シトロエン　DS3パフォーマンス　車検・納車整備　フロントブレーキパッド交換｜車検・点検・修理のグーネットピット

今回は平成28年式　A5X5G04型　シトロエン DS3のご入庫になります。
DS3と言えば、熱心なモータースポーツファンの方であればWRCでの活躍を思い浮かべることでしょう。
WRカーの開発コストが高騰し新規エントラントの参入が困難になったことを受け、コストダウンを図るためにスーパー2000規定をベースとし幾つかのハイテクデバイスを禁止した新たなWRカー規定が発案され、2011年に施行されました。その新生WRカー規定に合わせ開発され、C4 WRCからバトンタッチする形で施行初年度にデビューしたのがDS3 WRCです。
DS3 WRCは史上最強のラリードライバーとの呼び声も高いセバスチャン・ローブのドライブによって、投入初年度から大活躍。2011年にドライバーズ/マニファクチャラーズのWタイトルを獲得、翌2012年にもローブにドライバーズタイトルを齎し、彼の前人未到の9連覇を支えました。

今回納車整備をするDS3パフォーマンスは、そんなWRカーの息吹が宿ったようなスポーツバージョンです。
搭載される1.6L直4ターボエンジンは208馬力のパワーと30.6kg/3000rpmの分厚いトルクを発生し、トランスミッションにはその力を路面に確実に伝え切るためのトルセンLSDが組み込まれ、そしてフロントホイールの中には自らの車速を確実に殺し切るための強力なブレンボ製4ポッド対向ブレーキキャリパーが与えられています。
インテリアにはスポーツシートも奢られ、ドライバーをその気にさせる雰囲気も充分。随所に踊るDSパフォーマンスの文字も誇らしげで、所有欲を満たしてくれることでしょう。
この刺激的なホットハッチは日本への正規導入がたったの40台という非常に希少なモデルですが、その中でもこのブラックスペシャルは10台しか販売されなかった更に希少な限定車となっております。

さて、今回はフロントブレーキパッドを交換していきます。
一般的な乗用車のブレーキキャリパーは片押しや浮動式等と呼ばれる内側のみにピストンがあるタイプのものが多いですが、こちらはスポーツモデルに多く採用される対向式ブレーキキャリパーで、キャリパー本体が摺動することなく内外両側に付いたピストンの力でブレーキパッドをローターに押し付けます。

このタイプのブレーキキャリパーの場合パッド交換でキャリパー本体を外す必要はなく、スライドピン二本を引き抜いてピストンを少し戻してやればすんなりパッドが外れます。

摩耗したパッドと新品の比較写真です。欧州車はパッドの減りが早いので、残量に常に気を配り早めの交換を心掛けましょう。

新品パッドの取付け前にキャリパーをエアブローで清掃、スライドピンもワイヤーブラシで清掃します。
スライドピンはキチンと奥まで叩き込みましょう。

今回はオイル交換も実施したのですが、このお車のオイルエレメントはかなり見つけ辛い位置に付いており、交換にはインテイク周りの部品を少しバラす必要があります。
バラした状態の写真は撮り損ねてしまいましたが、写真一枚目の矢印が指しているダクトの下辺りで、写真二枚目の矢印が指しているうっすら見える六角がエレメントケースの頭です。
バラした際の写真は、次に同型エンジン搭載車が入って来た時にでも改めて上げようと思います。

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