新車試乗レポート[2019.10.15 UP]

【試乗レポート・トヨタ 新型カローラ】ニッポンのカローラが大進化! 先進安全装備、コネクティッド標準装備で一歩先をゆくベーシックカーに

トヨタ カローラ(セダン)

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

 初代デビューは1966年で半世紀以上の歴史。累計生産台数は4750万台を超え、“もっとも生産された乗用車”としてギネス記録に認定。年間生産台数は約150万台とスバルの全車種を合計した年間生産台数の1.5倍にもなり、これは単一車種としては世界最多。世界16の拠点で作られ、154以上の国と地域で販売され、こうして記事を書いている間にも計算上は約10秒に1台のペースでお客様のもとへ届けられている。

 こうして数値を並べてみるだけで、カローラがどれだけ偉大なクルマなのかが理解できる。カローラはかつて、33年間にわたって日本で最多販売車種となり「国民車」と表現されたが、今では世界中で愛される「世界のスタンダードカー」といったほうが正しい表現かもしれない。まさに、トヨタの屋台骨を支える車種なのだ。

この記事の目次

新型カローラの室内は国際基準の広々サイズ、外側は日本仕様の扱いやすいサイズを堅持
新型カローラは操縦安定性が大幅に進化。乗り心地もよく高速での安心感も高い
新型カローラの1.8Lハイブリッドは走りも力強く上質でオススメ。一部改良を受けてカローラ スポーツも走りがレベルアップ

関連情報

ボディタイプ:軽自動車 国産車 新車
カローラ ツーリング

 そんなカローラが、先行デビューしていた5ドアハッチバックの「カローラ スポーツ」に続き、セダンとワゴンもフルモデルチェンジし12代目となった。セダンは従来の「アクシオ」というサブネームを廃止し「カローラ」とシンプルな名前に戻り、ワゴンは「フィールダー」から「ツーリング」へ変更となって「カローラ ツーリング」と呼ばれる。じつは、先代の日本におけるワゴン比率は約7割。日本でのカローラはワゴンを中心にまわっている、と聞けば驚く人も多いだろうが時代は変化しているのだ。

新型カローラの室内は国際基準の広々サイズ、外側は日本仕様の扱いやすいサイズを堅持

カローラ セダン

 変化しているといえば、新型カローラはボディがサイズアップして(国内仕様としては)歴代初の3ナンバーサイズとなった。先代に比べて全長はセダンが95mm、ワゴンでは85mm拡大。幅も50mm広がっている。全長4495mm×全幅1745mmという3ナンバー化されたサイズは「カローラとして考えると大きい」と感じるかもしれないが、開発者は「先代プリウスとほぼ同じサイズです。プリウスは多くの人に選んでいただけたので、同程度なら受け入れてもらえると考えての判断です」という。たしかに、そう言われれば納得だ。

 実はこのサイズアップは、ここ2世代にわたって海外向けモデルとは完全別設計としていた日本仕様カローラの作りが、再び世界仕様と統合された影響が大きい。“世界基準のコンパクトサイズ”で作られている海外向けカローラは日本よりも大きいのだ。

 しかし、実車に触れて感じたのは「日本のカローラ」としてのこだわり。ボディの基本設計は海外仕様と同じだが、実はセダンで135mm、ワゴンでは155mmも全長を縮めた日本専用設計。全幅はセダンで35mm、ワゴンでは45mmも狭くしている。“日本のカローラは日本人にとって使いやすいサイズで”という開発チームの意気込みが伝わってくる。最小回転半径も15インチタイヤ装着車同士の比較では先代プラス10cmの5.0mになるものの、17インチタイヤ装着車は逆に先代よりも20cm小さな5.3mに狭めた。駐車場で困らないようにドアミラーを畳んだ状態の全幅は従来プラス5mmに抑え、またドア内張の形状などに凝らした工夫によって同じ駐車場所ならドアを全開にした際の乗降スペース(車体とドアの隙間)は先代と同等に確保。車体が大きくなっても、それを感じにくい使い勝手を実現しているのだ。
 そして実際、日本の道を走ったり駐車場へ止めたりしてみても、車体の大きさが気になることはなかった。
 ただ、海外仕様に比べると、車体を小さくしているぶんだけ後席と荷室は狭くなっている。

新型カローラは操縦安定性が大幅に進化。乗り心地もよく高速での安心感も高い

カローラ セダン(インテリア)

 いっぽうで、新型カローラの日本仕様を運転してみて従来との変化に驚いた部分もあった。それが操縦安定性だ。はっきりいうと日本仕様のカローラはこれまで、操縦安定性にはあまりこだわっていなかった。ユーザーがそれを求めていないと考えていたからだろう。
 しかし新型はガラリと転換。街乗りでは乗り心地もしっかりよく、いっぽう高速道路などで速度を高めていったときの安心感が心強いのだ。ハンドルの手ごたえや旋回時の落ち着いた動きなど、走行安定性が大幅によくなっている。トヨタはいま、ラインナップ全体で走行性能の底上げをはかっている。カローラもその影響をしっかり受けているのだ。運動性能の向上は、運転好きを満足させるだけでなく、緊急回避がしやすくなるから安全性にも効く進化である。

カローラ セダン

カローラ セダン

カローラ セダン

新型カローラの1.8Lハイブリッドは走りも力強く上質でオススメ。一部改良を受けてカローラ スポーツも走りがレベルアップ

カローラ セダン 1.8Lエンジン

 パワートレインはセダンもワゴンも共通で、1.2Lガソリンターボ(なんとトランスミッションはMTのみ!)、1.8Lガソリン自然吸気、そして1.8L自然吸気エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドの3タイプ。今回は1.8Lガソリンと自然吸気に試乗したが、ハイブリッドの滑らかさが印象的だった。モーターアシストが加わる分だけ走りも力強く、予算に余裕があるなら燃費に加えて上質さも動力性能もアップするハイブリッドがおススメだ。

 今回、セダンとワゴンのデビューに合わせて先行発売していた5ドアハッチバックの「カローラ スポーツ」も改良を受けた。2トーンカラー仕様が追加される、オーディオが最新タイプになりスマホ接続を前提としたディスプレイオーディオを標準搭載化、そしてサスペンションの改良など変更点は多くない。しかし、サスペンションにはドライバーの目線をブレさせないことで運転しやすくするというセダンやワゴンと同じ考え方が盛り込まれ、新旧で乗り比べてみるとハンドリングもパワーステアリングのスムーズさも進化していることをしっかり理解できた。そして、18インチタイヤ装着車は、段差を超えた際の衝撃がマイルドになって乗り心地もよくなった。

トヨタ カローラ S(CVT)

全長×全幅×全高 4495×1745×1435mm
ホイールベース 2640mm
トレッド前・後 1510/1520mm
車両重量 1300kg
エンジン 直4DOHC
総排気量 1797cc
最高出力 140ps/6200rpm
最大トルク17.3kgm/3900rpm
サスペンション前/後 ストラット/ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤ前・後 205/55R16



 

カローラ ツーリング

カローラ ツーリング

カローラ ツーリング(インテリア)

カローラ ツーリング

カローラ ツーリング

カローラ ツーリング

カローラ ツーリング 1.8Lハイブリッド

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