新車試乗レポート[2019.10.28 UP]

レクサスの最新モデルを試乗インプレッション。マイナーチェンジを受けたRX、年次改良を受けたLSとLCはここが変わった

文●九島辰也 写真●内藤敬仁

 1989年にアメリカで誕生したレクサスは今年30周年を迎えた。日本での展開は2005年からなので正直30年をリアルに体感してきたわけではないが、最近の目覚しい進化は侮れない。とくにラグジュアリー2ドアクーペのLC以降に登場したモデルは、クルマ好きも納得のかなりいい仕上がりだ。

この記事の目次

RXがマイナーチェンジを受けて内外装を変更。ヘッドライトに世界初の「ブレードスキャンAHS」を搭載
ブレードスキャンAHSは対向車や歩行者を眩惑することなく視界をさらに明るくする
3列仕様は足元スペースが改良されて居住性アップ
2019年モデルのLSはサスペンションの改良で乗り心地を改善
LCの特別仕様車「PATINA Elegance」はウルトララグジュアリーブランドで流行のグリーンを採用

RXがマイナーチェンジを受けて内外装を変更。ヘッドライトに世界初の「ブレードスキャンAHS」を搭載

 そんな2019年にマイナーチェンジしたRXも出来栄えは上々。キープコンセプトのままあらゆる面でクオリティを上げている。なので、鋭い眼差しのようなヘッドライトとスピンドルグリルの印象は変わらない。RXらしさは不変だ。が、サイドのキャラクターラインは強調され、サイドビューは趣を変える。スタイリッシュながらマッチョさも追加された印象だ。まぁ、この辺は売れているモデルだけに大きく手を入れる必要はない。アメリカでのRX人気は依然として高く、西海岸、東海岸を問わず売れている。  ところが走り出すと印象は変わる。試乗車はRX450h Fスポーツだったが、終始乗り心地の良さが際立った。路面状況に関係なくどんなシチュエーションでもキャビンはフラットに保たれ、振動はダンパーの減衰圧でうまい具合に吸収される。資料によるとそれは連続可変制御の「NAVI AI AVS」が大きく関係していると思われるが、それを知らなくても明らかにこれまでとの違いはわかる。シート座面を伝わる微振動が他メーカーを含めたどのSUVよりも少ないのだ。

ブレードスキャンAHSは対向車や歩行者を眩惑することなく視界をさらに明るくする

 でもって、それを含め駆動系、操作系はすべてシームレス。V6エンジンをサポートするハイブリッドシステムによるモーターのパワー加減やオンオフの切り替えもじつに自然である。EVモードでの走行まで含め、ドライバーはガソリンエンジンを動かしているままの感覚でこのクルマをコントロールできる。この辺はハイブリッドシステムに一日の長があるとはいえ、高級車としての味付けにもなっているようだ。  進化という面ではブレードスキャンAHSに注目したい。AHSはアクティブハイビームシステムのことで、対向車や向かって歩いて来るひとを眩しくしないでハイビームを照らせるというものだ。具体的にはLEDからの光を回転するブレードミラーに照射し、配光を細かく制御する。と言っても言葉で理解するのは難しい。試乗会場にはそのデモンステレーションがあったので理解できたが、残像効果を使うそれはなかなか賢い手法だと思える。この方法だと光を消す部分が少しでいいので夜間の視界はこれまで以上に担保できそうだ。

3列仕様は足元スペースが改良されて居住性アップ

 また、今回はロングホイールベースでサードシートを装着するRX450hLにも手が入っている。サードシートに余裕のスペースを儲けるポジションを設け、足元を広くすることができるようになった。サードシートだからしょうがないという妥協はいらない。個人的に「これはいい!」と思ったのは、セカンドシートを独立式のキャプテンシートにした6名乗車仕様。セカンドシートにアームレスト、サイドにカップホルダー、スライド&リクライニング機構を用いたことで高級ミニバン的な使い方もできる。このニーズは思いのほか高いのではないだろうか。
 というのがマイナーチェンジしたRXのファーストインプレッション。1998年から続くレクサスの看板モデルだけにチカラの入っているのがよくわかる。

レクサス RX 450h Fスポーツ(電気式無段変速)


全長×全幅×全高 4890×1895×1710mm
ホイールベース 2790mm
エンジン V6DOHC
総排気量 3456cc
エンジン最高出力 262ps/6000rpm
エンジン最大トルク 34.2kgm/4600rpm
モーター最高出力 167ps
モーター最大トルク 34.2kgm
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 235/55R20

販売価格 513万円から796万円(全グレード)


2019年モデルのLSはサスペンションの改良で乗り心地を改善

 「チカラの入れ具合」という面ではフラッグシップのLSも変わらない。最新技術はここからいつもスタートする。ということで、年次改良されたLSにも今回試乗した。ご存知だろうか。レクサスはモデルチェンジやマイナーチェンジのほかに“年次改良”を行なっている。ドイツメーカーはかねてから行なっているが、市販後も毎年改良を続けるというものだ。 レクサスはそれを“Always on”というスローガンで掲げた。
 具体的には乗り心地を良くしている。FR車を中心にダンパーの減衰可変領域を広げたり、AVSのセッティングやリヤサスペンションの取り付けを見直している。ランフラットタイヤにも手を入れた。やれることはすべてやる!と言う心意気を感じる。
 で、これが見事に成功。路面状況の悪いアスファルトの上ではわかりやすく体感できる。細かな振動はほとんど感じなく、バネ下で段差の吸収はすべて終わらせている印象だ。フワフワせず、ピシッとした安定感を持たせながらのこのやさしい乗り味はまさに「上質」と言う言葉がよく似合う。これでLSの位置する高級サルーンとしてのポジションはさらに高まった。
 でもって、それと同時にクルマの運動性能も上がっているように思えた。試乗コースにはタイトコーナーが連続する場面が多々あったが、そこでの身のこなしが予想以上にスポーティだったからだ。ドライバーを中心にクルクル向きを変える挙動はクルマ好きにはたまらない。リヤドアが付いていることを忘れるような走りだ。



レクサス LS500h version L(電気式無段変速)


全長×全幅×全高 5235×1900×1450mm
ホイールベース 3125mm
エンジン V6DOHC
総排気量 3456cc
エンジン最高出力 299ps/6600rpm
エンジン最大トルク 36.3kgm/5100rpm
モーター最高出力 180ps
モーター最大トルク 30.6kgm
サスペンション前後 マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 245/50RF19

販売価格 1040万4000円から1711万7000円(全グレード)


LCの特別仕様車「PATINA Elegance」はウルトララグジュアリーブランドで流行のグリーンを採用

 最後に乗ったのはLC。その特別仕様車「PATINA Elegance」だ。メインはインテリアで特別なレザーを使用する。詳細はここでは省くが感触がいいのは確か。かなり手の込んだマテリアルが使用される。そのほかはステアリング、スカッフプレート、ポリッシュ仕上げのアルミホイールなどが装着される。
 そんな中で気に入ったのはボディカラー。妖艶な深い緑色のテレーンカーキマイカメタリックがグッと心に刺さった。じつはこのところベントレーをはじめとするいくつかのウルトララグジュアリーブランドがこの手のグリーンをラインアップしている。偶然なのかそれを鑑みた結果なのかはわからないが、うまくトレンドに乗ったようだ。
 走りは相変わらずのレーシーテイスト。軽快なハンドリングと身のこなしは思わずニヤけてしまうほど。コーナーではふたまわりくらいクルマが小さく感じるから不思議だ。そして醍醐味はコーナー手前でシフトダウンした時に響き渡るブリッピングサウンド。歯切れのいい「ウォン!」という音はいつまででも聴いていたくなる。まだ経験のない方はぜひご体感を。
 と言うのが今日のレクサス。東京モーターショーではインホイールモーターのEVコンセプト、LF-30 Electrifiedを発表したりと電動化に力を入れていることをアピールするが、走りにこだわっているのは確か。その意味ではさらに進化するレクサスの走りに期待したい。

レクサス LC500 パティーナエレガンス(10速AT)


全長×全幅×全高 4770×1920×1345mm
ホイールベース 2870mm
エンジン V8DOHC
総排気量 4968cc
最高出力 477ps/7100rpm
最大トルク 55.1kgm/4800rpm
サスペンション前後 マルチリンク
ブレーキ前後 Vディスク
タイヤ前後 245/40RF21・275/35RF21

販売価格 1326万3000円から1479万1000円(全グレード)


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