車検・点検・メンテナンス
更新日:2025.12.10 / 掲載日:2016.08.31

車の鉄粉取りの正しい方法|おすすめ商品や日常のメンテナンス方法を解説

洗車してもボディのザラつきや茶色い斑点が残る場合は、鉄粉が付着している可能性があります。鉄粉はブレーキダストや工場付近に漂う金属粉が原因で発生し、放置するとボディのサビや劣化につながります。

とくにコーティング施工車では、ツヤや撥水性の低下にもつながるため、早めの対処が大切です。

この記事では、鉄粉が付着しているかを確認する方法や除去の手順、除去剤の選び方、さらに再付着を防ぐ予防策までを、プロの整備士の視点でわかりやすく解説します。DIYで行う場合と業者に依頼する場合の違いや、料金相場も紹介するので、自分に合った方法を選ぶ際の参考にしてください。

1. 車に付着している鉄粉とは?

ボディを洗ってもザラつきや茶色い小さな斑点の汚れが残っているときは、鉄粉が付着している可能性があります。鉄粉は非常に目立ちにくいものの、放置するとサビや塗装面の劣化を招く原因になります。

まずは、鉄粉が付着する主な原因や、車にどのような影響を与えるのかをご紹介しましょう。

(1) 鉄粉が付着する主な原因

鉄粉とは、空気中に漂う非常に細かな鉄の粒子のことです。金属同士がこすれ合う際に発生するもので、車がブレーキをかけたとき(この鉄粉をとくにブレーキダストと言います)、工場で金属加工をするとき、電車が線路の上を走るときなどによく発生します。

そのため、鉄粉は車を普段使っているだけでボディに自然に付着するものですが、とくに交通量の多い道路や高架下、鉄道の線路沿い、工業地域で走行したり駐車していたりすると、より多くの鉄粉が付着してしまいます。

(2) 鉄粉を放置するとどうなる?塗装や車体への影響

鉄粉を除去せずに放置すると、ボディ表面がザラつき、汚れが固着しやすくなります。さらに、空気中の水分や雨により鉄粉が酸化すると、ボディにサビが発生する恐れもあります。サビが進行すると塗装の下地まで浸食が広がり、最終的には再塗装などの補修が必要になるケースもあるため注意が必要です。

また、コーティング施工車の場合、鉄粉が被膜に固着した状態で無理に除去しようとすると、撥水効果や光沢の低下につながることがあります。

2. 鉄粉がついているかを見分ける方法

鉄粉は目立ちにくいため、気づかないうちに蓄積している可能性があります。放置すればするほど除去が難しくなるため、早めの発見が大切です。

(1) 見た目・手触り

もっとも簡単な確認方法は、洗車後にボディを軽く指でなでてみることです。表面が滑らかでなく、ザラザラとした感触がある場合は、鉄粉が付着しているサインです。

また、光の加減でボディに茶色や黒っぽい小さな点が見えることもあります。これは酸化し始めた鉄粉で、そのまま放置するとサビとして残ってしまうことがあります。

なお、判断しにくいときは、お菓子の包装フィルムなどを指に巻き、その上からボディをなでてみるとザラつきを感じやすくなります。とくにボンネット・ルーフ・ドアの下部などは鉄粉が付着しやすいため、チェックしてみましょう。

(2) 鉄粉チェッカーなどの簡易確認方法

より確実に判断したいときは、鉄粉チェッカーや専用スプレーを使用するとよいでしょう。スプレータイプの製品は、鉄粉に反応して紫色に変色する仕組みになっており、付着している箇所を一目で確認できます。

3. 鉄粉除去剤の選び方とおすすめ商品

鉄粉が洗車だけでは落ちない場合は、専用の鉄粉除去剤を使う必要があります。ただし、製品によって使用感や除去力、コーティング車への対応可否が異なるため、車の状態や用途に合わせて選ぶことが大切です。

ここでは、鉄粉除去剤を選ぶ際のポイントと、おすすめ商品を紹介します。

(1) 鉄粉除去剤の選び方

鉄粉除去剤を選ぶ際は、車の状態や用途に合ったタイプを選ぶことが大切です。ここでは選ぶポイントを5つに分けて解説します。

① 除去剤のタイプで選ぶ

鉄粉除去剤には以下の5種類があり、それぞれに特徴があります。

スプレータイプ

広範囲に使いやすく、スプレーして数分置いて洗い流すだけの手軽さが魅力です。化学反応で鉄粉を浮かせて除去するため、ボディをこする必要がなく傷つきにくいのが特徴です。ただし、固着した鉄粉は1回では落ちにくく、複数回処理が必要な場合もあります。

ラバーパッド(スポンジタイプ)

ゴムで鉄粉を絡め取る方式で、ゴムの凹凸がなくなるまで何度も使えるため、繰り返し使用できるのがメリットです。ただし、使い方を誤るとボディを傷つける恐れがあるため、こまめに洗いながら優しく動かすことが大切です。

クロスタイプ(クレイタオル)

広い面積を短時間で処理でき、初心者でも扱いやすいタイプです。水を含ませて優しくなでるように使いますが、除去力は弱めで、頑固な鉄粉には不向きです。

除去液タイプ

液体を塗布して化学反応を起こし、鉄粉を浮かせて洗い流すタイプです。除去力が高く、固着した鉄粉にも有効です。ただし、硫黄のような刺激臭のある商品もあるため、屋外での使用が推奨されます。

粘土タイプ

粘土タイプは、物理的に鉄粉をこすり取る方式で、除去力が非常に高いのが特徴です。固着した鉄粉にも対応できるため、しっかり除去したい場合に有効です。形を自由に変えられるため、バンパーのすき間やドアの縁など、細かい箇所の処理にも便利です。
ただし、強くこすりすぎると塗装にキズが入るおそれがあるため、しっかり洗い流しながら慎重に作業しましょう。

② コーティング車対応かを確認する

鉄粉除去剤のなかには、コーティングを劣化させる恐れのある製品もあります。誤った製品を使うと撥水性能が落ちたり、ツヤが失われたりするため、「コーティング対応」表記のある製品を選びましょう。

③ 塗装色に合わせて選ぶ

除去剤によっては、車の塗装色との相性が悪く、変色などのトラブルを招く恐れがあります。そのため、商品を選ぶ際は塗装色に合わせたタイプを確認することが大切です。

一般的には、淡色車用と濃色車用の鉄粉除去剤がそれぞれ販売されています。

分類塗装色塗装色の特徴鉄粉除去剤
淡色車・ホワイト
・シルバー
・鉄粉が目立ちやすい
・傷は目立ちにくい
除去力が比較的強い
濃色車・ブラック
・紺
・グレー
・鉄粉は目立ちにくい
・傷が目立ちやすい
除去力が比較的弱い

淡色車は鉄粉が目立ちやすいため、除去力の強い製品でも問題ありませんが、濃色車は傷が目立ちやすいため、マイルドなタイプの除去剤がおすすめです。

④ 作業範囲や用途で選ぶ

ボディ全体に鉄粉が広がっている場合は、スプレーやクロスタイプのような広範囲に対応できる商品が便利です。

一方、特定のパネルだけを処理したい場合は、粘土タイプやラバーパッドが効率的です。

⑤ 口コミや使用者の評価を確認する

「鉄粉除去剤 最強」と評価されている商品でも、実際にはにおいが強すぎたり使いにくかったりすることがあります。購入前には、レビューや口コミを参考に、実際の使いやすさや仕上がりについてチェックしておくと安心です。

(2) おすすめの鉄粉除去商品

ここからは、コーティング施工車にも使用できるおすすめの鉄粉除去剤を4つ紹介します。いずれもボディにやさしく、初心者でも扱いやすい製品です。

① GANBASS|GBS-R鉄粉除去剤

出典:GBS-R鉄粉除去剤|GANBASS

500ml・1,375円(税込)とコストパフォーマンスに優れた鉄粉除去剤です。ホイールにも使用できるため、1本で幅広く活躍します。

「GBS-R鉄粉除去剤」の公式販売ページ

② PROVIDE|PVD-I07鉄粉除去剤

出典:PVD-I07鉄粉除去剤|PROVIDE

除去力と使いやすさを両立した商品です。においが抑えられているため、室内ガレージなどでも手軽に使えます。容量は300ml、価格は1,430円(税込)です。

「PVD-I07鉄粉除去剤」の公式販売ページ

③ KeePer|鉄粉クリーナー ボディ用

出典:コーティング専門店の鉄粉クリーナー ボディ用|KeePer

コーティング専門店から販売されている商品です。全塗装色に対応しています。鉄粉だけでなく油汚れも同時に落とせるため、仕上がりの滑らかさも期待できます。容量は300ml、価格は1,991円(税込)です。

「コーティング専門店の鉄粉クリーナー ボディ用」の公式販売ページ
「コーティング専門店の鉄粉クリーナー ボディ用」の公式販売ページ(Amazon)

④ CarPikal|鉄粉除去剤[ボディ・ホイール兼用]

出典:鉄粉除去剤[ボディ・ホイール兼用]|CarPikal

全塗装色に対応し、ボディにもホイールにも使用できます。価格は500ml容量のもので1,925円(税込)です。

「鉄粉除去剤[ボディ・ホイール兼用]」の公式販売ページ
「鉄粉除去剤[ボディ・ホイール兼用]」の公式販売ページ(Amazon)

4. 自分で鉄粉取りをする場合

鉄粉を自分で除去するには、必要な道具と作業手順を正しく理解しておくことが大切です。使用する道具や手順を誤るとボディにキズがついたり鉄粉が取り切れなかったりする恐れがあります。

ここでは、必要な道具や作業手順、費用と所要時間の目安をわかりやすく紹介します。

(1) 必要な道具と費用の目安

DIYで鉄粉を除去するには、次の道具が必要です。

・鉄粉除去剤
・カーシャンプー
・洗車用スポンジ
・拭き取り用クロス
・ホース(水道水)

これら一式を揃える費用は、3,000〜5,000円前後が目安です。すでに洗車道具を持っていれば、鉄粉除去剤のみの追加購入で済む場合もあります。

作業時間はおおよそ1〜2時間程度。初めて作業する場合は、時間に余裕をもってスケジュールを立てておくと安心です。

(2) 鉄粉除去の作業手順

鉄粉除去の作業手順は以下のとおりです。

① 洗車で汚れを落とす

まずはボディ全体に水をかけ、砂や泥をしっかり洗い流します。汚れが残ったまま除去作業をすると、ボディにキズがつく原因になります。

次に、カーシャンプーをよく泡立て、スポンジで優しくなでるように洗ってください。洗い終わったら、シャンプー成分を残さないようにしっかりすすぎましょう。

※使用する鉄粉除去剤によっては、水滴を拭き取ってから施工する製品もあります。事前に説明書を確認してください。

② 鉄粉除去剤(スプレータイプ)を使って除去する

洗車後、鉄粉除去剤をボディに吹きかけて、数分間反応させます。製品によっては鉄粉と反応して赤や紫に変色するタイプもあります。変色を確認したら、こすらずそのまま水でしっかり流しましょう。

粘土タイプを使う場合は、水をたっぷりかけながらやさしく滑らせるように動かします。力を入れすぎると塗装を傷めるため注意が必要です。

※鉄粉除去剤によって使用方法は異なります。事前に説明書を確認してから作業を始めてください。

③ 水でしっかり洗い流す

鉄粉や除去剤が残らないよう、車全体に水をかけて十分に洗い流します。スポンジやクロスを使って拭き取ろうとすると、ボディに細かな傷がつく恐れがあるため、ホースの水圧などを活用しましょう。

④ 再確認と仕上げ

鉄粉のザラつきが残っていないか、手でボディをなでてチェックします。ザラつきや引っかかりを感じる部分があれば、除去剤を再度使いましょう。

もし、固着した鉄粉が残っている場合は、粘土タイプなどの強力な除去剤を使いましょう。

⑤ 最後にもう一度洗車

鉄粉除去剤がボディに残っていると、塗装を傷める恐れがあります。仕上げにもう一度カーシャンプーで洗車し、鉄粉除去剤を完全に洗い流しましょう。

洗い流したあとにボディを軽くなで、ザラつきが残っていないかを再確認します。それでも鉄粉が取りきれない場合は、無理をせず専門業者に相談することをおすすめします。

5. 業者に鉄粉取りを依頼する場合

自分で鉄粉を除去するのが不安な人や、確実にきれいに仕上がりを求める人は、プロに依頼することをおすすめします。ここでは、業者に依頼する際のメリットや相場感について解説します。

(1) 業者に依頼するメリット

鉄粉取りをプロに任せる最大のメリットは、「仕上がりの確実さ」と「作業時間の短縮」です。専門的な設備や技術を持つスタッフが作業するため、鉄粉の取り残しやボディへのダメージを防いでくれます。

また、車種や塗装の状態に合わせて最適な除去方法を選んでもらえる点も魅力です。たとえば、粘土タイプやケミカル剤の使い分け、作業後のコーティング補修まで対応してもらえることもあります。

(2) 鉄粉取りの料金相場

業者に依頼する際の料金は、車のサイズや汚れの状態、施工する店舗によって異なります。以下のような価格帯が一般的です。

車のサイズ鉄粉取りの参考価格(目安)
軽自動車・コンパクトカー約2,000〜3,000円前後
セダン・SUV・ミニバン約3,000〜5,000円前後

鉄粉の付着量が多い場合や、事前に洗車・下地処理が必要な場合は、追加料金が発生するケースもあります。作業前に見積もりや施工内容の説明をしっかり確認しておくと安心です。

6. 鉄粉の再付着を防ぐ予防法と日常ケア

鉄粉をせっかく取り除いても、適切な対策をしていなければ再び付着してしまいます。とくに鉄道沿線や工場付近では、空気中に舞う鉄粉の影響を受けやすく、日々の対策が欠かせません。

ここでは、鉄粉の再付着を防ぐための具体的な予防策と、日頃からできるケアを紹介します。

(1) 定期的な洗車と鉄粉取りのタイミング

日常的なケアで最も効果的なのが、定期的な洗車です。鉄粉は付着してから早い段階であれば通常の洗車で落とせるため、汚れが固着する前に対処しましょう。

目安としては、月1回の洗車に加え、6カ月に一度は鉄粉除去剤を使ったメンテナンスを行いましょう。とくに鉄道沿線や工場地帯など鉄粉が多い環境に駐車している場合は、3〜6カ月ごとの鉄粉除去がおすすめです。

ただし、過度な除去作業はボディを傷める原因にもなるため、必要以上に繰り返さないこともポイントです。

(2) 駐車場所や使用環境の工夫

鉄粉は空気中を漂っているため、どこに車を止めるかによって付着のしやすさが変わります。とくに鉄道の近くや高架下、金属加工工場の周辺は、鉄粉が多く舞いやすい傾向があります。

そのため、できるだけ屋内駐車場や屋根付きのスペースを利用するようにしましょう。野ざらしの環境を避けるだけでも、鉄粉の付着を大きく減らすことができます。

(3) ガラスコーティングの施工

鉄粉の再付着を防ぐ方法として、ボディにコーティングを施工するのも効果的です。とくにガラスコーティングは、硬く耐久性の高い被膜を形成し、鉄粉が塗装面に直接付着するのを防ぎます。

さらに、汚れや鉄粉が付着しても通常の洗車で除去しやすくなります。長期間にわたってボディを保護したい場合はプロによるコーティング施工を検討してもよいでしょう。

7. 車の鉄粉除去にお困りでしたらグーネットピットをご活用ください

鉄粉を放置すると、塗装面の劣化やサビの発生につながり、見た目だけでなく車の価値にも影響します。とくにコーティング施工車では、鉄粉の付着がツヤや撥水性能の低下につながるため、早めの対処が重要です。

自分で鉄粉を除去する方法もありますが、必要な道具や手順を誤ると、かえってボディにキズをつけてしまうリスクがあります。仕上がりの質や安全性を重視するなら、プロの手に任せるのが安心です。

鉄粉除去に不安がある人や、作業時間を確保できない人は、グーネットピットを活用してお近くの整備工場を検索してみてはいかがでしょうか。相談から施工までスムーズに進められ、確実な仕上がりを期待できます。

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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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