試乗記[2018.01.09 UP]

【試乗レポート】生まれ変わった新型リーフはここが進化した!

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文と写真●ユニット・コンパス

 日産の電気自動車リーフが2017年9月に初めてのフルモデルチェンジを受けた。初代モデルが登場したのが2010年8月(発売は12月から)だったので、7年ぶりの全面改良となる。

 エクステリアが一新され、従来の親しみやすい動物的な顔つきからスタイリッシュな「イケメン顔」になったが、基本的なコンセプトやメカニズムは従来型と同様で、正常進化といった内容。極端な言い方をすれば、バッテリー容量が大きくなって航続距離が増えたことがトピックだ。40kWhというバッテリー容量は初代の24kWh/30kWhから比べて大幅な増加であり、航続距離はJC08モードで400km、より実燃費に近いと言われているEPA(米国基準表示)でも240kmというから、一般的な利用シーンのほとんどをカバーすることになる。
 もちろん、すべての地域のユーザーがどんな状況でもガソリン車と同等に使えるかといえば「No」ではあるが、ライフスタイルにマッチするユーザーであれば、購入する価値はある。その価値とは、モーターならではの爽快な加速、高い静粛性であり、深夜電力や後述する充電定額プランなどを上手に活用すれば経済的でもあるからだ。さらに、電池ということで心配される劣化についても、保証制度を設けて最長で5年または10万kmまで対応するという。

 では、新型ならではの価値はどこにあるのか。もっとも注目したいのが、「日産インテリジェント モビリティ」と名付けられた先進技術群だ。なかでも、アクセルペダルの踏み加減で発進から停止まで速度をコントロールできる「eペダル」は、非常にユニーク。発進時には通常どおりアクセルを踏み込むことで、発進、加速し、速度を落としたいときにはアクセルをゆるめることで、その加減に応じて減速する。最大減速時にはBレンジよりも強めの0.2Gが発揮され、ブレーキペダルを踏んだのと同じように完全停止まで行えるのに加え、停止後は自動的に油圧ブレーキが作動して停止状態が保持される。上り坂、下り坂でも約30%の勾配までは状態がキープされるため、街中のほとんどのシーンがペダルを踏み変えることなく運転できてしまう。
 実際に公道で試してみると、最初は従来のエンジンブレーキよりも強めの減速感にとまどったものの、ペダル操作の回数は大幅に減ることは確認できた。上り坂でブレーキから足を離してもクルマがずり下がらないのは、運転が苦手なドライバーには嬉しいだろう。ただ、減速時には身体が前傾になるにも関わらず逆に足を浮かせる方向に操作すること、高速巡航時にもアクセルを踏み続ける必要があるため、手動で機能をオフにしなければならないなど、人によっては合う合わないがある機能だとは言える。

7年間にわたる電気自動車販売の経験を生かした施策

 一方で、セレナで大いに話題をさらった高速道路での同一車線自動運転技術「プロパイロット」はさらに制御が洗練されていて実用性が高まっているし、新たに採用された駐車操作を支援する「プロパイロット パーキング」は多くのユーザーにとって嬉しい機能だろう。「プロパイロット パーキング」では、通常のバックから入る駐車だけでなく、縦列駐車や、充電設備にフロントを向けるのに便利な前向き駐車にも対応しているのが親切だ。ほかにも、衝突回避支援や高機能クルーズコントロールなどの機能は、各メカニズムが高度に電動化されたクルマだからこそ導入できるものであり、新型リーフの先進性を裏付けるものと言えるだろう。

 先代モデルから長く電気自動車を販売している日産ならではの取り組みとして紹介したいのが、電気自動車のある生活をサポートしてくれる支援プログラムの存在だ。
 「日産ゼロ・エミッション サポート プログラム2(ZESP2)」と名付けられたそれは、「充電サービス」、オペレーターサービス付きの「ITサポート」、遠出のときなどに便利な「日産レンタカー割引」、そして24時間・365日対応の「エマージェンシーサポート」といった4つのサポートから構成される。
 充電サービスは、日産販売店や高速道路、コンビニ、商業施設等の急速充電器が月額2000円で無料となる「使いホーダイプラン」と月1000円で使うたびに15円/分を支払う「つど課金プラン」の2種類が用意されており、たとえ自宅に充電設備がなくてもリーフを気軽に所有することが可能となっている。充電のために設備を探したり、充電を待つ時間は必要だが、いわゆる燃料代が2000円で済むとなれば、経済的なメリットは大きい。

クルマとしての魅力がさらにパワーアップした新型

 そのほか運転して感じられた進化としては、走りがよりなめらかになり静粛性が高まったことの効果が大きい。インテリアデザインにも上質感があり、身内で同じようにモーターで走るノートeパワーと比べても格上といった印象だ。試乗当日は真冬日でメーターの外気温度は-4℃を示していたが、ステアリングヒーターとシートヒーターのおかげでエアコンを切ったままでも快適だった。その際に車載コンピューターがはじき出した航続可能距離は275km、真冬でこれだけ走ってくれれば上出来だろう。ほかにも、タッチ操作対応のEV専用ナビゲーションシステムがApple CarPlayに対応するなど、最新モデルらしい利便性の向上が確認できた。

 2017年12月下旬の時点で1万2000台の受注を達成したという新型リーフ。先代モデルからの乗り換えが多いとのことだが、ライフスタイルにEVがハマるユーザーにとっては、まさに「待ってました!」の新型登場だということなのだろう。なにかと注目が集まる電気自動車ではあるが、実際に購入できるプロダクトはまだまだ少ない。そんな状況で登場した新型リーフは、既存ユーザーの声を着実に拾いながらも「eペダル」など新たな提案も織り込んできた意欲作として、これからも市場をリードする存在になりそうだ。

日産 リーフ G

全長×全幅×全高  4480×1790×1540mm
ホイールベース  2700mm
トレッド前/後  1530/1545mm
車両重量  1520kg
モーター最高出力  150ps/3283-9795rpm
モーター最大トルク  32.6kgm/0-3283rpm
サスペンション前/後  ストラット/トーションビーム
ブレーキ前後  Vディスク
タイヤ前後  215/50R17

販売価格  315万360円〜399万600円(全グレード)

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