- 吸排気系修理・整備
2015年09月10日 11:37エンジンルーム 異音 ウォーターポンプ 冷却水クーラント漏れでファンベルト鳴き
点検でお預かりしたAN様の車両(トヨタ・ヴィッツ)で、受入れ点検の際や、
車を移動する際に気になる音がエンジンルームより発生していました。
いわゆる「ベルト鳴き」で、ファンベルトのゴム質が劣化硬化した場合や、
ベルトが磨耗して張りが無くなった際のスリップが発生する音の感じです。
たまたま当店だけかもしれませんが
ここ数年、ウォーターポンプの不具合でベルト鳴きが起きている場合が多いです。
ベルト鳴きの原因は、漏れ出た冷却水が
ファンベルトに付着してスリップが発生している内容です。
AN様のお車は、何が原因で「キュルキュル」ウルサイのか判断して、
お客様にご連絡する必要があります。
早速点検を行っていきます。車両をリフトアップしてタイヤを取り外します。
ボンネットを開けて、エンジンルームの上側からです。角度が良くないので、
ウォーターポンプとファンベルトの状態点検は確実に行えません。
ファンベルト自体の張り(テンション)は悪くないと判断します。下側がら点検する為、
そのまま車両をリフトアップしても、アンダーカバーが邪魔になりエンジンのフロント側
(ファンベルトや補機の取付部分)が見えません。
アンダーカバーを取り外します。エンジンのフロント側が見易くなりました。
ファンベルトの劣化具合ですが、ゴム質劣化での亀裂は無く、
まだ柔らかい感じも受けるので、ベルト鳴きの原因では無い模様です。
ウォーターポンプは?といいますと、「クーラントが滲み出た」跡があります。
これが原因と思われます。
メーカーにより使用しているクーラントの色に違いがあります。
トヨタ車は一般的に赤系の色を使っており、ウォーターポンプ・プーリー周辺の
ピンクの結晶が漏れ出たクーラントの水分が蒸発した跡です。
補足ですが、ウォーターポンプの機能が正常な場合でも、
回転している部分の冷却系統と外側(大気中)を区切るメカニカル
シールを潤滑する為に、外側に若干の結晶ができる場合がります。
が、これはベルトをスリップさせてしまう程に影響している不具合であると判断します。
AN様に、状態は悪くなる方向にしか進まない事、走行距離は5万㌔弱ですが
年式によりメーカー保障は対象外で実費になる旨をご了解いただきました。
ウォーターポンプの取替とクーラントの取替を実施します。
ファンベルトについては同時に取替する事がベストですが、
今回の鳴きはクーラントの付着が原因である事を証明したい事もあり、
水洗いして再使用してみます。
取り外したウォーターポンプです。ベアリングにもガタが出始めていました
あくまで個人的な見解ですが、
このトヨタ小型車クラスで多く採用されているウォーターポンプの土台となる
ハウジングが、プレスで鉄板を加工した物になっており、
ベアリングを保持する為の土台としては頼りない気がします。
整備不良で「ファンベルトの張り過ぎ」など無い状態でも、
走行10万㌔経過までウォーターポンプ・ベアリングや、
メカニカルシールの機能が持たない事例に多く出くわしており、
10万㌔走行前に損傷しても「それはしょうがないです。」
とお客様に伝える機会が多くなった気がします。
AN様も「年数はたってるけど、距離は乗ってないんだけどね~。
乗り方悪いのか?」とおっしゃり、「AN様は悪くないです」とお伝えしている状況でした。
新品のウォーターポンプを取付します。今回採用したのは社外品です。
土台の構造が、従来のアルミ鋳物であり、ベアリングを保持する
肉厚が厚いので純正よりも丈夫?ではないかと勝手に予想しています。
メーカー純正で、対策済み品番変更となる部品(改良バージョンアップ)も
多数ありますが、転がる部品のベアリングなどでも、
メーカー純正の場合は片側オイルシールで、
社外品の場合は両側オイルシールになり信頼性が高かったりする場合もあり、
一概に純正だけが一番で無い場合もあると思います。
ベルトに張力をかけて組み付け完了です。
冷却システムにクーラントを注入してエア抜き作業を行います。
クーラントチェンジャーなる機械で、内部の真空引きと
冷却水の充填を行う事もできますが、内部のエアが抜けずらくは無いのと、
冷却システムを真空にした場合にホースが潰れてハーネス類を
止めているクランプ類が外れる不具合を避ける為に今回はこの方法で実施します。
試運転後、ヒーターの効き具合、エンジンが冷えてからの
冷却水サブタンクとラジエターキャップを開けての液量チェックを行いエアの抜けを確認。
整備完了となります。
お引渡し後2週間ほど経過して、AN様にその後の異音は無いと回答頂きましたので、
取替を見送ったファンベルトは当分の間大丈夫でしょう。
最新技術・イコール・丈夫なのではなく、メンテナンスや点検などが
従来の車よりも必要なのではないかと思います。
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今回は車検をお願いしました。車検整備の試運転中に足周りから異音がするとの連絡があり、原因としてはショックアブソーバーのナットが緩んでおり、その隙間から金属音がしているとの事でした。しかも、ナット部から錆が発生しており進行すれば最悪の場合ショックアブソーバーの切断及び交換が必要になる可能性がありました。今回は潤滑剤を塗布して頂きナットを締め上げて作業出来たとの事で一安心。随時作業内容を画像付きで詳しく説明して頂いたので非常に分かり易かったです。個人的な意見ですが、自動車整備士はドクターだと思っています。こちらの工場さんは名医揃いですね。自分の命を預けて乗っている自動車ですから安心して運転したいですからね。次回も何かあれば宜しくお願いします。
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車検と併せてスロットルボディの洗浄とFrスタビライザーブッシュの交換をお願いしました。いつもながら親切丁寧に対応して頂き、作業も文句なし!お値段以上ですね。費用も予想より安く済みました(^_^)v
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今回は、ハイエース社外品テールランプの配線が外れてしまい、持ち込みで対応してもらいました。他の業者では対応できず断られてしまい、カーコンサルエコーさんではこころよく受け入れてくれました。対応も丁寧かつ迅速で2日間での完成で驚きです。他にも、細かい汚れの清掃や、電装系の説明を丁寧に教えていただき、非常にありがたく感じました。また何かあるときは、お願いしたいです。
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