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更新日:2019.09.20 / 掲載日:2019.09.17

新型カローラ、カローラツーリングが登場。バージョンアップした「Toyota Safety

新型カローラ

文●工藤貴宏 写真●ユニット・コンパス

 12代目となる新型カローラが発表された。
 メディア向けの発表会において、トヨタ自動車の吉田守孝副社長はまず「カローラ無くして今日のトヨタは存在しえない」とスピーチ。1966年に初代がデビューし53年もの歴史を持つモデルで、累計販売台数は4750万台。そんなカローラは世界150以上の国と地域で販売され、昨今は年間150万台(この数はスバルの全車種を合計した年間販売台数より多く、単一車種としては世界最量販車)という、まさにトヨタの屋台骨を支えるモデルである。

  • カローラ(セダン)

  • カローラ ツーリング(ワゴン)

 新型カローラのボディタイプは従来通りセダンと「カローラ ツーリング」と名付けられたステーションワゴンをラインナップ。さらに、昨年から先行して発売している「カローラ スポーツ」も含めて3タイプのボディを用意している。
 パワートレインはプリウスと同様のハイブリッドシステムと、1.2Lガソリンターボエンジンをすべてのボディに、セダンとツーリングには1.8Lのガソリンエンジンも搭載。価格的には1.8Lエンジンがもっともリーズナブルで193万6000円から、1.2Lターボはマニュアルトランスミッションと組み合わせて240万9000円、そしてハイブリッドは240万3500円となる(価格はセダンで消費税10%込み)。
 シリーズとして3つのボディを選べるのは日本仕様としてはハッチバックの「ランクス」を用意していた2006年以来のこと。そして4WDを用意するのはハイブリッドだけとするなど、ハイブリッドを中心としたバリエーション展開になっているのも新しい時代の訪れを感じさせる。

新しいカローラは「Toyota Safety Sense」と「コネクテッド」がさらに進化

 そんな新型カローラについて、開発をまとめた上田泰史チーフエンジニアは「スタイリング、走り、安全・安心、そしてコネクテッドの4つがポイント」と言う。その4つを中心に、新型カローラの概要をチェックしよう。

 スタイリングは躍動感が大きく高まり、従来よりもずっと若々しい印象だ。実はこのところ日本仕様のカローラは日本向け専用設計や専用デザインがおこなわれていたのだが、新型では3世代ぶりに国外仕様(通称:グローバルカローラ)と基本設計を共用化。その流れもあり、大胆に若返りをはかっている。
 いっぽうで車体サイズは幅も長さもグローバルカローラよりも小ぶりで、従来の日本仕様に対してサイズアップを抑えている。ボディ大型化によって歴代初の3ナンバーサイズとなったことが話題になっているが、最小回転半径は従来同等の5.0mに抑えるなど運転しやすさはしっかりと守られているから安心していい。

 走りに関しては、トヨタ渾身のTNGAプラットフォームを採用し、さらには国外仕様のカローラに比べてもさらに熟成されたサスペンションの味付けなどで「意のままの走り」をより深く具現化。走行中の車体やドライバーの視線のブレの少なさなど、かなり完成度を高めている。またハイブリッド車や1.8Lガソリン車は加速のリニア感(アクセル操作に対する車速の伸び)のドライバーに心地いいと感じさせる味付けにしたという。

 安全・安心としては、予防安全装備をさらに充実。全車に標準装備する先進安全システムの「Toyota Safety Sense」は、従来に対して自転車検知や夜間の歩行者検知機能が加わるなどさらにバージョンアップし、自動ブレーキの精度を高めている。さらにはインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]やリヤクロストラフィックオートブレーキ[パーキングサポートブレーキ(後方接近車両)]を設定するなど、事故を防ぐ装備をさらに充実させた。前者は駐車場などで低速時に壁や車両を検知してブレーキをかけて接触を防ぐ機能、後者は後退で駐車枠から出る際などに後側方から近づく車両を検知し、警告と同時に自動でブレーキを作動させる機能だ。

 そして「コネクテッド」もさらに進化した。トヨタの昨今の新型車には基本的にDCMと呼ばれる車載専用通信端末が組み込まれているが、新型カローラではさらに進化。国内のトヨタブランド車としてはじめてディスプレイオーディオ(ナビ機能のない画面)を全車に標準装備し、そこへユーザーがスマートフォンを接続することでナビとして利用できる仕掛けになっている。そのためトヨタはこのカローラの発売に合わせてLINEと連携させて無料で使える「LINEカーナビ」を用意するなど、新しいチャレンジをしているのが注目だ。
 LINEカーナビはトヨタのナビをベースとしながらも、LINEとの連携や音声操作のしやすさがポイント。オプションとして従来通りの車載ナビも装着できるものの、「もはや高価な車載ナビではなく無料のスマホナビを前提に機能を高めていく」というとてつもなく大きな方向転換をトヨタははかったといっていいだろう。

カローラが長く愛されるクルマであることを目指して

 メディア向けの発表会では、トヨタ自動車の豊田章男社長もVTR出演。「はじめて自分のお金で買った車がカローラだった」と自身とカローラとの結びつきを披露したほか、「なんかいい、ちょっと自慢したくなるクルマになってほしい」と新型カローラへの願いを語った。
 さらには、歴代カローラを乗り継いでいるオーナーへのインタビューの様子も映し出され、とあるオーナーは「愛情を感じさせるもの」と所有してきたカローラを表現。「愛車」という言葉の意味を改めて感じさせるものだった。
 新型カローラも、そんな風に長きにわたって深く愛される1台になって欲しいなと思える発表会だった。

  • カローラ スポーツ

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グーネットマガジン編集部

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