スマートキー　インテリジェントリモコン　キーホルダ取付穴・損傷　｜車検・点検・修理のグーネットピット

スズキパレット・SWで車検整備ご入庫のS様より、
追加整備の御用命以外に、「ガギを新しくして下さい」とご依頼がありました。

カギの状態を確認すると、キーホルダ等を取り付けられる穴部分が割れていました。

スズキ車の場合、エマージェンシーキー
（緊急・開錠用のキー、この後板キーとします）の頭の部分が、
キーホルダ等に丁度良い輪ッカ状になっています。

S様のインテリジェントリモコンに対する認識が、
「板キーが本体の中に無いとエンジンを始動する事ができない」、
「これ以上壊れるとマズイ」と考えられた模様で、
板キーに接着剤を塗布して本体に差し込んだとの事。

確かに抜けません。接着してしまう焦る気持ちは良くわかります。

補足ですが、スズキ車のプッシュスタート用スマートキーに付いている板キーの役割は、
バッテリ上がり等でドアが開かずボンネットも開けられない場合に、
強制的（従来と同じ）にドアキーシリンダを回してカギを開ける為のものです。
イモビライザ（盗難防止装置）は本体に内蔵の為、
板キーがまったく無い状態でもドアの開錠・施錠、エンジンの始動が出来ます。

値段を調べてみました。

本体￥８,４５０／税別、板キー￥２,１００／税別の部品代と、
メーカーディーラーにて登録が必要（￥３,０００／税別）になり、
合計￥１３,５５０／税別と結構いい金額になります。

Ｓ様に、ダメ元をご了解頂き、分解してみます。

本体を割り、ピックとドライバーでコジる事５分。
見事に外れました。ダメ元といってもキズだらけはマズイですから、
かなり慎重に時間をとってしまいましたが、
キレイに外す事が出来たので心の中でガッツポーズです

板キーを良く見ると、金属部分とプラスチックの輪ッカ部分がネジで止まっています。

部品はキー部分とセットが最小単位ですが頭の部分が外れればＳ様にとって一番良いはずです。

板キーのみ注文して、そこだけ交換でどうでしょう？」とＳ様にご連絡しご了解頂き早速キーの注文。

翌日、部品入荷後に取替。ネジロックを使用して、ガッチリ取付を行いました。
キーホルダは、キー紛失に関わる重要なパーツと私は捉えています。

キー溝が切られて無い（生キー）のは、キーカットを依頼した場合は納期が１週間～１０日かかる事。
Ｓ様の車検整備上がりが本日夕方引渡し予定である事。
Ｓ様の自宅と当社の距離が片道１５㎞以上あり、
行ったり来たりのガソリン代とＳ様の時間と手間を取らせる事。
板キー自体ホームセンター等でカット可能な形状である事。
の全ての条件を考えてこの状態で部品供給をしてもらいました。
本体に板キー取付け。バッチリＯＫです。事前にリモコン内の電池は取替済みです。

当社の車検コース「ていねい車検」では、リモコンキー内部の電池交換
（対応不可の場合も有ります）は付帯項目となっております。

本体へのキズが殆ど増えずに一番安価にできた事と、自分も勉強になりました。

Ｓ様には喜んで頂き、なによりです。

Ｓ様の新車ご購入は他店ですが、便利機能に関しての
納車時説明は大事であるとつくづく感じます。
緊急時に対処ができないとお客様が困る事ですから。

最近、スマートキーの電池残量不足で、警告がなったり、
インキーで鍵がしまったり、と不具合が出始めております。
板キーの存在すら知らないお客様がいて「そこ取れるの？」
とビックリされる方もいます。

自動車の販売・整備に関わる人には常識かもしれませんが
、一般のお客様にはまだまだ浸透が薄いと思うので、
そういった対応に注意する必要があると感じました。