Ｍ様ＣＺ４Ａランエボ１０、クラッチをＯＲＣツインへ交換です。｜車検・点検・修理のグーネットピット

ランエボ８の頃から
お世話になっていますＭ様ですが
現在はエボ１０の５速ＭＴにお乗りです。

そろそろクラッチが寿命って事で
交換のご依頼を頂きました。

クラッチ交換の時は
使い方や仕様、
その人の好みや予算によって
いろいろな選択肢があります。

必ずしも社外品が上って訳でもなければ
絶対に純正が最高って事じゃないです。

純正交換でいくのか、
ディスクだけ強化品にするのか、
シングルプレートなのか、
ツインプレートなのか、
ダンパー付きかダンパー無しか、
シャラシャラ音はあった方がいいのか、
メタルなのかカーボンなのかカッパーなのか、
いろんな選択肢がありますね。

それぞれのメリットとデメリットをお話して
オーナーさんの好みを把握しつつ
最終的にこちらのＯＲＣメタルツインを
選択してもらいました。

ランサーはＦＦベースの４ＷＤって事もあり
ミッションの脱着がかなり大変です。

大変だからこそ
気軽にクラッチを選ぶんじゃなくて
しっかりとした選択が大切です。

またミッションを降ろした時じゃないと
交換できない部品は
出来るだけ交換しておきたいです。

レリーズベアリングは
もちろん交換しますが、

レリーズベアリングが摺動する
このリテーナーも重要な部品です。

車種によっては
ベルハウジング一体ってミッションもありますが
ほとんどの車種は交換できるようになっています。

外したリテーナーは
こんな感じで
必ずある程度は削れています。

当然グリスを塗って組んでいく訳ですが
削れて段差がある状態のリテーナーに
グリスを塗って組み付けしても
やはりベアリングの動きとしては
完璧じゃないです。

そんなに高い部品でもないので
クラッチ交換時には
同時交換がおすすめです。

その他に
レリーズフォークや
オイルシール類、

エンジン側のリアオイルシール、
エボ１０はプレートＡＳＳＹでの供給ですね。

交換したディスクは、

即交換必須って状態じゃないですが
ちょうどイイ交換タイミングって感じです。

フライホイール側や
クラッチカバー側の状態も確認すると
そのオーナーさんの乗り方ってのも
ある程度は見えてきます。
綺麗に乗ってる感じですね。

エボ１０はレリーズの
ストローク調整は出来ませんが
ストローク調整が出来ないからこそ
遊びの確認は非常に大切です。

ディスクが減っってきて
クラッチカバーのダイアフラムが立ち上がる、
レリーズベアリングが
ダイアフラムに押し戻されて
戻れなくなってしまい
遊びが無くなると
常にペダルへ足を載せているような
状態になってしまいます。

オーナーさんにも
クラッチの遊びが
どういった状態なのかお伝えして
たまに気にしてもらうようにしておきます。

クラッチ交換した時、
クラッチマスターを交換した時などは
必ず遊びとストローク確認は必要です。

特に社外クラッチに交換して
遊びゼロって車を見かけますが
絶対にＯＵＴです。

お店に確認すると
自動調整って言われるらしいですが
自動調整であれば
クラッチマスターの
調整ロッドは何？って話ですね。

エボ１０や１２マーチ、
コルトのように調整ロッドが無い車でも
遊び調整は出来る事がほとんどです。
必ず確認するようにしましょう。

最終の走行チェックをして
問題が無い事を確認したら
納車時にオーナーさんに
実際に乗ってもらいます。

社外クラッチに乗る時の注意点、
慣らし運転の必要性と
慣らし運転の方法などを
一通り乗りながらお伝えして
すべての作業完了となります。

Ｍ様、今回も作業のご依頼ありがとうございました。
フライホイールが軽くなった事や
クラッチ全体の軽量化、
ディスクのメタル化などで
ノーマルとは大きく乗り味が変わると思います。

といっても
ＯＲＣのクラッチキットは
かなり乗り易いと思いますし、
横に乗っていて
まったく問題なさそうなので
あとは乗り慣れてもらうだけかなと思います。