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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.04

インスパイアはもはやホンダのフラッグシップの期待!!

フラッグシップとしての存在感充分

東京・天王洲アイル 逗子マリーナ往復114.9km走行で7.9km/L! 東京・天王州から首都高速横羽線に乗り、神奈川県逗子市の逗子マリーナまで高速道路80%、下道20%の往復114.9kmを普通に走行して平均燃費は7.9km/L。ほかの試乗車の燃費計を調べてみると8.2km/L~8.4km/L

東京・天王洲アイル 逗子マリーナ往復114.9km走行で7.9km/L! 東京・天王州から首都高速横羽線に乗り、神奈川県逗子市の逗子マリーナまで高速道路80%、下道20%の往復114.9kmを普通に走行して平均燃費は7.9km/L。ほかの試乗車の燃費計を調べてみると8.2km/L~8.4km/L

【本記事は2008年2月にベストカーに掲載された記事となります。】ホンダにとって国内のセダン市場は鬼門といっても過言ではない。シビック、アコード、インスパイア、レジェンドを全部合わせても、昨年の月販平均台数では1100台あまり。フラッグシップたるレジェンドは’07年12月が73台、’07年の平均月販台数は108台。北米ではアコードが年間約39万台売れてるというのに、ホンダの国内営業担当者は頭を抱えてるんじゃないかと思う。だから、今回のインスパイアのモデルチェンジは「よくぞ日本市場に踏みとどまった」というのが率直な感想。先代同様、今度のインスパイアも北米仕様アコードを日本向けにモデファイしたもの。今度のインスパイアも月販目標は500台と控え目だがフラッグシップたるレジェンドが’07年の平均月販台数は108台と販売低迷しているだけに、実質このインスパイアがフラッグシップといってもいいだろう。しかも地味だった旧型より格段にカッコよくなった。外観の質感も欧州車に匹敵するほどだ。全長4940mm、全幅1845mmの堂々たるサイズに、280psを発揮する3.5LV6を搭載。フラッグシップとしての存在感充分。

気筒休止システムはどうか?

3.5 V6i-VTEC 280ps/6200rpm 34.9kgm/5000rpm 10・15モード燃費=9.8km/L ※3.5L V6のIS350は318ps /38.7kgmで燃費は10.0km/L

3.5 V6i-VTEC 280ps/6200rpm 34.9kgm/5000rpm 10・15モード燃費=9.8km/L ※3.5L V6のIS350は318ps /38.7kgmで燃費は10.0km/L

技術的な注目ポイントでは環境と安全性を前面に打ち出し、速さやスポーティな操縦性などは脇役にとどめている。例えば、エンジン技術のハイライトでいえば、気筒休止メカニズムが従来型に緩加速時用の4気筒モードを加えて6/4/3気筒の3段切り換えになったこと。これによって、高速道路を普通に流れに乗って走るようなシチュエーションで、これまでより気筒休止モードの利用頻度がアップ。3→3.5Lへの排気量アップで10・15モード燃費は11.6→9.8km/Lに低下したが、平均的な郊外ドライブモードではほぼ従来どおりの実用燃費を達成しているという。しかも280psオーバー車唯一のレギュラーガソリン仕様なのもこのガソリン高騰時代には嬉しい。

ゆっくり走れば走るほど燃費はよくなるだろう

発進加速時には6気筒、高い速度域での緩やかな加速時は4気筒、クルーズ時に3気筒へと切り替わる。いまどの気筒で動いているのかは体感できないほどスムーズだった

発進加速時には6気筒、高い速度域での緩やかな加速時は4気筒、クルーズ時に3気筒へと切り替わる。いまどの気筒で動いているのかは体感できないほどスムーズだった

今回の試乗は都内から三浦半島にある逗子マリーナ往復の114.9kmのドライブだったが、各試乗車の平均燃費データは8.2~8.4km/Lあたり。車重1.6tの3.5Lサルーンとしてはまぁまぁの成績。気筒休止は従来同様にまったくショックや振動がないのはさすがで、おとなしく高速道路でクルージングしていると瞬間燃費計は普通に15km/Lくらいを表示し続ける。こんな走りがこのエンジンの肝。燃費を上げるコツだ。10・15モード燃費は9.8km/LとレクサスIS350の10.0km/Lより0.2km/L悪いが、実用燃費ではインスパイアのほうが燃費はいいはず。ゆっくり走れば走るほど燃費はよくなるだろう。いっぽう、エンジンフィールがスムーズで静粛なことは文句なしなのだが、パフォーマンスの面ではちょっと平凡。もちろん、280ps/34.9kgmは絶対的には充分以上のパワーで日常的な走りでは余裕たっぷりなのだが、静止からの全開ダッシュや約6500rpmの自動シフトリミットまで引っ張ったトップエンドの加速感などは3.5Lとしてはやや迫力に欠ける。

インテリアの出来は?

ヘアラインをモチーフにした金属感のあるミドルパッドや無垢材のような立体的な造形の木目調パネルが採用され、高級感に溢れている。照明色はメーターは常時発光の白色LED、エアコンはアクアグリーン、オーディオはホワイト。本革シートは運転席&助手席シートヒーター付きで15万7500円のメーカーオプション

ヘアラインをモチーフにした金属感のあるミドルパッドや無垢材のような立体的な造形の木目調パネルが採用され、高級感に溢れている。照明色はメーターは常時発光の白色LED、エアコンはアクアグリーン、オーディオはホワイト。本革シートは運転席&助手席シートヒーター付きで15万7500円のメーカーオプション

そのいっぽう、インテリアの広々感はこのクラスでも指折りだし、乗り心地のシックで重厚なことや静粛性のレベルも上々、高級サルーンとしてのマナーはきわめて優秀だ。ホイールベースを60mm延長しサスペンションまわりを一新したプラットフォームは、前席左右ディスタンスで+40mm、後席レッグスペースでは+35mmの拡大。実際に乗ってみても、ゆったりとした居住空間に大いに満足できる。走りっぷりでも、前後ともロールセンターを高めに設定したサスペンションは、そのぶんややソフトセッティングな印象で、突き上げの少ないソフトな乗り心地が実に快適だ。また、サスに対して操舵レスポンスは相対的にややクィックな味つけだが、ロールモーメントが小さいゆえの効果か足がソフトなわりにはボディの動きが機敏。ガンガン攻めなければハンドリング感覚もスポーティで悪くない。このクルマから新設されたこのプラットフォームは、剛性感のあるボディとしなやかな足まわりのコンビネーションでクォリティの高い乗りを提供してくれていて好印象を持った。

したたかなホンダの戦略

このインスパイア、標準仕様の35TLで330万円、HDDナビや衝突軽減ブレーキなどの先進安全装備を加えた35iLで390万円という価格設定だが、これはトヨタでいえばマークXとクラウンの中間、日産ではスカイライン350GTがちょうど同じ価格帯だ。ここでのインスパイアの武器は燃費効率の高い気筒休止3.5Lエンジンと広い室内、快適な乗り心地といったところだが、そう考えると最大の仮想ライバルはスカイラインよりもマークXだろう。激戦の高級サルーン市場だけど、マークXのお客を1割取ろうというホンダの戦略は、けっこうしたたかなものといえるかもしれない。可変シリンダーの採用など申し分のない環境&燃費性能、追突軽減ブレーキ+E-プリテンショナーにVSAなど安全性能、そしてゆったりと快適なインテリアを提供するインスパイアこそ、ホンダの考える新時代の高級セダンの価値観を体現するフラッグシップといっていい。インスパイアに乗ってみると、正統派アッパーミドルサルーンのよさをきっと再認識すると思いますよ。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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