車のエンジンオイルガイド

エンジンにおけるオイルの役目

エンジンオイルの役割

■具体的には以下の5つの役割を担っています。

具体的には以下の5つの役割を担っています。

■潤滑

エンジン内部で高速で動いている
シリンダー、ピストンリングなどの金属の部品同士が直接触れないようにオイルの膜をつくり、発生する摩擦や摩耗を油膜でおさえスムーズに作動させます。
エンジンで発生させた力の無駄遣いを防ぎ、少しでも効率的に力を伝達するためにエンジン内部を潤滑します。

■密封

エンジンは空気と燃料を混ぜた混合気を圧縮し、それに点火し爆発させています。
どれだけ精密に金属を加工しても金属同士では隙間ができてしまい気体(混合気)を圧縮する事ができません。
エンジンオイルはその金属と金属の間(シリンダとピストンリングの間)に入り込み隙間を埋めて圧縮した混合気が抜けないように密封しています。

■清浄分散

エンジン内部では燃料を燃焼させているのでスス(燃えかす)が発生したり金属同士の摩擦により鉄粉などの不純物が発生します。
これらが長い間エンジン内部で堆積していくと、細いオイルの通り道を塞いでしまったりエンジン部品の正常な動きを妨げてしまうことにもなります。
これらを防ぐ為に、不純物をオイル内に保持しオイルフィルターまで運びフィルターで濾過します。

■防錆

エンジン内部の部品はほぼすべて金属製の部品で組み上げられています。
金属は水分や有害なガスによりサビや腐食が発生してしまうため内部をオイルで満たすことでサビや腐食を防いでいます。

■冷却

エンジン内部ではエンジン部品が常に作動し摩擦熱が発生しており、また燃料の燃焼により約1000℃の高温になることもあります。
エンジンの金属部品も1000℃を超えてくると溶けてきてしまうのでエンジン内で発生する熱を吸収・発散し、冷却する役目をエンジンオイルが担っており金属部品の焼き付けやエンジンのオーバーヒートなどを防ぎます。

エンジンオイル交換の必要性

なぜエンジンオイルの交換が必要なの?

■エンジンを適切に維持するために定期的に交換が必要です

エンジンオイルは潤滑油と言う名の通り高速で回転するエンジンの内部や上下運動するピストンとシリンダーとの磨耗を防ぐ潤滑油として、また約1000℃に迫るエンジン内部の冷却剤として非常に重要な役割を果たします。
そのため金属摩耗粉などの不純物の混入や、燃料が燃えた時に発生するススや水分の混入、未燃焼燃料の混入、添加剤の消耗などの影響で固形状や泥状のスラッジ(汚れ)を発生させ、またオイルの酸化、粘度の劣化等が進み次第にエンジンオイル自体の性能は低下していきます。
その結果、エンジンの摩擦部分の潤滑が十分になされずエンジン部品の異常摩耗や最悪の場合はエンジンが焼き付き、動かなくなる場合もあります。
このように放っておくと様々なトラブルにつながる可能性があり、また車両火災に至る事例も起きているため、定期的な点検と早めの交換をおすすめします。

エンジンを適切に維持するために定期的に交換が必要です

エンジンオイルを交換しないと…

■エンジンオイルは劣化していきます。

●粘性の低下

エンジン内で高温にさらされたり金属粉や汚れでエンジンオイルの粘りがなくなってきて、高速で動くエンジン各部で適度な粘性の油膜を保つことができなくなっていきます。

●酸化による劣化

オイルは高温下で酸化してしまいます。また、各種金属や空気と触れ合うことによっても酸化し劣化が進みます。

●異物の混入

エンジン部品同士の摩擦により発生する細かな金属摩耗粉や燃料の燃えカス、未燃焼ガスが混入するなど不純物が徐々にたまり、エンジンオイル本来の性能が失われていきます。

●オイルの減少

エンジンのすき間から燃焼室にエンジンオイルが漏れ燃料と一緒に少しずつ燃えたり、蒸発によって徐々に減少します。

エンジンオイルを交換しないと…

エンジンオイルのメンテナンス

エンジンオイルの点検

■エンジンオイル量の点検

エンジンオイルのメンテナンスの中で最も重要なのが量を点検することです。エンジンオイルは密閉されたエンジン内で内部の潤滑を行なっているだけなので、減らないと思われますが実際はエンジン内部で生じる蒸発や燃焼といった様々な要因で次第に減っていきます。

その量は微量なので、頻繁にオイルを補充する必要はありませんが、乗り方やエンジンの状態によっては、その消費量が増える場合もあり、オイル量が少なくなりすぎると、エンジン内部の摩耗や焼付きを起こす危険性もありますので、1カ月に1回ぐらいはオイル量を測定するよう定期的な点検が必要です。

エンジンオイル量の点検

エンジンオイル交換の目安

■エンジンオイル交換時期の目安

エンジンオイルが、クルマの使用と共に劣化しいくのは先に述べたとおりですが、それらは本来、走行距離と明確な関係はありません。
なぜならば、乗り方や使用される環境、エンジンの状態によって、オイルの劣化に対する影響度合いが大きく変わるからです。

一般的に自動車の説明書などに書かれているオイルの交換目安は想定される車の使用状況から便宜的に不具合が起きないようマージンをとった走行距離や期間を目安として設定しております。
大きく分けてガソリンエンジン、ガソリン(ターボ)エンジン、軽自動車と区分すると下記の表にある距離や期間がその目安となり、特に、軽自動車やターボ/スーパーチャージャーなど過給器付きのエンジンでは、高回転、高温度による高負荷になりやすいことからオイルの管理はより大切です。

※交換の時期はあくまでも目安です。使用状況により劣化の状態は変わりますので早めの交換をおすすめします。

車種 ノーマルコンディション シビアコンディション
ガソリン車 ターボ車以外 15,000km または1年 7,500km または6ヵ月
ターボ車 5,000km または6ヵ月 2,500km または3ヵ月
軽自動車 ターボ車以外 10,000km または6ヵ月 5,000km または3ヵ月
ターボ車 5,000km または6ヵ月 2,500km または3ヵ月
ディーゼル車   5,000km~10,000km 2,500km~5,000km

※シビアコンディションとは目安として以下のような条件下での走行が多い場合に該当します。

  • 1、悪路(デコボコ道、砂利道、未舗装路)での走行が多い
  • 2、雪道の走行が多い
  • 3、走行距離が多い(目安:年間20,000km以上)
  • 4、山道、登降坂路での走行が多い(目安:登り下りが多く、ブレーキの使用回数が多い)
  • 5、短い距離の走行が多い(目安:1回8km以下)
  • 6、外気温が氷点下での走行が多い
  • 7、低速走行やアイドリング状態が多い場合(目安:30km/h以下の断続走行)
    渋滞の多い都市部での短距離のみの使用や近所への買い物が中心といった使い方はここに当てはまります。

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