車検・点検・メンテナンス
更新日:2023.11.27 / 掲載日:2023.11.27

スパークプラグの掃除アイテムと方法 必要な理由や確認方法を紹介

スパークプラグを見たら、黒いススのようなものがついて真っ黒に汚れていた……。そんなとき、どのように掃除をすればいいのでしょうか。

この記事では、スパークプラグの掃除に必要なアイテムと方法、汚れてしまう理由を解説します。

なお、スパークプラグが汚れていた場合、実際は掃除するのではなく、新しいものに交換するケースがほとんどです。交換をする方法や業者に依頼する際の相場についても紹介しますので、自身で掃除や交換をおこなうかの参考にしてください。

1. スパークプラグの掃除に必要なアイテムと方法

スパークプラグの掃除に必要なアイテムと方法をご紹介します。

(1)スパークプラグの掃除に必要なアイテム

スパークプラグの掃除に必要なアイテムは、以下の4つです。

・洗浄剤
・バケツ
・ドライヤー
・クロス(乾いた布など)

洗浄剤は、エンジンコンディショナーと呼ばれるものを使いましょう。以下、おすすめの商品です。

①WAKO’S(ワコーズ)EC エンジンコンディショナー

出典:製品一覧ページ/エアゾール他/ワコーズ EC エンジンコンディショナー p.7|WAKO’S

汚れたパーツを1〜6時間程度浸しておくことで、強力な泡状洗剤がカーボンやスラッジなどの汚れを取り除きます。逆さまでも噴射できるため、狭い場所での利用も可能です。

  • WAKO’S(ワコーズ)EC エンジンコンディショナー」の公式ページ(製品一覧ページから「エアゾール他(P.7-8)」を選択)

②KURE(呉工業)エンジンコンディショナー

出典:エンジンコンディショナー丨呉工業株式会社

カーボンやスラッジ、ワニス、ガムなどの汚れを除去するパワフル洗浄剤です。狭い場所にも届くノズル付きで、逆さまでも利用できるため、狭い場所や届きづらい場所でも使えます。

(2)スパークプラグの掃除方法

スパークプラグの掃除は、エンジンが冷めてからおこなってください。

1.エンジンに接続されているイグニッションコイル(バッテリーから送られる電圧を増幅し、スパークプラグに送る装置)を取り外します

2.スパークプラグを取り外します。専用のレンチやプラグソケットを使い、反時計回りにゆっくり回すことで取り外せます

3.スパークプラグをきれいに掃除するために、スパークプラグ専用の洗浄剤を使います。洗浄剤をバケツなどの容器に入れ、取り外したスパークプラグを浸してください。一般的な洗浄剤には、固着したカーボンや油汚れをしっかりと落とす力があります

4.洗浄剤に十分に浸けたら、クロスで洗浄剤と汚れを拭き取りましょう

5.最後にドライヤーなどでスパークプラグを乾かし、エンジンに取り付けます。エンジンへの取り付けるときは、手で締めた後にレンチを使い、適切なトルクで締め付けます

6.イグニッションコイルをスパークプラグに取り付けて、作業完了です

洗浄剤を使用することでスパークプラグの機能を保ち、エンジン性能も維持できるため、メンテナンスとしても試してみてください。

なお、スパークブラシを掃除する際は、金属製のブラシでこすってはいけません。金属製のブラシでこすると、電極の損傷につながるほか、ブラシの金属粉が絶縁体に付着して火花が発生しなくなる可能性があります。

2. スパークプラグが汚れてしまうワケ

そもそも、スパークプラグはなぜ汚れてしまうのでしょうか。

スパークプラグは、エンジンの燃焼室内にある燃料と空気の混合気に点火し、爆発させる役割を持つ部品です。高圧コイルからスパークプラグに電気エネルギーが送られ、スパークプラグの中心電極と外側電極(接地電極)の間に電流が流れることで発火します。

中心電極と外側電極の位置

混合気が爆発すると、ピストンが上下運動を始め、エンジン→トランスミッション→タイヤと動力を伝え、タイヤを動かします。

ただ、この混合気が爆発する過程で、例えば次のような状況だと、カーボンが発生し、スパークプラグに付着する(=汚れる)ことがあります。

・熱価が高すぎる
・空気の量が少ない混合気を燃焼している
・低速運転の機会が多い

熱価とは、スパークプラグが燃焼で受ける熱を発散する度合いのことです。度合いが小さいものを低熱価、大きいものを高熱価に分類します。熱価が高すぎると、スパークプラグが不完全燃焼を起こし、点火部にカーボンが溜まりやすくなります。

3. スパークプラグを掃除する前に交換の検討を

スパークプラグにカーボンが付着すると、絶縁抵抗値が低下し、スパークプラグに送られた電気エネルギーが適切な電圧で中心電極と外側電極の間に電流が流れなくなります。

流れる電流が発火を起こすために必要な電圧を下回ると、発火できず「失火」を起こします(この状態を「くすぶり」と言います)。

(※)スパークプラグの失火とは
スパークプラグの失火とは、燃料と空気の混合気を点火する際に問題が生じ、うまく点火できずにシリンダー(エンジン内にあるピストン)が正しく機能しないことを言います。
スパークプラグの失火が起きる原因には、汚れのほかに、スパークプラグが濡れている、スパークプラグのギャップ(中心電極と外側電極の隙間)が不適切であることも挙げられます。また、エンジンやスロットルボディ(エンジンに吸入される空気量を調整する装置)に要因がある可能性もあります。

スパークプラグが失火するとピストンがリズムよく動かなくなり、エンジンの始動不良やアクセルを踏み込んでも加速しない、最悪の場合はエンジンがかからなくなる可能性があります。

そのため、スパークプラグが汚れていた場合は早めの対処が必要ですが、実際には掃除よりも新しいものへ交換するケースがほとんどです。主な理由としては、掃除によってプラグが損傷し、トラブルの原因になる可能性が高いことが挙げられます。

掃除の手順を見て、あまり自信がない場合は、新しいものへの交換も視野に入れましょう。

4. スパークプラグの交換を業者に依頼する際の相場

スパークプラグの交換作業は自身でおこなえますが、専門的な知識や道具が必要になります。

また、スパークプラグの一部はエンジン内部にあり、交換作業中にシリンダやスパークプラグが割れてしまうと、エンジンを分解して修理する必要があるかもしれません。

そのため、交換に必要な道具がない人や交換作業に自信がない人は、業者に依頼することをおすすめします。

その際の相場は、一般的には10,000円程度です。ただし、車種や業者によって金額は異なり、高性能なプラグや特殊な車種の場合は高くなる可能性もあります。

業者を決める際は、口コミやサイトやレビューサイトなどを確認し、信頼して依頼できるかチェックしましょう。公式サイトなどで公開されている実績を確認するのもおすすめです。

なお、依頼する前には信頼できる業者に相見積もりを取り、業者ごとの相場感を押さえておきましょう。

5.スパークプラグのことはグーネットピットにお問い合わせください

スパークプラグは、エンジンの性能や燃費に大きく影響する重要な部品です。スパークプラグが原因の不具合があった場合、基本的には新しいものに交換します。

ただし、不具合の原因を特定する必要があるときや、不具合の改善を確認するときは専用の洗浄剤などを使い、きれいに掃除をしましょう。

もし、掃除に自信がないときはグーネットピットにご相談ください。経験豊富なスタッフがスパークプラグの状態を確認し、掃除や交換のサポートをいたします。

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グーネットピット編集部

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