新車試乗レポート
更新日:2019.05.22 / 掲載日:2018.02.15

【試乗レポート】フラッグシップセダンLSの変身ぶりにレクサス変革の本気度を見た!

LS 500

文と写真●ユニット・コンパス

 レクサスが新たなる局面へとその歩みを進めた。新型フラッグシップセダンであるLSに試乗したことで、はっきりとそのことが理解できた。

 新しいLSは、これまでのLSとはっきりと違うクルマに仕上がっている。それは、プラットフォームやエンジンといったメカニズム的な意味でもあり、内外装のデザイン言語や走りの味付けといった感性面においても同様である。
 先だってハイブリッド仕様を中心とした試乗会が行われ、そのレポートでも新生LSの変身ぶりについてお伝えしたが、真打はV型6気筒 3.5Lツインターボエンジンに10速ATを組み合わせるLS500であった。そのなかでも白眉だったのが、もっとも引き締まったセッティングが施されたFスポーツ仕様であった。

 その引き締まった走り、メカニズムの歯切れ良い作動感は、従来のLSに抱いていたイメージからするとかなりの変貌ぶりで、スポーティと言える領域に踏み込んでいる。つづら折りのコーナーでクルマが実際よりも小さく感じられるような感覚は、これまでのLSにはなかったものだ。従来ではふんわりと車体を上下させてやり過ごしていたような段差も、新型は車体を動かすことなく乗り越える。当然、ドライバーには段差を乗り越えた衝撃が伝わる。もちろん、衝撃の角は丸められているし、余韻もすぐに収まるため、足腰のしっかりとしたクルマであるという印象であり、クルマとの一体感も強い。だが、ここまで思い切った味つけにしたことで、従来モデルに比べて「乗り心地が悪い」という声を上げるユーザーもいるだろう。
 だがそんな声もレクサスでは折り込み済みだったようだ。試乗後にエンジニアたちと意見交換をする機会があったが、新しいLSの乗り味が、これからのレクサスが進む道を示すものだという信念のもとに作り込まれていることが確認できたのだ。彼らはそれを「すっきりと奥深い走り」という言葉で表現していた。
 確かに、LCがデビューした折に、LCは新生レクサスの嚆矢であり、今後のレクサスを象徴する存在であるという説明は確かに受けていた。だが、LCはスポーツカーであり、反応がよく引き締まった走りも違和感なく受け止められた。それに対してLSはフラッグシップセダンであり、数多くの既存ユーザーを抱える重要車種である。しかし、レクサスは反発を恐れずにLSを生まれ変わらせる道を選んだ。逆説的に言えば、LSをこれだけ明確なスポーティテイストに仕立て上げたことで、彼らのメッセージはより明確になったのだ。

 この変革が今後歩みを止めることなく進められることで、トヨタとレクサスの差別化はより明確となり、ブランドとしての地位も、より強固なものになっていくだろう。この勇気あるチャレンジを今後も注目して見守りたい。

3列シートを備えるロングボディの450hLが登場

RX 450hL

 この日の試乗会では、新型LSのほか、RX、NXといったSUVモデルも試乗したが、これらのクルマからも、LCやLSで実現させた新しいレクサスのテイストを、フレーバーとして感じることができた。

 RX450hLは、ミドルクラスの高級SUVとして人気のRXに追加されたバリエーションモデル。全長を110mm延長することで3列目のシートとゆとりのラゲッジスペースを両立させたのが特徴だ。

 ホイールベースはそのままに全長を拡大しているRX450hLではあるが、ルックスは良い意味でRXと変わらない印象だった。もちろんそれはポジティブな意味で、グッドルッキングであることが重要なセールスポイントになる高級SUVの世界では、「便利になったから見た目は我慢してね」は通用しないからだ。前から見ても後ろから見ても、すでにマーケットから高評価を得ているRXのプロポーションは保たれていた。 走らせてみると、さすがに200kg近い重量増の影響か、同じパワートレーンを搭載するRX450hと比べてもゆったりとしていて、よく言えば重厚感のある乗り味となっていた。それでもステアリングへの反応もよく、下り坂のコーナリングであっても不安は感じない。ピープルムーバーとして考えれば、このくらいどっしりとしている方が適切だろう。
 LXに憧れつつも、大きさなどで二の足を踏んでいたユーザーにとって、RX450hLは面白い選択肢だ。海外のライバルと比べても、ハイブリッドシステムなどのセリングポイントが光る。

人気モデルNXは走りが熟成され魅力アップ

NX 300h

 抜群のサイズ感とスタイリッシュなエクステリアによって一躍人気モデルとなったNXも、一部改良を受けてブラッシュアップされていた。改良のポイントは、フロントマスクのリフレッシュ、「レクサス セーフティシステム+」の採用、そして10.3インチに拡大されたナビ画面に代表されるインフォテインメント機能の拡充だ。
 
 走行性能にも手が入っている。注目は減衰力の切り替えをシームレスに制御する「NAVI AI-AVS」がさらに進化したこと。サスペンション自体のチューニングにも手が入っているというが、このハイテク機能の恩恵は非常に大きい。とくに効果を実感したのが、SUVが苦手とするハンドルを切り返すようなシチュエーション。車体のふらつきがしっかりと抑えられているため、ドライバーは自信を持って運転できるし、パッセンジャーにとっても安心できる。今回試乗した300hバージョンLにはメーカーオプションとなるが、オススメのアイテムだ。

話題のグランピングにも。陸のクルーザーLXがさらに進化

LX570

 レクサスのSUVにおいてフラッグシップに位置するLXも、2017年夏に一部改良を受けている。これまでは3列8人乗りのみだったラインアップに、2列5人乗り仕様が設定されたのが大きな話題。RXとは逆のパターンではあるが、より大きなラゲッジスペースを求めるユーザーにとっては嬉しいニュースとなっただろう。この日は、トレーラーなどの牽引に対応するためのヒッチメンバーが標準装備されたことをアピールするべく、キャンピングカーも用意されていた。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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