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塗装[2018.08.29 UP]

車塗装(剥がれ・劣化の補修)の手順・DIYの注意点・板金塗装や全体塗装の値段相場などを徹底解説

車塗装(剥がれ・劣化の補修)の手順・DIYの注意点・板金塗装や全体塗装の値段相場などを徹底解説

自動車の進化は、動力性能や燃費性能をはじめ、スタイリングや安全性能にとどまらず、さまざまな技術が日々開発され、市販車に応用されています。中でもボディを保護し、ボディデザインを魅力的に彩る塗装技術も日々大きく進化しています。単なるカラーバリエーションの拡大のみならず、塗料自体の性能向上や塗装技術の進歩によって、経年にともなう色あせや、剥がれを起こしづらくなってきました。しかしながら、いろいろなケースで再塗装が必要となることもあり、中には自らの手で塗装補修をしたい、と考えるユーザーもいることでしょう。そこで今回は、車の塗装が必要となるケースと、塗装作業の基本的な流れを整理しつつ、自分でDIYにチャレンジする際に必要なものや、注意すべきポイントなどについて解説をします。あわせて、プロである塗装業者に依頼するメリットや、専門業者による車塗装にかかる、具体的な料金相場にも触れていきます。

車の塗装が必要となるシチュエーション

車の塗装が必要となるシチュエーション

車の塗装面が痛んでしまうのにはいくつかの原因があり、原因と症状により対処法が異なってきます。まずここでは、なぜ塗装補修が必要になってしまったのか、想定されるシチュエーションをいくつか挙げて、その後の対処法について整理していきます。

擦り傷・ヘコミによる板金塗装補修

車の塗装が必要となるパターンで、最も多く考えられるのが、何かしらの障害物との接触によりできた擦り傷やヘコミの補修です。ごく浅い擦り傷の場合は、タッチアップやコンパウンド等による塗装補修だけでカバーできますが、深い擦り傷やヘコミをともなうケースでは板金作業をともなう塗装補修が必要になってきます。場合によっては塗装を剥がし、下地から整え、中塗り、ベースコート、クリアコートなど大掛かりな塗装補修となります。

塗装の劣化による色あせ

10年・15年と乗り続けていると、紫外線や雨、鳥のフン、黄砂などの影響で塗装面が化学反応を起こして劣化し、色のくすみや色あせが目立ってしまうことがあります。そのため、車を保管する際は、できれば車体にカバーをかけたり、屋根のある駐車場を利用するなど対策を取ると良いでしょう。また、洗車をマメにすることも色あせ防止に繋がりますが、洗車後にしっかりと水分を拭き取らないと、ボディに残った水分のレンズ効果によって、色あせを進行させてしまうことになりかねないので注意が必要です。特に鳥のフンは酸性のため、放置しておくと塗装を溶かしてしまう恐れがあります。付着していた場合は、速やかに拭き取りダメージを未然に防ぐ必要があります。

塗装の剥がれ・ひび割れ

車の塗装補修が必要となるシチュエーションのうち、最も早急な対処が必要となるのが、ボディへ強い衝撃が加わったことによる、塗装面の剥がれやひび割れが起こってしまっているケースです。車の塗装には防錆加工が施されていますが、飛び石や衝突により剥がれやひび割れが発生した箇所は、鉄板がむき出しとなってしまうため、そこが雨や空気に触れることでサビが発生してきます。外観からサビを目視で確認できるのは、剥がれやひび割れのある場所だけですが、サビは塗装の内側にドンドン広がっていくため目立たないからと放置せず、できるだけ早く塗装補修を行う必要があります。

車を好きな色に塗り替える全塗装(オールペイント)

購入時には気に入っていたボディカラーでも飽きてしまって、自分好みのカラーに塗り替えたいというシチュエーションによる、塗装の塗り替えというケースもあります。「オールペイント」と呼ばれる、全塗装を施すのが一般的ですが、個性を出すために車体のボンネットやルーフなど一部だけを塗り替えるユーザーもいます。また、カラーリングにあわせて自分のお気に入りのアニメキャラをペイントしたり、純正色では設定されていないような、光の当たり方や見る角度により表情の変化するマジョーラカラーやマットなカラーリングなど、こだわりのある個性的なボディカラーへの変更も可能です。

車塗装の基本的な手順・流れ・方法

車塗装の基本的な手順・流れ・方法

塗装が必要となってくるシチュエーションが整理できたところで、ここからは実際に塗装・板金補修やオールペイントなどが、どのような過程で進んでいくのかについて触れていきます。車塗装の基本的な作業手順を知っておくことで、自分でDIYに挑むときはもちろんのこと、専門業者に依頼する際にも、業者が塗装工程を経ているのかを知ることにより、料金との比較対象や業者の見極めにも役立ちます。

下地作業の手順・流れ

塗装補修する場合は、いったん塗装面をすべて剥離する必要があり、基本的にはダブルアクションサンダーを用いた、フェザーエッジ加工が施されます。このフェザーエッジ加工とは、小さな擦り傷やヘコミを埋めるパテは、鋭角になった部分が残っていると剥がれやすくなるため、エッジを滑らかに丸めることで剥離するのを防ぐ加工方法です。キズやヘコミが、鋼板まで達していた場合は、成型のためのパテの塗布が施され、荒研ぎ・本研磨を経て、塗料を吹き付けていきます。大きなヘコミの残るでこぼこの面は塗装をする前に、下処理として下地を滑らかに平滑にする必要があります。丁寧に下地を仕上がることで、塗装の仕上がりにも大きな違いが出てくる重要な工程です。

塗装作業の手順・流れ

下地処理作業が完了後、いよいよ塗装作業に取り掛かっていきますが、車の塗装面は前項でも触れたように、耐久性や発色を良くするために、サビを防ぎ塗料の乗りを良くするプライマリー・サフェイサーやボディカラーのベース層、塗装面を保護し、しっとりとした輝き放つクリア層など、役割の異なるいくつかの層に分かれた構造になっています。車種によってはこれ以上の工程を経た6層塗装などがありますが、ここでは一般的な車種に採用されている、4層構造の塗装作業について、以下で解説していきます。塗料が他へ付着しないように、丁寧にマスキング処理を施してから塗装作業へ進みます。

1.プラサフ(プライマー・サフェイサー)の塗布

車のカラーペイントと下地との付着性(密着性)を確保するプライマーと、塗装面の細かい隙間を埋めて、ペイントの発色を向上させるサフェイサー双方の役割を果たす、スプレータイプのケミカルがプラサフです。下地が見えなくなるまで、数回重ね塗りをし、塗布後は発生するスプレーダストを、1000番程度の耐水ペーパーに水をつけながら、塗布面がツルツルになるまで研磨します。

2.ペイントの塗布

1の作業が終了したら、車のカラーに適合したペイント剤を塗布します。一度に厚塗りはせず乾燥させながら、最低でも5~6回に分けて慎重に重ね塗りをします。

3.クリア剤の塗布

艶や光沢を高める透明の塗料であり、紫外線から本塗装を守る役割も果たしています。2の工程で塗布したペイントより、広範囲にわたって比較的薄めに4~5回程度に分けて塗布していきます。

4.ボカシ材の塗布

3までの作業が完了すれば、最後にスプレーダストを無くすボカシ材を塗布します。ペイント剤及びクリア剤を塗布してから15分程度経過し、完全に乾いてから塗布をしていきますが、非常に垂れやすいので薄く、スピーディーに塗布する必要があります。

なお、すべての塗装作業に際し、事前に周囲のボディに各ケミカルが飛沫しないように、風やホコリの入らないガレージなどといった作業場の確保や丁寧なマスキング処理が必要となります。

自分(DIY)で行う車塗装について

大きなヘコミをともなっている場合は、専門機材や高度なテクニックが要求される板金作業が不可欠となります。比較的小さな擦り傷や範囲の狭い色あせの補修程度であれば、DIYで補修をすることも可能です。ここでは、DIY塗装に必要と考えられる準備や道具、あまり経験のないユーザーによる塗装補修で良く見られる失敗例と、それを防ぐための注意点について解説します。

自分(DIY)の車塗装で必要な準備・道具

先ほどお伝えした下地処理作業及び、塗装作業を自分でチャレンジするには、以下のようなものを準備する必要があります。

・風やホコリの入りにくい作業場所
・マスキング素材(マスキングフィルム/マスキングテープ)
・汚れてもいい服装/手袋/ゴーグルなど
・パテ/プラサフ
・カラースプレー/クリア剤/ボカシ材
・コンパウンド

DIYで車塗装をした際の良くある失敗例と注意点(ブツブツ・ゆず肌・ムラ)

DIYで車塗装に挑戦したユーザーに良くある失敗例と、それを回避するコツについて以下で紹介しますので、取り組んでみたいという方はぜひ参考にしてください。

【ブツブツができてしまったしまった例】

・原因
下地処理の不足や、ごみやホコリなどが塗装時に混入したことが考えられます。
・対策
塗装前に車を良く洗車、拭き上げをするのとともに、風が入らずホコリの舞わない作業場所を確保しましょう。
・対処法
塗装作業中に発見したら、注意深く除去し、乾燥後であれば耐水ペーパーで研磨しましょう。

【ゆず肌になってしまった例】

・原因
古い塗装の剥離不足や、塗り込み・塗り重ねの不足が考えられます。
・対策
下地処理作業の徹底に加え、スプレーの移動速度を緩め、塗装の重ね塗り回数を増やすことで防ぐことができます。
・対処法
乾燥後、いったん耐水ペーパーで研磨をして面を整え、再塗装を施します。

【カラーリングにムラができてしまった例】

・原因
ペイントケミカルの粘度が不適切であったり、塗布パターン・ボディとの距離・スピードなどが不均一であると発生しやすくなります。
・対策
スプレーが詰まっていないかを確認したり、良く塗料を混ぜた上で塗布パターンを均一にする必要があります。
・対処法
クリア塗布前であれば、ペイント面を良く乾燥させたのち、もう一度ムラ取りのための塗料の塗布を行います。クリア塗布並びに乾燥後の場合は、研磨してやり直すしかありません。

自分(DIY)で車塗装を行うメリット・デメリット

自分で車塗装を実施する最大のメリットは、何と言っても補修コストを節約できることですが、それに加えて個性を出したいユーザーからすれば、自分の好みやこだわりを反映させた色合いに調整できることもメリットと言えるでしょう。一方、前項でも紹介したように、しっかりと道具などを準備して細心の注意を払っても、車の塗装作業はその工程も多い上、ある程度、経験とテクニックを要するため、なかなか満足した仕上がりにならないことがデメリットになります。

塗料・塗装タイプの種類

塗料・塗装タイプの種類

DIYで車塗装する場合は、カー用品店で市販されているスプレータイプの塗料・塗装を用いることになりますが、プロの塗装業者の場合は、均一した細かな塗料の塗布が可能な専門的な塗装方法と道具を用い、塗料のタイプも少々異なります。

タッチペン

一般ユーザーが、最も手軽に利用できる塗料のタイプと言えば、やはりどこにでも売られているタッチペンとなってきます。前述した細かい作業工程や準備などを必要とせず、目立ってしまった小キズや塗装の剥がれを、簡単に隠すことができます。とは言え、キズの上に塗っただけなので、段差はそのままなのでタッチペンでの塗装補修は応急処置と捉えるべきでしょう。広範囲の退色やキズの補修の場合は、このタッチペンだけで対処するのは困難になります。

スプレー

プラサフやペイント剤、ボカシ材・クリア剤もすべて、スプレー缶に入ったものが広く市販され、カーショップなどで容易に入手可能です。しっかりと下地処理を施しコツさえ押さえれば、かなり満足のいくきれいな仕上がりが期待できます。しかしながら、市販のスプレー缶は力加減が難しい上、噴射範囲も均一ではないため、ブツブツの発生や色むらの原因になってしまいがちです。一方、プロの塗装業者はどうしているかと言うと、ガンスプレー(エアブラシ、スプレーガン)と圧縮空気を使用するコンプレッサーなどの専門機材を使って塗装をしています。このガンスプレーは、塗料が非常に細かい霧として噴出され、その噴霧量を細かく均一に調整できるため、ブツブツや液だれ、塗りムラなどが発生しにくいのが特徴です。 ガンスプレー自体は、ホームセンターに行けば数千円で購入可能ですが、組み合わせるコンプレッサーは安いものでも数万円しますし、ペイント剤を配合する専門知識も必要になるため、一般ユーザーが塗装補修コストの節約のために、購入・使用するのは現実的ではありません。

刷毛(ハケ)・ローラー

アウトドア派に人気の高いオフロードカーを所有するユーザーの場合、スプレーではなく刷毛やローラーを使用して、つや消しのマットな仕上がりのカラーリングにチャレンジする方も見受けられます。業者の中にもあえてマット仕上げに、刷毛やローラーを使用することもあります。ガンスプレーの様に、高価なコンプレッサーを購入する必要がないため、あえて荒い仕上がりの全塗装を目指す場合は、一般ユーザーでも取り入れやすい塗装タイプと言えます。

車塗装の業者依頼について

車塗装の業者依頼について

最近のDIYブームに乗って、車の塗装にチャレンジしてみたいと思うユーザーも増えていますが、ここまで触れてきたように車の塗装は、ある程度の専門知識やテクニックが要求され、さらに多くのケミカルや機材を準備しないと、きれいに仕上げることができません。そこで最後にプロの塗装業者に依頼するメリットと、その料金相場について紹介していきます。

車塗装の専門業者に依頼するメリット

塗装の専門業者に依頼する最大のメリットは、何と言ってもその仕上がりの良さが挙げられます。腕の良い業者に依頼すれば、どこを補修した箇所なのか、全く判別できないほどの仕上がりが期待できます。バンパーに軽くついた小キズの補修であれば、器用な方ならきれいに仕上げることができるでしょうが、大きな擦り傷や広範囲にわたる色あせ、大きなヘコミがあり、板金作業を必要とする補修の場合は、仕上がりを考えると専門業者に頼った方が無難と言えるでしょう。

車塗装にかかる値段・料金相場

専門業者に依頼する場合は、仕上がりと引き換えにある程度の費用が必要になります。以下ではケースごとの専門業者による板金・塗装作業の料金相場を挙げます。まずは、ディーラーが設定する軽微なキズ・ヘコミの修復作業料金からみていきましょう。

【キズ(深さ2cm以内)】

・手のひら半分(10x10cm相当)
バンパーの場合13,000円程、パネルの場合23,000円程

・手のひらサイズ(10x20cm相当)
バンパーの場合20,000円程、パネルの場合29,000円程

・手のひら1枚半(10x30cm相当)
バンパーの場合25,000円程、パネルの場合33,000円程

【キズ+ヘコミ(バンパーは亀裂・変形の場合は対象外)】

・手のひらサイズ(10x20cm相当)※キズの深さは2mm程度まで
33,000円程
・手のひら1枚半(10x30cm相当)※キズの深さは2mm程度まで
38,000円程

上記は、おおむね各ディーラーの塗装修復作業の相場になりますが、あくまでも料金は一例であり、車種やボディカラー、キズの状態などにより異なる場合があります。作業を依頼する場合は、事前に実車を見てもらい価格を確認してください。
また、バンパーなどについて大きなキズの補修の場合、板金・塗装作業を依頼するより、パーツごと交換してしまった方が安上がりで、修理完了までもスピーディーなケースもあるため、自分で判断せず、ディーラーや修理工場などに相談することをおすすめします。愛車のボディカラーに飽きてしまったなど、車の全塗装を検討している場合は、以下の料金相場を参考にしてみてください。

・ソリッド塗装
同色:200,000円~350,000円程、色変え:250,000円~380,000円程
・メタリック塗装
同色:260,000円~400,000円程、色変え:320,000円~480,000円程
・パール塗装
同色:300,000円~460,000円:、色変え330,000円~500,000円程

こちらの料金はあくまでも一例となります。決して安価ではありませんが、個性的で人とは違ったクォリティーの高い全塗装は、非常に魅力的なドレスアップと言えるでしょう。また、全塗装の場合は依頼する塗装業者やボディカラー、仕上がりによって大きくその価格が異なるため、依頼する前に複数の専門業者と良く相談をし、相見積もりを取るなどして比較をしながら作業を進めることをおすすめします。

グーネットピット編集部

ライタープロフィール

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車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、 自動車整備に関するプロ集団です。愛車の整備の仕方にお困りの方々の手助けになれればと考えています。

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