輸入車
更新日:2021.03.04 / 掲載日:2021.02.04

フォルクスワーゲン ポロ/気になる中古車【試乗判定】

2018年モデル フォルクスワーゲン ポロ TSIコンフォートライン

文●竹岡圭、九島辰也、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年3月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年1月調べ。
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。


一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?

Member Profile

  • 自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】
    人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

  • 自動車ジャーナリスト【九島辰也】
    長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

現行型6代目はボディを拡大して居住性アップ

ステアリングを握ればイタリアがわかる!

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、フォルクスワーゲンのコンパクトカーであるポロが登場です。お借りした車両は2018年モデルで、グレードは「TSIコンフォートライン」、走行距離は1万7000kmとなっています。
九島●僕、このクルマ好きですよ。
竹岡●お、同じポロオーナーとしてうれしい(笑)。どういうところが?
九島●エッジが効いたマニッシュなデザインがいいよね。それでいて「車オタク」な雰囲気もないでしょ。内装にボディカラーを反映させる手法も、一歩間違えると安っぽくなりがちなところを上手にまとめてる。
竹岡●カッコいいよね。私、このポロのGTIで全日本ラリーに出場してるじゃない。いろんな人にカッコいいって評判いいのよ。それと、よくゴルフと間違えられる(笑)。
九島●わかる。デザインが小型車なのに大人っぽいし、ボディサイズも前より大きくなったからかもね。
編集部●さて、そんなポロについて改めて紹介させてください。ポロはアップ!とゴルフの間に位置するコンパクトハッチバックで、現行型で6代目になる歴史あるモデルです。現行型は、先代に比べて全長と全幅が65mm拡大しました。
竹岡●サイズ感でいったら、現行型ポロってゴルフIVとほとんど変わらない。だからファーストカーとしても十分使えちゃう。特に後席と荷室がかなり広くなったよね。シートなんて私と九島さんが前後に座っても余裕なんだからすごい。
九島●3ナンバーになったことを気にする人もいるみたいだけど、それでも全幅1750mmだから、機械式駐車場にも問題なく入庫できる。
竹岡●日本の道路事情を考えたら、ポロってジャストサイズだと思う。
編集部●最近日本車でも魅力的なコンパクトカーが各社から登場していますが、改めてポロの魅力はどんなところにあるのでしょうか。
九島●ポロっていうのはスタンダードなんだよね。それはつまり、クルマに求められる使いやすさとか、誰が乗っても満足できる優れたバランスを備えているってこと。だからむしろ新しい提案は必要なくて、その時代の新しい技術が投入されていることのほうが大事。
竹岡●そういう意味では、現行型ポロは先進安全技術も装備しているし、スマホ連携も全車標準。しっかり最先端の技術が使われているね。
編集部●はい。MQBプラットフォームになったことでVWの最新技術が投入されています。なお、グレード構成は5つで、標準モデルは95馬力の1L3気筒ターボを搭載しており、装備ごとに「TSIトレンドライン」、「TSIコンフォートライン」、「TSIハイライン」の3グレードを展開。さらにスポーツモデルとして、お馴染みの「GTI」(200馬力)に加えて1.5L直4ターボの「TSI Rライン」(150馬力)が用意されています。
竹岡●そうそう、現行型は内装の質感がよくなったのもポイントかな。でも、いい意味でシックというか、シンプルなのは今までどおり。
編集部●ありがとうございます。それでは、試乗に行きましょう。


竹岡「これ1台でなんでもOKなオールマイティカー」

九島「直線的なデザインは大人の男性でも似合う」

DETAIL CHECK

基本に忠実で安心できる走行性能は、まさにコンパクトカーのお手本

編集部●試乗から戻ってきましたので、お二人から感想を伺います。
九島●いいクルマ。クルマの動きが基本に忠実で、まさにVWのイメージどおり。排気量が1Lとは思えないくらい乗りやすい。
竹岡●いいでしょポロ。静粛性も高いから後席に乗っている人との会話も声を大きくしなくていいし。
編集部●竹岡さんはラリー競技に出場されていますが、そういったシーンではどうですか?
竹岡●ラリー車は車検に通らないといけないから、あまり大幅な改造はできないのね。それでもコースによっては、ラリー専用に作られたクルマにも勝てるくらい戦闘力がある。どうしてかっていうと、クルマの動きが安定しているしわかりやすいからで、安心して飛ばせるの。
九島●DSGは2ペダルだから、スポーティに走らせるときにはハンドル操作に集中できるのがいいよね。
竹岡●そうそう。それからDSGは圧倒的に燃費がいい! 燃費を意識して走らなくてもかなり優秀で、ラリーのときなんて他のクルマよりも給油タイミングがずいぶん遅いから。
九島●普通に使って燃費いいっていうのは最高だね。それで、中古車市場はどんな感じなの?
編集部●人気モデルだけあって、まだ最初の車検を迎える前のタイミングにも関わらず、200台を超える中古車がグーネットに登録されていました。価格の中心は150万円から200万円です。
竹岡●ポロは新車価格がそんなに高くないクルマだけど、お買い得度でいったらどうなの?
九島●まだ新しいクルマだということを考えたら大いにアリじゃない。
編集部●走行距離5000kmにも満たない物件も50台ほど確認できたので、新車気分で安心して乗りたいという中古車初心者にもオススメしやすいですね。
竹岡●私なら、できるだけ装備の充実した上級モデルを選ぶかな。
九島●それは同感。さらに言えば、できるだけボディカラーが鮮やかなやつね。コンパクトカーは色で遊び心を演出するのがポイント。
竹岡●今日試乗したオレンジとかブルーも、男女選ばず似合うと思うな。
編集部●ありがとうございました。

先進安全装備が充実、自動ブレーキは全車に標準

 ボディカラーを反映させたカラーパネルが華やかなイメージを演出するインテリア。安全装備の充実はこのモデルのトピックで、緊急自動ブレーキとなる「フロントアシスト」は全車標準。一方で「リアトラフィックアラート」などはオプション装備のため、購入時に確認したいところ。

拡大したボディサイズの恩恵で後席は大人でも快適に

 先代モデルよりも全長と全幅を65mm、ホイールベースを80mm拡大したことで室内スペースが広くなった。特に恩恵を受けたのが後席で、足もと空間のゆとりが増し、大人でも快適に過ごせるようになった。シートは表面のタッチこそ固めだが、長時間乗っても疲れにくい良質なもの。

標準グレードは1Lターボ、必要にして十分な動力性能

 標準グレードのエンジンは、95馬力を発揮する1L直3ターボを搭載。スポーティグレードのTSI Rラインは1.5L直4ターボで最高出力150馬力、トップモデルとなるGTIは2L直4ターボで最高出力200馬力とバリエーション豊かなユニットを用意。トランスミッションはすべて7速DSG。

かつてのゴルフに匹敵する351Lのラゲッジルーム

 ラゲッジルームもボディサイズ拡大の恩恵を受けてサイズを拡大している。荷室容量は標準状態で351Lで、先代モデルの280Lに対して大きく容量を増やしている。ちなみに、ゴルフ6の荷室容量が350Lだったことを考えると、その成長度合いがよくわかるだろう。

試乗判定レビュー

※各項目に対して5点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

  • 「ゴルフの弟。ひとつ小さいエントリーモデル」という印象の強かったポロですが、ずいぶんと成長しまして、いまや4代目ゴルフとほぼ同じ大きさ。特に後部座席が広くなったので、立派なファミリーカーとして使えちゃいます。実際、狭い街中でチョコチョコ機動力高く走りまわるにはベストなサイズ。クルマを出すのが億劫なんてことはありえません。

  • 必要なものは全部揃っていますよ~ってタイプです。質実剛健な印象のVWですが、ポロはカラーのインパネなどを使ってポップな感じを演出。でも質感はちゃんと作り込まれているところが、VWクオリティで、使いやすさはバッチリ! ファーストカーとして乗るなら、高グレードの装備全部載せが満足度高くオススメです。

  • 簡単にいうと、安定感高くよく走る、とってもよくできているクルマです。だってね、GTIなんていうスポーツモデルがあるくらいだから、基本がしっかりしてるんですよ。なんたって私が全日本ラリー選手権で使ってるくらいですから。ちなみに私のマシンは安全装備のみ追加した、ACCだって着いたまんまのノーマルカー。ポテンシャルの高さバッチリです。

竹岡 圭の試乗判定(1件)
平均点 4.8
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.5
  • 走り 5.0

九島辰也

  • VWのハッチバックというのは、乗用車のど真ん中でありポロとゴルフの役割は、それぞれサイズの違いと解釈できる。ゴルフの成長にともなってポロも大きく立派になったが、その本質は変わらない。現行モデルはデザインもポップ路線から変わってマニッシュになり、私が乗っても違和感がなくなったのはうれしいところ。

  • スタンダードクラスのクルマであっても、快適装備が充実しているのがイマドキの輸入車。今回の試乗車はオレンジ色のボディカラーが室内のパネルにも反映されていて、非常に明るく楽しい雰囲気。それでいながら、おもちゃっぽくないのもいい。自動ブレーキは標準で備わるが、上級モデルを選べばさらに満足度は高くなるだろう。

  • アグレッシブにも走れて、のんびりと流すような走りをしてもしっくりくる。それがポロというクルマで、小型車でこの世界観を実現しているクルマはじつはあまり多くない。強固なボディと基本に忠実なサスペンション設計がそれを可能としている。相変わらず、DSGならではのダイレクト感のある加速も気持ちよく、クルマ好きを飽きさせない。

九島辰也の試乗判定(1件)
平均点 4.8
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.5
  • 走り 5.0

グーワールド 編集部

  • 友人、知人からクルマの紹介を求められたときに、いつも選択肢に挙がるのがVWのポロやゴルフ。基本に忠実で作りがよく、輸入車に乗る楽しさを多くの人にわかってもらえるクルマだからです。現行型ポロは日本の路上に絶妙にマッチするサイズで、後席と荷室が広くなったことで、これ1台でなんでもできる、万能なクルマに成長しました。

  • プラットフォームを刷新し、上級モデルと共通の「MQB」を採用したことで、装備は一気にレベルアップ。自動ブレーキやACCなどを標準装備しており、上級モデルやオプション装備でさらに充実した内容にできるようになりました。駐車支援システムの「パークアシスト」も用意されているので、運転に自信がないユーザーにもやさしいクルマです。

  • ポロに乗っていて、同クラスの日本車と違いを感じるのが、速度が上がってきたときの落ち着きのよさです。スゥッとクルマの動きが整って、いい意味で速度感がなくなるため、小さいクルマなのに怖くないのです。それでいながら、街中では相変わらずの小まわりのよさ。全幅は1700mmを超えてしまいましたが、それでもストレスフリーでした。

グーワールド 編集部の試乗判定(1件)
平均点 4.8
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 4.5
  • 走り 5.0

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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