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車検・点検・メンテナンス
更新日:2018.07.04 / 掲載日:2018.07.04

ポンコツジムニーハコ替え計画 その3

前回はドナーカーのシャシーとボディを分離させることに成功した。今回は分離したボディから不要なパーツを全て取り除き、ドンガラの状態にしてしまおう。

SUZUKI ジムニー(JA22)
1981年に発売されたSJ30から引き続いた四角いボディを持つJA22は、ジムニー初のコイルスプリングの足まわりを採用して1995年に登場。旧型ボディ最後のモデル。

まずはボディの置き場を確保、ガレージの掃除に時間がかかった

 前回はドナーカーであるJA71のボディをシャシーから引き剥がしたものの、取り外したボディを保管しておく場所がなかったため、再び合体させてからガレージの外に出し、ブルーシートを被せておいた。ただでさえ錆や腐りが多いボディを屋外に置いておいたらフロアの穴がまた増えてしまうので、今回は作業を始める前にガレージの片付けからスタートした。ガレージの奥には、最近はほとんど補修作業が進んでいないスバルR-2と、R-2から取り外したパーツがギュウギュウに押し込まれている。他にもいつからあるのかわからないエンジン、ボンネット、ルーフキャリア、大量の使いかけエンジンオイル、ケミカル、謎の段ボールがたくさん。全てを一度引っ張り出し、単管パイプを使って櫓を組んで、下にR-2とジムニーのボディ、上にはパーツやケミカルなどを置けるようにした。櫓の組み立てとゴミの分別などでほぼ1日を費やしてしまった。
 改めて作業再開。今回はボディを取り外す前に、取り外せるパーツは全て取り外してボディシェルだけにする。軽くなれば移動も楽だし、補修の作業もしやすくなるだろう。まずは一番重いパーツである、両ドアの取り外しから取り掛かる。ジムニーのドアヒンジは外側についているので、固定ネジもむき出し。錆が発生しているのでがっちり固着して、普通のドライバーではビクともしない。両側8か所のネジを外すだけでもう大変。

ドアの固定ネジががっちり固着!
ジムニーのドアヒンジは外側についている。しかも固定はプラスネジで上から塗装がされている。簡単に外れそうにない感じ。

車内のスピーカーを取り外し、ネジの裏側から浸透潤滑油をスプレーしておく。

塗装を剥がすとネジは錆だらけになっていた。

下側のネジはショックドライバーを使って取り外せたが、上のネジは全然回らない。プライヤーでつまんだりしてみたものの、

回る気配がないので、タガネを使ってネジを叩き、無理やり回すことに。

もちろんネジは再使用不可になるが、仕方がない。

下側のネジは2本ともショックドライバーで取り外すことができた。

ちなみに左側も固着がひどく、タガネでネジを緩めた。

ドアの開閉範囲を制限するために、内側にゴムのバンドが取り付けられている。これを外さないとドアは外れないので注意。

これでドアを取り外すことができた。ドアにはガラスが入っているので結構重たい。

邪魔にならない場所に保管しておく。

シンプルだから簡単か?と思ったら意外と面倒

 JA71の幌タイプはフロントウインドウを前に倒すことができるため、このフロントウインドウ周りも枠ごと取り外すことができるが、倒しておけば邪魔にならないので、今回は取り外さないことにした。次に取り掛かるのは内装だ。とはいえ、シートやカーペットはすでに取り外してあるので、残るはインパネ周りだ。
 ステアリングを取り外し、スピードメーターを外そうとネジを緩めたものの、メーターがステアリングコラムの上にあるハザードスイッチとパーキングランプスイッチに当たって取り外せない。無理に動かせばスイッチを破壊してしまいそうだ。ステアリングシャフトを下げないと取り外すことはできないようだ。メーターを外すだけでこんなに面倒なの? メーターの電球が切れたらいやだなぁ。もしかしたら他に方法があるのかもしれないが、思いつかなかったのでステアリングシャフトを下げることに。インパネ下のカバーを外し、ステアリングコラムの下側のカバーを外して、シャフトをフレームに固定しているステーを取り外して、ようやくステアリングシャフトを下げることができた。これでメーターが外せる。スピードメーターケーブルやコネクターを取り外してからゆっくり引き出すと、何かが引っかかっている感じ。コネクターは外したはずなのに、なんでだろう?と裏側をみてみると、1本だけ端子がねじ止めされている。なんでこんな作りなの?

外せる部品はどんどん外していく
フロントウインドウ周りは今回取り外さないことにしたが、ルームミラーは邪魔になりそうなので取り外し。固定はネジ2本。

ステアリングを取り外す。取り外す時は急に外れた時に胸を打たないように、

ネジをちょっとだけ残しておいてから引っ張るといい。

ステアリングが外れたので次はメーターだ。

と思ったらコラム上のスイッチに引っかかって外れない。

これはどうすればいいのだろうか?

ステアリングシャフトを下げてからメーターを外すことに。

コラムカバーなどを取り外し、シャフトを固定しているステーを緩めた。

ステアリングシャフトを下げてようやくメーターを取り外すことができた。

しかし、なんで1本だけハーネスがねじ止めされているんだろう。

ラジオは前面に4か所ネジ止めされているが、下2本のネジが空回り。

裏の樹脂製ナットが壊れていたみたい。ラジオは外れたけどカバーは外れない。

ダッシュボードを取り外すためにはグローブボックス内にあるボンネットオープナーのワイヤーをエンジンルーム側から外す。

ダッシュボードの上側にあるカバーを外して3か所のネジと、下2か所のネジを外せばダッシュボードが外れる。と思ったら、空調のワイヤーが。

ラジオのボックス部分、周囲にネジやボルトが見当たらず、外しかたがわからなかったが、ハメ込みの部分が接着されていた。

ボディに固定されているボルトを外し、ハーネスを取り外したら、ダッシュボードを固定していたメンバーが取り外せる。

エアコンのエバポレーターユニットを取り外すために、エンジンルーム側の配管を取り外し、室内側のユニットを取り出す。

ヒーターホースを取り外し、ヒーターとブロアユニットを取り外す。

この時、中に残ったクーラントが流れ出てフロアが水浸しに。

移動ができるように専用の台車を製作した

 ようやくメーターが外れてホッとしたのもつかの間、今度はラジオが外れない。フロントパネルにある4か所のネジ、上2か所は外れたものの、下2か所は空回りして外れない。裏側にナットがあるのかと探ってみるものの、ナットらしきパーツはない。グラグラしているパーツをラジオペンチでつまみながらネジを回してなんとか取り外すことができた。どうやら裏側でネジを留めていた樹脂パーツが割れていたようだ。次はラジオが入っていたボックスを取り外そうとするも、どこを見てもネジやボルトは見当たらない。はめ込み式かと前後左右に引っ張ってみるものの、全く外れる気配はない。ダッシュボードを取り外した後に確認してみると、本来ははめ込み式だったステー部分にたっぷり接着剤が。そりゃ外れないはずだ。ダッシュボードやヒーター類、ハーネスなども全て取り外し、室内はずいぶんすっきりした。
 重たいBピラーも取り外し、再びボディを分割。取り外したボディはガレージ内で移動ができるように、平台車と牛乳ケースを組み合わせて移動用の台を4個作った。この上に乗せればシャシーから外しても簡単に動かせる。前回と同じようにボディに木材を挟み、リフトでボディだけを持ち上げる。素早くシャシーを移動し、台車をセットしてゆっくりリフトを下降させ、台車とボディをドッキング。片付けておいたガレージの奥に収納して今回は作業終了!

取り外したボディはガレージの奥に
外気を取り込むダクト部分を取り外すと枯れ葉やゴミやカビがいっぱい。

白くなっているのは外装を塗装した時の塗料のようだ。

ダッシュボードやメンバー、ヒーター、エバポレーターユニットを取り外し、室内はだいぶスッキリしてきた。

ブレーキペダルとクラッチペダルを取り外す。2つのペダルはステアリングシャフト下のステーに取り付けられている。

アクセルペダルはボディに直接固定されている。このペダルの取り付け部分の裏側はバッテリーがあるため、錆が多く、穴があきそうな状態だ。

ステアリングコラムスイッチを取り外す。すでにカバーを外してあるので、シャフトに差し込んであるだけだったので、コネクターを外せば外れる。

シートベルトのアンカーを取り外し、右側のベルトを収納しているユニットを取り外して中のギボシ端子を分離させる。

幌タイプのボディはBピラーが分割式なので外しておく。先ほどのギボシ端子は天井についているルームランプのハーネス。

エンジンルーム側のジョイントを切り離し、ステアリングシャフトを取り外す。ボディについているパーツは全て除去した。

ボディだけを持ち上げる場合、前後長が短いのでリフトのアームが掛からないため、

木材を挟んで持ち上げ、シャシーを手前に移動する。

ボディを保管し、かつ移動ができるように特製台車を製作する。

用意したのは牛乳の搬送ケースと平台車をそれぞれ4台。牛乳ケースは中古を譲ってもらった。

平台車に穴を開け、牛乳ケースを大型のタイラップで固定。

上にゴムシートを置いて、ボディ移動用の特製台車が完成した。

ボディの重さを支えられ、かつフロア修理の際に邪魔にならない場所を探して台車をセット。

リフトをゆっくり下げる。

ガレージの奥に収納
パーツを剥ぎ取ってボディが軽くなったので、簡易的な台車でも問題なく、軽々と移動もできた。片付けたガレージの奥に仕舞っておく。

シャシーは外へ
残ったシャシー部分は当分使う予定がないのでガレージの外へ。ブルーシートをかぶせておいた。



提供元:オートメカニック


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グーネットピット編集部

ライタープロフィール

グーネットピット編集部

車検・点検、オイル交換、修理・塗装・板金、パーツ持ち込み取り付けなどのメンテナンス記事を制作している、
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