新車試乗レポート
更新日:2021.05.27 / 掲載日:2021.04.05

NISSAN 新型ノート<賢い選び方ガイド>

 遂に4WDも発売となり、全グレードが出そろった新型ノート。「プロパイロットがいいらしいけど、高いんでしょ?」「エントリーグレードでも十分なのかなぁ……」自分にとって、間違いない仕様は一体どれなのか。ディーラーに行く前に賢い選び方を学ぼう!

NISSAN ノート
●発表(最新改良):2020年11月24日(2020年12月23日)
●価格帯:202万9500~244万5300円

フレンドリーさも強かった先代に比べ、キレのある、スタイリッシュなデザインとなった新型。ドアの開閉音までこだわった、「プレミアムコンパクト」に生まれ変わったのだ。

走りにもこだわるダウンサイザー向けの1台

 車格設定は1.3Lクラスだが、ボディサイズや動力性能にゆとりを与えてプレミアム性を高めているのが特徴。新型は先代の基本コンセプトを踏襲するとともにプレミアム性をさらに向上。車載ITのニッサンコネクトやナビリンク機能を備えた最新のプロパイロットを設定するなど、クルマの次世代を予感させる内容だ。

 また、クルマ基本性能から車格感を高めているのも見逃せない。シリーズ式ハイブリッドの特徴を活かしてドライブフィールを洗練されたものとし、新開発のプラットフォームやクラスを超えた遮音対策も加えて静粛性や走りの質感を磨き上げている。

 性能の進化では4WDも見逃せない。先代は補助的な電動後輪駆動システムを採用していたが、新型では後輪駆動モーターの最高出力を50kWへと大幅アップした。

 前後駆動モーターの出力合計は135kWにもなるが、PCU等が共通になるため加速性能はFF仕様と同等だ。しかし、前後駆動力を100:0~0:100で制御できる特徴を活かし、駆動配分を適時適正化。加減速時のピッチングや加速度の揺らぎ等の抑制やコーナリング時のラインコントロール性を高めている。未試乗のため実力は図りかねるが、機能や制御を見れば新型の走りの車格感をさらに高めているはずだ。

 つまり、新型の特徴の大半がプレミアム性の向上に向けられ、とくに走りの質にこだわるダウンサイザーには、最適な一車である。

エクステリア同様に、インテリアも洗練された上質な設え。後席の頭上や膝前空間は先代より若干減少しているが、十分に広く荷室等の使い勝手もほぼ変わらず。後席は6:4分割可倒式でXのみリクライニング機構付き。

【賢い選び方 その1】新型ノートの良さをもっとも享受できるベストな仕様は「X+プロパイロット」

●ベストな仕様
X(FF):218万6800円+プロパイロット等(セットOP7):42万200円

 プレミアム性を求めるなら最上級グレード狙いとなるのは当然だが、最上級のX系と中間設定のS系に標準装着される機能装備は、ほぼ同じ。加飾系を除けば、Sにメーカーオプション装着で素のXと同等の装備にできる。

 両グレードの違いは、設定される先進装備系のメーカーオプションの種類である。何よりも重要なのは、プロパイロットやニッサンコネクトがX系専用のセットオプションになること。高度運転支援システムも車載ITも、昨今は標準化が急速に進んでいる。

 有用性は使い方にもよるが、「新型らしさ」だけでなく、長く使うための安心感、リセール時の強さから考えても、プロパイロットとニッサンコネクトは最低限欲しいところ。

プロパイロットはニッサンコネクトナビなどとセット。予算に余裕があれば、LEDヘッドランプ系のセットOP2か、本革シートとアルミホイール等も付くセットOP4を選んでもいいかも。

【賢い選び方 その2】「プロパイロットまでは不要、標準装備の安全装備で十分」なら「OPなしのX」

●ウェルバランスな仕様
X(FF):218万6800円

 各グレードの価格差はF対比でSが約2.5万円安、Xは13.2万円高。Fは装備面のベーシック仕様、かつ燃費狙いの軽量仕様でもある。Sより高いのは不可解だが、個人ユーザーには正直メリットがない。

 SとXの価格差は約15.7万円。街乗りに便利なインテリジェントキーをSにメーカーオプションとして装着するだけで、Xとの価格差は3万円台になってしまう。セットオプションとなるためだが、プレミアムの要点となる装備を揃えるとSを選ぶ価格的なメリットはほとんどなくなってしまう。

 プロパイロット非選択でも、ノートらしさを味わいたい、つまりプレミアム志向ならば、Xの買い得感が高い。

自動ブレーキ、踏み間違い衝突防止、標識検知、前方衝突予測、車線逸脱防止支援などの機能が全車に標準装備。プロパイロットなしでも、安全装備は充実しているのだ。

【賢い選び方 その3】FとSはあまり個人向けではないが、完全なセカンドカーとして選ぶなら「OPなしのS」もアリ!

●セカンドカーとしての仕様
S(FF):202万9500円

 別項で述べたように、装備表や諸元表を見比べても、SよりFが高価な合理的理由は見出せない。「まとめ買いのフリートユーザー向け」ということで「F」があるのだろう。

 Sについては、オプションを絞り込んで安価にまとめるかぎり、実は買い得な選択となる。極論すれば、工場装着オプションは一切なしで、「販売店装着オプションで仕立てるためのベース仕様」、あるいは「通勤通学や買い物等の日常用途向けタウンカー」として割り切った考えで選ぶなら、買い得なのがS。つまりはセカンドカー用途の「S」と理解すればいい。

ニッサンコネクトナビは、Xのみにメーカーオプション。ディーラーオプションナビになっても実質17万8404円から。セカンドカーとして乗るなら、後付けの市販ナビか、割り切ってスマホアプリのナビでもいいだろう。

【賢い選び方 その4】予算に余裕がある、または走りにこだわりがあるなら「X FOUR+プロパイロット」

●さらなる上質を味わう仕様
X FOUR(4WD):244万5300円+プロパイロット等(セットOP7):42万200円

 採用されたハードウェアだけを見ても、はっきり言って4WDは至って買い得である。FFとの価格差は約25万円で、従来型より価格差は約3万円拡大しているが、2WD車/4WD車の価格差では常識の範疇。

 しかも、従来車は後輪駆動用モーター(3.5kW)という発進補助用4WD。大容量後輪駆動モーターで、快適性や操安性の向上にも積極的に用いる新型は、同じ電動4駆でも別物である。降雪地域以外でも、予算に余裕があるなら4WDを狙ってもいいだろう。

前後独立のモーターを使用する、e-POWER 4WD。操安性はもちろん、快適な乗り味ももたらしてくれるはず。「走りの良さだけ味わいたい」「高速は使わない」という向きには、もちろんプロパイロットは不要。

【賢い選び方 その5】大幅値引きが狙えそうでかつ「コンパクトカーが欲しいだけ」なら併売中の先代もアリかも!?

●「激安」な仕様
先代 メダリスト X(FF):176万6600円(オプションは要確認)

 先代はすでに生産が終了したが、e-POWER車は販売も終了。新型はe-POWER車のみのラインナップ、ということもあってか、ガソリン車の在庫のみの販売となっている。

 工場装着オプションの指定ができないので、装備内容は要チェック。ラグジュアリー仕様のメダリストならACCも標準装着するが、標準価格では旨味がない。

 なので値引き次第ということになってしまうが、安全&運転支援装備も考えた上でマーチの上級グレードくらいに収まるなら、先代ノートも一考する価値はある。

先代のメダリスト Xなどに搭載のNAエンジンと先代メダリストなどに搭載のスーパーチャージャーエンジン。ハイブリッド車ではないモデルがどうしても欲しい場合、先代でしか選べない。

●賢い選び方豆知識 「有料となるボディカラー」

  • ピュアホワイトパール(3万8500円高)

  • ガーネットレッド(4万9500円高、Fを除く)

  • オーロラフレアブルーパール(3万8500円高)

  • プレミアムホライズンオレンジ(4万9500円高、Xのみ)

  • ビビッドブルー/スーパーブラック 2トーン(5万5000円高、Xのみ)

  • オペラモーブ/スーパーブラック 2トーン(5万5000円高、Xのみ)

●賢い選び方豆知識 「ライバルとの選び分けをおさらいCHECK」

  • ●プレミアムさなら
    NISSAN ノート:202万9500~244万5300円

  • ●使い勝手なら
    HONDA フィット:155万7600~253万6600円

  • ●走り重視&コスパ勝負なら
    TOYOTA ヤリス:139万5000~456万円

 最新のデザインを始め、内外装や走りの「質」の部分に関して言えば、ノートが一歩リード。パッケージングの巧みさ、使い勝手の良さで選ぶとフィットが有利。スイフト、マツダ2、ヤリスに比べれば、ノートもかなり広々だ。ガソリン車の走りも良く、燃費性能も考えるとヤリスの走りも見逃せない。ACCやLKAなどの装備を考えた「コスパ」でも、ヤリスは強いと言える。

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●文:川島茂夫/編集部 ●:写真:奥隅圭之/澤田和久

提供元:月刊自家用車

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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