新車試乗レポート
更新日:2022.04.18 / 掲載日:2022.04.15

【試乗レポート フィアット 新型500e】電気自動車になっても変わらない魅力

文●石井昌道 写真●ユニット・コンパス

 フィアット初のBEVとなるフィアット500e。欧州のフィアット500には従来モデルにもBEV仕様があったが、モデルチェンジでBEVのみとなったため車名はフィアット500で“e”はつかないが、日本仕様では従来モデルのガソリン車が併売されるのでBEVはフィアット500eとなるようだ。

街中にマッチするサイズを堅持。オープンボディも存在

500e ICON

 ぱっと見には従来モデルと同様に、NUOVA 500と呼ばれる2代目モデルをモチーフにした例の愛らしいスタイリングだが、まったくの新設計であり、ボディサイズは全長60mm、全幅60mm、全高15mm、ホイールベース20mmの拡大となっている。それでもあいかわらず5ナンバーサイズに収まっていて、トヨタ・ヤリスやホンダ・フィットよりも小さくて街中では超が付くほど扱いやすい。ボディはハッチバックにくわえてカブリオレも用意されていて、現在のところ世界で唯一オープンエアモータリングが味わえるBEVともなっている。

バッテリー容量は42kWhでセカンドカー的な使い方が合う

 バッテリー容量は42kWhで一充電走行距離は335km(WLTCモード)。ホンダeが35.5kWhで283km、日産リーフが40kWhで322km、プジョーe-208が50kWhで380km(アップデートで395kmに伸長する予定)となど、既存の小さめのBEVと比べて標準的なスペックと言えるかもしれない。ただし、バッテリー容量が小さいモデルはちょっとした差が使い勝手では意外と大きな差になることもある。当サイトで連載しているEVテストで高速道路を含めた200kmほどの距離を試乗したときに、ホンダeとプジョーe-208でそれを実感した。フィアット500eのスペックはちょうど中間にあたるので、使い勝手をどう感じるか興味深く、いずれEVテストに連れ出すつもりだ。ところが今のところ日本のCHAdeMO規格用のアダプターが間に合っていないとのことなので、いつテストするかはまだ未定。いずれにせよ、このテのコンパクトBEVは自宅ガレージなどの普通充電で足りる分で街中メインで使うのが適していて、他にガソリン車やハイブリッドカーを所有する人のセカンドカーとするべきなのだろう。

誰もが運転しやすいフレンドリーさがある

 モーターは最高出力118PS、最大トルク220Nmで1320~1360kgの車両重量に対しては十分以上だ。ライバルにはもっとパワー&トルクが大きなモデルがあるのはたしかだが、従来のガソリン車から比べれば夢のように動力性能は高い。0-100km/h加速は9秒。ちなみに実用車の0-100km/h加速は10秒を切ればストレスがないと言われているが、従来のガソリン車は11秒以上で、早い交通の流れのなかだとそれなりにアクセルを踏み込んでやる必要があった。ところがフィアット500eならば、ハーフアクセル以下で楽々と交通の流れをリードできる。加速はシームレスで力強い。盛大な音・振動、あまり幅広くないトルクバンド、時間のかかるシフトチェンジなどを上手く付き合って手の内に収めていくのが従来のガソリン車(とくにツインエア)の乗り方であり、それはそれで楽しかったが、フィアット500eはドライバーフレンドリーで誰でもが気軽に楽に運転できるようになっている。

 走行モードはノーマル、レンジ、シェルパと3種類。ノーマルはアクセルオフ時の回生がエンジンブレーキ並で自然な感覚。レンジとシェルパは回生が強くなっていわゆるワンペダルドライブ的な走りが可能になる。シェルパはエコモード的なもので最高速度が80km/hとなり(アクセルを床まできっちり踏めば80km/hを超えていく)、エアコンなども制限される。

電気自動車になっても500らしい乗り味はそのまま

500e ICON

 もちろんシャシーも一新されているが、乗り味にはフィアット500らしさが残っていた。スポーツモデルであっても、イタリア車らしくそれなりにすばしっこく走れるようにセッティングされているからか、乗り心地は不快じゃない範囲で引き締められており、大きな凹凸を乗り越えた際などはヒョコヒョコと上下動するような動きがある。たまにせわしないピッチングを感じるところも含め、ガソリン車のフィアット500に似た雰囲気があるのだ。フラットに評価するとすれば、こういった動きは抑えたほうが好ましいかもしれないが、従来モデルに好感を覚えていた者にとっては嬉しい個性でもある。実際、今回の短い試乗でも「たしかにフィアット500だ」と感じられて気分があがった。

 コーナリングは想像するよりもずっと得意だ。ステアリングを切り込めばあまりロールを感じさせないまま素直にノーズがインへ向いていき、イタリアのコンパクトカーらしい活発な雰囲気で楽しませてくれる。ツイスティなワインディングロードなどは最高のステージだろう。これならいつの日か登場するであろうアバルト仕様なども楽しみだ。

 車両価格は450~495万円でBEVとしてはリーズナブル、従来のガソリンに比べるとそれなりに高価といったところだが、全車がリース販売。新たにサブスクも用意され、頭金や税金、メンテナンス費用などが含まれ、補助金申請などといった手間暇をかけずに月々5万円台で乗れるというから現実的だ。BEVはリバッテリーの劣化が読み切れず、それゆえセールバリューが安定しないというのが一つの問題点ということもあるが、リースやサブスクならば安心だ。

フィアット 500e ICON(電子式CVT)

  • ■全長×全幅×全高:3630×1685×1530mm
  • ■ホイールベース:2320mm
  • ■車両重量:1330kg
  • ■バッテリー総電力量:42kWh
  • ■モーター定格出力:43kW
  • ■モーター最高出力:118ps/4000rpm
  • ■モーター最大トルク:22.4kgm/2000rpm
  • ■ブレーキ前/後:ディスク/ドラム
  • ■タイヤ前後:205/45R17
  • ■新車価格:450万円から495万円(全グレード)
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石井昌道(いしい まさみち)

ライタープロフィール

石井昌道(いしい まさみち)

自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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