新車試乗レポート
更新日:2021.09.08 / 掲載日:2021.09.07

【受注開始!】SUBARU 新型BRZ プロトタイプ試乗

スポーティモデル「BRZ」の2代目となる新型がついに正式にデビューした。
世界的にも希少なFRスポーツがどのような進化を果たしたのか?
腕に自慢のあるドライバーならば、その実力は気になるはずだろう。
先日開催されたプロトモデル試乗の様子も含めて、その魅力をお伝えしよう。

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● 価格帯:308万~343万2000円
● 問い合わせ:スバルお客様相談センター  0120-052215

●主要諸元(S AT車)
●全長×全幅×全高(mm):4265×1775×1310 ●ホイールベース(mm):2575 ●車両重量(kg):1290 ●パワーユニット:2387cc水平対向4気筒DOHC(235PS/25.5kg・m)●WLTCモード燃料消費率 (総合モード):11.7km/L ●ブレーキ:ベンチレーテッドディスク(F)ベンチレーテッドディスク(R) ●サスペンション:ストラット式(F)ダブルウィッシュボーン式(R)●タイヤ:215/40R18

排気量向上の恩恵は明らか。より優れたスポーツカーへ

 スバルとトヨタの提携により水平対向4気筒搭載の本格的FRスポーツカーとして開発されたBRZ/GR86。新型はその2代目となるが、走行性能の向上とファントゥドライブの質の向上を図るために徹底的に手を加えている。

 第一のポイントはエンジンである。ポート/直噴併用のトヨタD-4S採用の水平対向4気筒は従来型と同じだが、排気量を従来の2Lから2.4Lにアップ。排気量増に比例して最大トルクも増加した。付け加えるなら最大トルク発生回転数は3000回転近く低くなった。しかも、ストロークをそのままにボア径の拡大で賄っているので、7000回転で最高出力を発生する高回転特性は継承。設計設定の許容回転数は7450回転となっている。

 速く走らせるにはレブリミットから逆算したシフトワークが必須だった従来型に対して、新型は中庸域の加速が大幅にアップしたことでシフトワークのアレンジ幅が拡大。加減速を用いたコントロール性も大幅に良くなっている。速くもなったが、意のままに操れるファントゥドライブ性能が明らかに高まっている。

ハンドリングの味付けはGR86とは明らかに異なる

 プラットフォームは従来型の基本設計を元にSGP開発のノウハウを導入して骨格構造を強化。曲げ捻り剛性共に大幅強化。しかも、他の部分の軽量化を進めることで従来車と大差ない車重とした。

 シャシー関連で見逃せないのは遅れて登場する姉妹車となるGR86とのハンドリングの志向の違いだ。それはバネ/ダンパーの味付けレベルではなく、リヤスタビのマウント位置やサブフレーム補強など構造的な変更を加えてまでBRZの走りにこだわり、テールスライド時も含めてトラクションを有効に活かせる特性とした。

 ファントゥドライブやスポーツ性能とは無関係だが、アイサイトの設定も新型の重要な進化要点である。車線維持支援が逸脱警報となり、機能的には簡易型アイサイトの印象は拭えないが、全車速型ACCや歩行者や自転車も対象とした衝突回避システムを採用。MT車に設定がないのは残念だが、タウン&ツーリングに使う機会も多いからATを選択するというユーザーには見逃せない。

 基本はドラテクを楽しむファントゥドライブ派のためのモデルだが、扱いやすく余力を増したパワートレーンやアイサイトの導入もあり、従来型よりもマニア限定度は低下した。

 しかし、つまらなくなったわけではない。走りの表現力が増した感じといえばいいだろう。一般用途向けの性能も向上して、2ペダルならアイサイトも装備。入り口広く、奥行き深く、が新型BRZなのである。

スタイリングは従来型のキープコンセプトになるが、ルーフやフード、フロントフェンダーをアルミ化し、前後左右の重量配分の適正化も図られている。

前方視界を考慮してインパネは水平基調でデザイン。視認性の高いデジタルメーターや乗員の身体をしっかりと支えてくれるホールド性の高いスポーツシートなど、スポーツカーらしいアプローチも見所。

プラットフォームには従来型をベースにSGPの知見を取り入れた改良を実施。インナーフレーム構造や構造用接着剤の採用、高張力鋼板の採用範囲を拡大することで、フロント曲げ剛性やねじり剛性を高めている。これらのシャシー強化により運動性能の向上も達成している。

AT車限定の装備となるが、アイサイトが装着されたことも新型のトピック。運転支援のACCやLDAが備わったことで、ツーリングスポーツとしての資質も大きく高まっているだろう。

従来型の2Lエンジンに対して、新型のエンジンは排気量を400cc拡大。吸排気性能の強化やフリクション低減を図ることで、レスポンスの良化に加えて、高回転域までスムーズに回りきる良フィーリングも手に入れている。

走りはどう進化した?【BRZ(プロトモデル)試乗】

コントロール性が改善、より素直な反応を示す

 中庸域のトルク増で加減速コントロールが圧倒的に良くなっている。これまでは使える最も低いギヤを選択していないと思うようにトラクションをコントロールできなかったが、新型は4000回転くらいの中間アクセル領域でもスムーズに加速していく。この効果は全開加速よりもコーナリングでより効果的。従来型よりもトラクションの利きを高めているが、それでもFR車相対でもオーバーステアに移行しやすい操縦特性だ。トラクションを掛けないとリヤスライドで失速してしまう。従来型に比べるとコーナリング後半の加速域での姿勢とラインコントロール性が改善されていた。新しいパワートレーンと改良シャシーの相乗効果は明らかで、ドライバーの入力に対してより素直に反応するモデルに仕上がっていた。

【結論】ズバリ、BRZのベストバイは

気軽に楽しめるツーリングクーペとして魅力的に進化している

オススメグレード=S (AT車)

 選ぶ理由の8割方がサーキットを含むスポーツドライビングなら加飾を抑えたRのMT仕様を選びたいが、タウン&ツーリングの合間にスポーツドライビングを挟む程度というユーザーならばAT仕様の方がしっくりとくる。新型はAT車も走りの余力がかなり高まっていることに加えて、アイサイトが装着されることも大きな魅力。遠方へのドライブでハンドリングの良さを楽しむならば、ちょっとリッチな内装も楽しめるSをオススメする。

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●文:川島茂夫

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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