ダッジ　チャージャー　エンジン交換｜車検・点検・修理のグーネットピット

今回はエンジンが冠水してしまい不動になってしまってので保険にて修理です。
まずはエンジンが問題なく作動するのか？ここからの診断になります。

エンジンオイル、ATFを排出したところエンジンからは5リッター近くの水が出てきました。ATFの方に水分の混入はなさそうです。（ミッションのベンチレーションホース以外の浸入経路がないためか？）

次はインテークマニホールドを外してスパークプラグの状態を点検です。

中心電極と外側電極の間に水が付着してしまっています。

インテークポートからバルブの状態も点検します。

かなり錆が発生してしまっています。
今回、車両が冠水してから入庫まで1ヶ月ほど経過していたこともあって錆が進行してものと思われます。

この状態でクランクを回してみるが30°ずつぐらいしか回りませんでした。
正転、逆転を繰り返して少しずつ回るようになったところでエンジンオイル、ATFを注入。
スパークプラグ、イグニッションコイルを全数交換してクランキングを試みます。


しかし、スターターが反応しません。
取り外して単体点検しますがピニオンが飛び出るだけで、回転しませんでした。


新品のスターターを取り寄せて交換し、再度クランキングしてみます。
5~6回クランキングしたところ、無事エンジン始動しました。
特に異音などなく、暫く暖機させて様子を見ます。


ぬか喜びも束の間、エンジンチェックランプの点灯です。
DTCを点検してみると2番シリンダーのミスファイア（失火している）が登録されていました。
スパークプラグとイグニッションコイルは新品ですが、念のため入替えテストをしてみますが変わらず。
2番のスパークプラグがかぶり気味なので祈りを込めてインジェクターを交換してみます。

ここでも変化なし。
この状況が表しているのは、エンジン内部に不具合が発生しているということです。
簡易的に点検する方法として圧縮圧力の測定があります。

こちらが正常なシリンダーの圧力。
1200kPaぐらいです。

異常のある2番シリンダーはというと…
800kPaくらいしかありません…

ここで初めてお客様にエンジン交換での対応のご相談です。

このまま診断を進めてシリンダーヘッドを分解してバルブの曲がりや当たりを点検したり、ピストンリング、シリンダー内壁の状態を点検すれば最小部品の交換で直せる可能性はありますが、そこにかかる費用や時間、冠水したエンジンであるという不安を考えるとエンジンASSYでの交換の方がすべての面において得策なのです。

今回、エンジン本体は本国に問い合わせましたがバックオーダーということでしたので、中古のエンジンでの対応になりました。

こちらが届いたエンジン。

交換に際して、必要なガスケットやシール類をそろえていざ交換開始です。


まずはボディの養生から。
フェンダーカバーだと意外と擦り傷などつきやすいので、ラッピングタイプのフィルムで養生します。

まずはエンジンオイル、冷却水、エアコンガスを排出します。
その間に取り付け状態や配管、配線の取り回しを写真に残しておきます。

ここまで出来たら作業開始です。
バシバシ部品を外していきます。

今回はキャリアごとエンジンを下に降ろすのでエギゾースト、ミッション、補器類、配管、ホースを外すほかにブレーキキャリパーやストラットのアッパーマウント側やウィッシュボーンのジョイント部も外しておきます。


そして…

無事摘出完了です。


この後中古のエンジンと照らし合わせて、エンジンハーネスを移植したり、漏れのあった個所のガスケット交換をしました。

そしてエンジンをキャリアに載せ替えたら…

あとはひたすらもとに戻していきます。

作業は慎重にやって丸2日半でした。
こうやってみるとあっという間ですが、そこそこ時間掛かっています。

最後にエンジンオイル、冷却水、エアコンガスを規定量入れて難なくエンジン始動しました。
エンジンチェックランプも点かず良好です。

今回この他にも水没している可能性のあった補器類や電装品も出来る限り交換させて頂いています。


弊社では天災による故障や事故による破損などの保険修理も承っております。
アメ車、欧州車関係なく、ご用命あればオンリーワン株式会社に是非ご相談ください。

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