新車試乗レポート
更新日:2022.04.01 / 掲載日:2021.11.16

【試乗レポート トヨタ ランドクルーザー】オトナが物欲を刺激されるリアルオフローダー

トヨタ ランドクルーザー

文●九島辰也 写真●ユニット・コンパス、トヨタ

 ランドクルーザーが話題だ。SUVブーム、しかもアウトドアブームの真っ只中に置いて、老舗モデル“ランクル”がフルモデルチェンジしたのがその理由だ。ゲレンデヴァーゲン、ディフェンダー、ジープ・ラングラーに並ぶ保守王道的なオフローダーに多くの目が注がれている。

世界中が注目する保守王道を往くオフローダー

ランドクルーザー ZX

 では、2007年のランクル200登場からおよそ14年振りに見直された新型は一体どう進化したのか。すでに多くのメディアで取り上げているように、かなり新しさが目立つ。デザインこそ、正常進化ではあるが基本骨格からGRモデルの追加までこれまでとは違う。言うなれば時代に沿ったカタチでのモデルチェンジが行われた感じだ。伝統を守り続けるところはそのままに、変えられるところは大胆に手を入れた。

 その基本骨格だが、ラダーフレームをベースにフロントサスペンションを独立懸架にリアをリジッドアクスルにするところはこれまでと同じ。が、フレームはTNGAの概念をもとに中身を別物にしている。GA-Fプラットフォームと呼ばれるものがそれで、これまでより高い剛性と軽量化を実現した。従来比20%アップの剛性はさすがだ。

 それと同時に、ボンネット、ルーフ、ドアパネルを全てアルミにし、パワートレーンを低く積むなどレイアウトを見直している。この辺は最近のトヨタらしい配慮だ。また、おもしろいのはそこに彼ら自慢のAVSを付けたこと。ダンパーを油圧で四輪独立制御するもので、ZXとGRスポーツに標準装備する。それにパワステの方式やリアにトルセンLSDを採用するなどの工夫も見える。イマドキの技術をてんこ盛りだ。

 パワーソースは純然なる内燃機関でモーターはつかない。3.5リッターV6ツインターボのガソリンと3.3リッターV6ツインターボのディーゼルユニットが用意された。これを10速ATと組み合わせるのだからスムーズなのは明らか。これだけのスペースがあれば大きなハウジングのギアボックスを載せられるのはメリットだろう。エンジンがそれほど燃費を考慮していない分、ギアボックスがサポートする。

ガソリンエンジンのキビキビ感は魅力だが、総合的にはディーゼルに軍配が上がる

エンジンは2種類のV6ツインターボを用意。ガソリン仕様は最高出力415馬力、ディーゼル仕様は最高出力309馬力を発生させる

 実際に走らせた印象は、周りのジャーナリストもそうだし自分もはじめはそう思ったが、ガソリンエンジンの方がキビキビして楽しく思えた。ボディが大きい分のっそのっそと動きそうだが、V6ツンターボはそれを小気味よく動かしてくれるのだ。少々アクセル操作が雑になるが、まぁまぁ気持ちよく走れる。

 ただ、総体的に判断するとディーゼルエンジンに軍配が上がる。80年代からオフローダーを走らせ、世界中のオフロードコースを走ってきた経験からすると、やはりSUVとディーゼルユニットの親和性は高いという結論だ。なぜなら低速で大きなトルクを発揮する特性はオフロードでメリットが大きい。サンドセクションやロックセクションでは小さなアクセルワークが必要となるが、それができるのがディーゼルである。もちろん、それはオンロードでも効果がある。渋滞時のノロノロ運転の時もそうだし、高速道路で一定速度からの加速が楽にできる。確かにガソリンエンジンのキビキビさはないが、総合的にはこちらの方が走りやすい。

 それじゃ乗り心地はどうか。これはドライブモードで色々体感できるので、走行状況で好きなものを選べばいい。ただ全体的にユルくできているため、「スポーツ」や「スポーツ+」が他のSUVのデフォルトで、「ノーマル」がコンフォートといった乗り味になる。「コンフォート」は不整地用だ。開発時にオーストラリアの不整地を3000キロ走らせたそうだが、その時の経験がそこに生かされているのだろう。要するには日本ではあまり必要ないモードだ。

「GRスポーツ」がオススメな2つの理由

 オススメのグレードは今回から加わったGRスポーツに他ならない。理由は2つで、見た目のがかっこいいのとE-KDSSを装備しているからだ。E-KDSSは自動制御で前後のスタビライザーを制御するシステム。今回さなげアドベンチャーフィールドでそれを試したが、効果は抜群だった。イメージ的には足がグッと伸びてタイヤの設置をよくする。路面のギャップを安定して走らせられるのだ。いやはやなかなかの優れものである。

ランドクルーザー GRスポーツ

 もっと驚いたのはこれがオンロードで全く逆の効果を発揮すること。つまり、スタビで足がガッチリ固まってホールド感のある走りを提供してくれるのだ。今回新型ランクルを3度試乗したが、最後にそれを教えてもらって気づいた。E-KDSSの恩恵はオンロードにもあったのだ。GRスポーツ恐るべし!

 と言うのが、ランクル300の総評。はじめは正常進化くらいにしか思っていなかったが、知れば知るほど進化と同時に“深化”しているのがわかった。やばいねコレ。新型ランクルは今年一番欲しいクルマに格上げされた。

トヨタ ランドクルーザー GRスポーツ(10速AT)

  • ■全長×全幅×全高:4965×1990×1925mm
  • ■ホイールベース:2850mm
  • ■車両重量:2560kg
  • ■エンジン:V6DOHCツインターボディーゼル
  • ■総排気量:3345cc
  • ■最高出力:309ps/4000rpm
  • ■最大トルク:71.4kgm/1600-2600rpm
  • ■ブレーキ前後:Vディスク
  • ■タイヤ前後:265/65R18
  • ■新車価格:510万円-800万円(全グレード)
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九島辰也(くしま たつや)

ライタープロフィール

九島辰也(くしま たつや)

外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの”サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。

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