輸入車
更新日:2021.09.04 / 掲載日:2021.09.04

フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン/気になる中古車【試乗判定】

気になる中古車【試乗判定】のメインカット

2019年モデル フォルクスワーゲン ゴルフ トゥーラン TSI コンフォートライン

文●竹岡圭、九島辰也、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
(掲載されている内容はグーワールド本誌2021年10月号の内容です)
※中古車参考価格はすべてグーネット2021年8月調べ。
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?

Member Profile

  • 竹岡 圭さんのプロフィールカット

    自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】
    人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2021-2022 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

  • 九島辰也さんのプロフィールカット

    自動車ジャーナリスト【九島辰也】
    長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

3列シートを備えるコンパクトミニバン

2代目はシンプルで上質なデザインで登場

ゴルフ トゥーランと九島さん、竹岡さん

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、VWのコンパクトミニバンであるゴルフトゥーランが登場です。お借りした車両は2019年モデルで、グレードは「TSIコンフォートライン」、走行距離は2万5000kmとなっています。
竹岡●前回の2シリーズグランツアラーに続いて3列シートの輸入ミニバン。続けて乗るとそれぞれの個性がわかっていいかもしれない。
九島●そうだね。2シリーズグランツアラーはミニバンでありながらも、BMWらしいスポーティな走りと上質さ、ミニバンとしてもちゃんと考えられていることに感心した。
竹岡●名前はゴルフトゥーランなんだね。ゴルフという名前が付けられているところにこだわりがありそう。
九島●なるほど、それは鋭い指摘だ。トゥーランというクルマを理解するのに、大きなヒントになりそうだね。
編集部●本日試乗していただくゴルフトゥーランは、2016年に登場した2代目の中核グレードです。ガソリン車はTSIで、ディーゼルがTDI、ベーシックモデルから「トレンドライン」、「コンフォートライン」、「ハイライン」。そしてスポーティ仕立ての「Rライン」となっています。
竹岡●デビューしてから気が付けばけっこう時間が経っているんだね。スタイリングがシンプルで飽きがこないタイプだから、あまり古いイメージがないのかも。
九島●大きなマイナーチェンジがないこともあって、ちょっと僕的にはノーマークだったかもしれない。内装はちょっと前のクルマって感じだけど、全体的な雰囲気は悪くない。いろいろと改良は受けているんでしょ?
編集部●そうなんです。見た目はほとんど変わらないのですが、装備を中心に細かく仕様変更しているので、ポイントになりそうなところを紹介させていただきます。2017年1月に渋滞時追従システム「トラフィックアシスト」を採用し、「ハイライン」と「Rライン」に標準装備。同年7月には純正ナビを改良し、各グレードの装備を充実させました。
竹岡●いきなりデビューの翌年から改良されてるんだ。
編集部●はい。あと重要なのが2018年10月のディーゼルエンジンモデル「TDI」導入、2019年2月に「トレンドライン」の装備が大幅に充実したこと、2021年4月のパワートレイン改良です。ガソリン車は1.5Lの新世代エンジンになって燃費を低減。ディーゼル車はDSGが7速になりました。九島●そこまで細かい改良だと、あまり市場も理解してないだろうね。
編集部●おっしゃるとおりです。なので中古車相場は、年式と走行距離を反映した価格となっています。初期モデルが150万円くらい、初度登録3年落ち走行3万kmで200万円前半といったところでしょうか。
竹岡●新車価格から考えるとけっこう相場は高めなのかな。
九島●ハッチバックよりも残価率は高めだろうね。それはこうした派生モデル全体にいえる傾向だし、輸入車の3列シートミニバンは希少だから、需要があるんだろうな。
編集部●ではそろそろ、試乗のほうをよろしくお願いいたします。


竹岡「ゴルフの名を付けるだけに完成度の高さが凄い!」
九島「ファミリーだけでなく趣味のベースにもいいね」

ゴルフ トゥーランを九島さんが試乗

DETAIL CHECK

ゴルフ トゥーランの外観

ゴルフの名にふさわしい扱いやすさ国産ミニバンに負けない細かな工夫も

編集部●試乗から戻ってきましたので、お二人から感想を伺います。
竹岡●乗りやすい。ミニバンということを意識しないで運転できる。
九島●うんうん。全幅が1800mm超えているのにそれを感じさせないし、街乗りくらいのスピードだとちょっとした揺れはあるけど、それも速度が上がってくると気にならない。
編集部●集合場所まで首都高を使いましたが、走りやすかったです。
竹岡●だよね。着座位置が高いから背が低い女性でも遠くまで見とおせて、窓の下端が低いから見切りがいい。日本の5ナンバーミニバンと同じような感覚で運転できちゃう。
九島●クルマの動きに一体感がある。
竹岡●そう、ミニバンというよりゴルフを運転している感覚なの。だからゴルフトゥーランなのか(笑)。
九島●なるほど~(笑)。
編集部●室内の広さや使い勝手はいかがでしたか?
九島●さっきの着座姿勢の話が関係するんだけど、人間を高く座らせているから、このボディサイズでも3列シートが成立している。3列目はさすがに子供用かな。
竹岡●私は3列目に座れましたが(笑)。2列目はスライドするし倒せばフラットになってすごく使いやすい。シートの工夫じゃなくて、後ろの席用に照明やドリンクホルダーもちゃんと用意されてて感心したな。
九島●そういうのって昔は日本車の得意分野だったけど、輸入車も研究してきて上手になったね。シートアレンジもワンタッチではないけど、その代わりに剛性や機能性は犠牲になってない。さすが2代目だし、VWらしい真面目な進化だね。

ゴルフ トゥーランのラゲッジルームの広さを体感する竹岡 圭さん

2代目進化のポイントは充実の先進安全装備

ゴルフ トゥーランのインテリア

 2代目トゥーラン進化のポイントが充実の先進安全装備。2016年デビューでありながら、アダプティブクルーズコントロール(ACC)、レーンキープアシスト、衝突被害軽減ブレーキなど充実。2019年の改良でさらに内容が充実した。

3列目までちゃんと使えるアレンジ豊富なシート

ゴルフ トゥーランのシート

 ゴルフトゥーランのハイライトが3列シートを備えた室内空間。全長約4.5mの空間に大人7人が座れる空間が確保されている。2列目シートにはスライドおよび背もたれ角度調整が備わるため、人数や使い方によってアレンジ豊富。

必要十分なパワーのガソリン車とゆとりあるトルクのディーゼル

ゴルフ トゥーランのエンジンルーム

 パワートレインは1.4Lターボ(150馬力)+7速DSG、ディーゼル仕様は2Lディーゼルターボ(150馬力)+6速DSG、2021年4月以降は、ガソリンが1.5Lターボ(150馬力)+7速DSGに進化。ディーゼル仕様は7速DSGとなった。

2列目、3列目シートはフラットに折りたたむことが可能

ゴルフ トゥーランのラゲッジルーム

 ラゲッジ容量は、標準状態で137L、3列目を収納した状態で917L、最大で1857Lにまで展開可能。また、コンフォートラインとハイラインは助手席シートも折りたたむことができる。フラットなフロアがトゥーランの自慢だ。

試乗判定レビュー

ゴルフ トゥーランの走行イメージ

※各項目に対して5点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

  • 箱型でもスライドドアでもない、希少タイプの3列シートのコンパクトミニバンですが、見た目以上に中が広くて、しっかり3列目に座れるのに改めて感動。背が高すぎず、重心高も抑えられているので、走り味を語れるほどの実力を持ちながら、ユーティリティ性能の優れっぷりにも驚かされちゃう。少々存在感が薄いのがもったいない。

  • 往々にして輸入車ってシートアレンジが不器用なものが多いと思うのですが、これはお見事!助手席&2列目&3列目まで、こ~んなにキレイにフラットにたためるクルマってなかなかないですよ。しかも操作も簡単! さらに2列目背もたれにテーブル、3列目にもカップホルダー。これで車中泊したら楽しいだろうなぁ~!夢が広がっちゃいますよね。

  • ゴルフってね、言うまでもなくこのセグメントの王者なわけです。その名前を冠にするくらいですから、悪いわけがない。そしてそれは印象どおりお見事なものでした。特に素早いとかいうクルマではないけれど、荷物を積んで、人も積んで、それでもカッタるさを感じないくらいの走り味は持ってます。なんたってハンドリングがいいから、運転が楽しめます。

竹岡 圭の試乗判定(1件)
平均点 5.0
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 5.0
  • 走り 5.0

九島辰也

  • 僕はもともとミニバンという存在にあまり好感を持っていない。それはあの箱型のデザインが商用車のようだからだ。しかしゴルフトゥーランのスタイリングはゴルフつまりハッチバックに近く、ノーズがあることで無骨な四角にならずに済んでいる。ミニバンはファミリーのためのものという先入観があるが、大人が趣味の秘密基地として使うのもいい。

  • プレミアムブランドのクルマと比べればシンプルではあるが、必要なものはすべて揃っている。ACCが備わるのもこうしたキャラクターのクルマにはうれしい。長距離ドライブではずいぶん疲労に差が出るだろう。なによりこのクルマで最大の装備といえるのがアレンジ豊富な3列シート。ワンタッチとはいかないが操作は軽く、女性でも使いやすいはず。

  • ミニバンということで心配していた重心が高くゆすられるような動きは、低速以外ではほとんど感じることはなかった。ハンドリングは軽く、運転が楽しい。エンジンも余力はないが、1.4Lという排気量から考えれば十分なパワーを提供している。ドイツの試乗会で体験したディーゼルは、力強く中間加速にも不満がなかったのを覚えている。

九島辰也の試乗判定(1件)
平均点 4.7
  • ポジショニング 4.5
  • 装備 5.0
  • 走り 4.5

グーワールド 編集部

  • 輸入車のなかで希少な3列シートミニバンで、手頃な価格と使いやすいボディサイズのため、万人に勧めやすいクルマです。2代目に進化したゴルフトゥーランは、初代の魅力はそのままに、時代が求める先進安全装備を大幅に強化して登場しました。その後の改良で装備や機能が着実にレベルアップしており、どの年代にも買う理由があります。

  • 年式によって細かくアップデートを受けているゴルフトゥーラン。長距離ドライブを頻繁に行うユーザーであれば、2017年1月以降のモデルに搭載されている「トラフィックアシスト」の有無をチェック。いわゆるレベル2自動運転に相当する機能で、0-60km/hの範囲でアクセル・ブレーキに加えてステアリング操作もサポートします。

  • 輸入車を検討しているユーザーの多くは、ミニバンであっても走りには妥協したくないはず。そんな人にこそ試していただきたいのがゴルフトゥーランです。ハンドリングは自然で、ひとりで運転していても楽しいところは、まさにゴルフゆずり。運転支援システムが充実しているため、家族や友人たちを乗せてのドライブでも安心感があります。

グーワールド 編集部の試乗判定(1件)
平均点 5.0
  • ポジショニング 5.0
  • 装備 5.0
  • 走り 5.0

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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