ328を、生涯でなんと3回も購入している筆者。無駄と思われるかもしれないが、欲しいときにいつでも乗り換えられるのも所有することのメリット。

サブスク系も悪くないが、憧れのクルマは購入したい!
 私はこれまでに51台のクルマに乗ってきたが、古いタイプのクルマ好きなので、ローンすらほとんど組んだことがなく、1台を除いてすべて現金一括払いだった。ましてやリースや残価設定ローン、サブスクなど、考えたこともない。
 もちろん、サブスク的な乗り方にもメリットはあるだろう。ご近所の方が残価設定ローンで、数年おきにしゃれた輸入車を乗り継いでいるのを見ると、こういうのもありだろうな、とは思う。
 しかし私はプロのクルマ好きだ。プロであるからにはクルマを完全に自分のものにして、完全に自分のコントロール下に置きたいと考える。なにをどうしようとも、誰にも文句を言われない形が好きだ。
 サブスク系は、急に買い替えたくなっても、中途解約金がかかったりするから、ある意味、売買の自由が制限される。もちろんクルマもいじれないので、ただ大人しくノーマルに乗っているしかない。そもそも余分にお金をかけてかわいがる気になれない。なにせ自分のものじゃないのだから当然だ。どこかホテルに住むのに近い気がする。
 私はやっぱり自分の家に住んで、好きなようにアレンジしたい。クルマ好きだから、クルマに対しても同じだ。
 たしかにサブスク系は、気楽ではあるだろう。しかし気楽なだけで、決して安上がりなわけではない。一番安上がりで楽しいのは、お買い得な中古車を乗り継ぐことではないだろうか?

まとめ

レクサスの画像

今こそ、憧れを現実にするために考えてみる
 憧れというのは、理想的なもの、現実になったらいいもの、そして、心惹かれ、思い焦がれるもののこと。その意味を考えると、若干無理めなものと捉えられがちだが、「憧れのクルマ」の捉え方というのは、その人ごとに違うことだろう。
 なかには、憧れのクルマはいつまでも憧れの存在であって、絶対手に入らないと諦めている人もいる。いや、むしろそう思っている人のほうが多いかもしれない。だが、ちょっとだけ別のことを我慢してみたらどうだろう。たとえば、他の趣味を減らす、喫煙をやめる、おやつを減らす、など。そして少しだけ背伸びをしたら……。意外にも、憧れが身近な存在だった、と気づくかもしれない。貴方の憧れは手が届く存在か、この機会にちょっと考えてみてはいかがだろうか。


※中古車価格はグーネット 2021年5月調べ。記事中の価格は参考であり、中古車価格を保証するものではありません。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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