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2018年07月15日 18:53エアコンガス補充後 コンプレッサーマグネットクラッチ 短絡故障
エアコンガスを補充した後、コンプレッサーが故障しました。
当初は、
「エアコンが全く効かない」とご相談です。
お車は全くといっていい程クーラーガスが入っていない状況で、漏れが
大きい可能性があります。
選択肢として
①とりあえず、真空引きと充填を行う。
②漏れ防止剤(蛍光剤入り)の注入を追加する。
③漏れ箇所の点検(リークチェック)と修理
をご提案しました。
2年前にガスを補充した記憶があるそうで、1シーズン持てばとのご用命
でとりあえず①で行う事になりました。
引き渡しの際はエアコンも冷えて正常だといえましたが、半日も経過して
いない間に全く冷えなくなって、変な音もエンジンルームから聞こえる様
になったとの事で、お預かりいたしました。
異音はエアコンコンプレッサー本体からです。
室内のエアコンスイッチは点灯してるのですが、全く作動しません。
どちらにしてもコンプレッサが故障している模様なのでフロントバンパー
を取り外します。
診断機(Gスキャン)を繋いで、ACシステムの作動命令を確認すると、
「エアコン動け」とECUは言っています。
が、
コンプレッサーのマグネットクラッチに作動電圧は無く、リレーも単体
では問題ありませんでした。
マグネットクラッチ部のベアリング状態を確認したいので
リブベルトを取り外します。
テンショナーを緩めて行います。
コンプレッサー先端がフリーになった所で、ガタ付を確認すると
プーリーのベアリング自体が損傷しています。
エアコンガスの圧力が上がった(正常に)為、ベルトで回される負担に
ベアリングが耐えられなかった模様。
ガタ付で内部の電磁石が短絡(ショート)した為にエアコンシステムが
止まったと予想されます。
ここで怖いのが、ハーネスにダメージが出る事です。
ショートすると熱を持ち、配線の被覆が溶けたり焦げたりした場合は修復
する手間が倍々です。
配線図を確認し、各ヒューズを点検すると、室内側で切れていました。
というより、切れてくれててありがとうです。
それがヒューズ本来の役割ですから。
修理は、ご予算の関係で、中古(程度重視)のコンプレッサと
レシーバータンクを交換です。
レシーバータンク(リキッドタンク)とは、ガスシステム内部の湿気と
ゴミを受け止める役割をします。
コンプレッサ損傷で内部に出た金属カスがある場合、エキスパンションバルブ
を詰まらせて効かなくなったりする可能性が出てしまいますから。
ガス回収 → コンプレッサ交換、リキタン交換 → 内部真空引き
→ ガス充填
で作業を進めます。
組付けオイルは忘れずに
ベルトを取付ける前にひと手間。
中古コンプレッサのプーリーに腐食が見られます。
ベルトを削る可能性があるので、手作業ですがワイヤーブラシで清掃。
余談ですが、
どうしても湿気でそうなります。
長期間エンジンを始動しないお車もベルトが接触してない箇所は腐食
しますのでベルトにやさしく無いですよ。
残るは、ベルトを取付け、真空引き、充填です。
ここで思い出したことが。
「当初のご相談時に、ガス漏れが大きい可能性がある」です。
ガス検知器は、一旦ガスを補充しないと反応がしません。
フロントバンパーを取り外して見える箇所に板金修理の跡がありました。
(当店ではありません)
コンデンサー自体にダメージ(漏れ穴)があったり、コンデンサーを脱着
している可能性もあるのでフロントバンパーを取付けると点検しずらい箇所
に検知器を沿わせます。
すると、コンデンサ下側のパイプ繋ぎ目に漏れ反応です。
泡のリークチェッカを付着させると、ポコポコ泡の漏れでした。
これでは、1シーズンも持ちません。
再度ガス回収を行います。
つなぎ目のゴム製Oリングに不具合があるとみてパイプを
取り外してみると、Oリングが噛み込んで切れています。
新品に替えます。
このお車のエアコンガス漏れが完全に止まるとは言い切れませんが、
大きな漏れ部の修理はできました。
真空引き、充填を行い、漏れが修理できた事を確認し作業は完了。
冒頭の画像は、マグネットクラッチ先端を取り外した所です。
ベアリングが損傷し、クラッチの隙間がなくなっていたので
焼き付いたのか見てみた内容です。
その他、
お客様に状況をご理解頂けてありがとうございました。
ガス補充したから壊れたのは確かですが、それだけコンプレッサが
内部で冷媒を圧縮するに必要な力の大きさを思い知りました。
確かに軽自動車ならスピードが出なくなる程のパワーロスですよね。
対象車両情報
メーカー・ブランド | スバル | 車種 | ステラ |
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