新車試乗レポート
更新日:2021.09.03 / 掲載日:2021.09.01

HONDA 新型シビック先行試乗&詳報

1972年のデビュー以来、世界中で累計2700万台を販売しているシビックシリーズ。
先代モデルの10代目は日本市場へハッチバックとセダンが導入されていたが、11代目となる新型はハッチバックのみが導入される。
今回、テストコースでの先行試乗の模様とその車両詳細を紹介しよう。

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高回転域まで伸びの良い1.5Lターボ。上質かつすっきりした走り味が魅力の新型

HONDA 新型シビック
●価格帯:319万~353万9800円
●問い合わせ:Hondaお客様相談センター 0120-112010

●主要諸元(EX)
○全長×全幅×全高(mm):4550×1800×1415 ○ホイールベース(mm):2735 ○車両重量(kg):1370(CVT)/1340(6速MT) ○駆動方式:FF ○パワートレーン:1496cc直列4気筒DOHCターボ(182PS/24.5kg・m) ○トランスミッション:CVTまたは6速MT ○WLTCモード燃費(km/L):16.3 ○燃料タンク容量(L):47(無鉛プレミアム) ○最小回転半径(m):5.7 ○サスペンション前/後:マクファーソン式/マルチリンク式 ○ブレーキ前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク ○タイヤサイズ:235/40R18

CVTモデルのほか、剛性感の高い6速MTモデルも設定

 ホンダを代表するグローバルモデルであるシビックが、11代目へとフルモデルチェンジした。そのグランドコンセプトは、「爽快シビック」。プロトタイプに対面してすぐに、その「現代社会における一服の清涼剤のような存在にしたい」という意図が伝わってきた。スッキリとしつつ上質で若々しいフロントマスクや、伸びやかなサイドビュー、モダンなCライングラフィックのランプが印象的なリヤビューと、大人っぽく艶めくデザインに心を掴まれ、すぐにでも走ってみたい気持ちになった。

 運転席に座ると、Aピラーを50mm後方にずらして確保した、明るく見通しのいい視界や、上質なフィット感を伝えるシートが心地いい。ハニカム形状のダッシュパネルは斬新で、従来のようにスポーティな演出もある。まずは1・5L直4ターボのCVTモデルで走り出すと、すごく滑らかで途切れのない加速フィール。現行シビックが2000回転に届く前にピークパワーに達し、そこから頭打ち状態だったところを、新型は6000回転あたりまでずっと伸びていくのが特徴だ。上質かつスッキリとしていて、静粛性の高さにも感心した。

 6速MTモデルに乗り換えると、ショートストロークでカチッとした剛性感のあるシフトフィールと、先程の伸びやかさ、チューニングされた音が相まって、ワクワクする乗り味が楽しめた。

空力に有利なプロポーションを加え、各部の形状を工夫し空気抵抗を低減。エンジンノイズ、ロードノイズ、風切り音の低減を行い、クラストップレベルの静粛性を実現している。

従来型のシャシーからホイールベースの延長とリヤトレッドの拡大を行い、フロントサスやステアリングのフリクションを削減。リニアなライントレース性を獲得している。

  • 1.5L直4ターボエンジンを継続採用。ターボの見直しなどで高回転まで力強い出力特性を獲得。先代はCVTの方が最大トルクが低かったが、6速MTと同じ24.5kg・mに向上。

  • CVT車は走りのキャラを変更できるドライブモードスイッチを採用。「Normalモード」、「SPORTモード」、「ECONモード」の3つのモードが用意されている。

トランスミッションはパドルシフト付きCVTと6速MTを用意。MTはシフト/セレクトストロークを従来型より短縮し小気味いい操作を可能にしている。

ホイールベースの延長などで後席居住性を向上させた

 新型シビックの伸びやかなスタイリングは、従来から全長を30mm、ホイールベースを35mm拡大するだけにとどまらず、バックゲートの付け根を工夫することでルーフボリュームを50mm低減し、リヤオーバーハングを20mm短縮するなどの進化によるもの。後席のヘッドクリアランスは現行モデル同等を維持しつつ、前方視界は従来の85度から87度に拡大。どの席でも心地いい室内スペースとデザイン性を両立することに成功した。

 室内のインパネは窓の映り込みや落ちる影までを考慮し、使いやすい導線を操作系から収納スペースまでに実現。大型スマートフォンに対応するトレイや、大きなペットボトルも置けるカップホルダーをシフトの邪魔にならない位置に設置するなど、徹底的に使いやすさを追求した。

 パワートレーンは1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボエンジンで、最高出力182PS/6000rpm、最大トルク240Nm/1700~4500rpmを発生。CVTと6速MTともに、ドライバー操作に忠実で高い加速Gが長く伸び続ける気持ちよさを手にしている。エンジンサウンドの質感にもこだわり、加速Gとの連動感がさらに気分を盛り立てる。細かな特性としては、CVTは全開加速性能と環境性能がとくに優れ、MTはそれに加えて加速の伸び感や音と加速の一体感が高くなっている。CVTにはエコ、ノーマル、スポーツと3つのドライブモードの違いも楽しめる。

 そしてもちろん、同乗者の乗り心地をはじめとする快適性も進化。リヤの剛性アップなどでボディのねじれ剛性が19%高まり、磨き上げたシャシーで荒れた路面での不快な入力が小さく抑えられたほか、とくに念入りに対策が施されたのがロードノイズの低減だ。音伝達経路を徹底して塞ぎつつ、吸音材やインシュレーターをボンネットやインパネ、リヤサイドにまで仕込んでよく音を抑え込んでいる。おかげで高速度域でも静粛性の高さは一目瞭然。BOSEサウンドシステムも採用されて、音にこだわる人にもオススメできる。

 先進安全運転支援システムは、単眼カメラからフロントワイドビューカメラに、ミリ波レーダーから超音波に進化し、グレードアップしたホンダセンシングが標準装備。ホンダ初のアダプティブドライビングビームもEXに設定された。まさに、全てに「爽快」が当てはまる新型シビック。来年登場予定のe:HEV、タイプRも今から待ち遠しい。

ハニカムパターンのアッパーグリルとヘッドライトを組み合わせ、上下に薄いデザインレイアウトで構成されたフロントマスク。リヤはテールゲート一体型のリップスポイラーを装着。リヤコンビネーションランプとともに低い位置に配置している。

ルーフ高のピーク位置を先代シビックハッチバックに対して前方にずらし、後方に向かってスムーズに傾斜させることで、まるでクーペのような流れるフォルムとしている。ルーフサイドの溶接にレーザーブレーズ技術を採用し、モールのないすっきりとしたルーフラインを実現。

ヘッドランプはインラインタイプの9灯フルLEDを採用。リヤコンビネーションランプはリッド側ランプの上下まで光らせることで夜間走行時にもロー&ワイドな印象に。

  • ●LX

  • ●EX

    全グレードに18インチアルミホイールを標準装備。LXグレードは軽快なイメージ、EXグレードはダークアクセントを加えてスポーティさと上質さを両立している。

6:4分割可倒式リヤシートを採用。床下収納まで含めると最大で452Lのラゲッジ容量を誇る。扱いやすい横引きタイプのカーゴエリアカバーを標準装備している。

極限までシンプルな不要なカットラインを排除したインパネデザイン。上級のEXグレードは本革巻きステアリングやセレクトレバーにレッドステッチをあしらっている。

  • 表面にハニカムパターンのパンチングメタルパネルを採用したエアコンアウトレットを採用。クリーンな見え方と配風性能を両立している。

EXグレードはプライムスムース×ウルトラスエードのシート表皮でレッドステッチが入る。LXグレードはプライムスムース×ファブリックのシート表皮。

  • 9インチ大画面Honda CONNECT ディスプレーを全車にETC2.0車載器もセットで標準装備。Honda Total Care プレミアム サービスに対応。

  • CVT車にはポップアップ式アームレスト付きのコンソールボックスを標準装備。ワンプッシュで60°まで自動的に開く。

EXグレードには10.2インチフルグラフィックメーターを採用。ステアリングスイッチと連動したレイアウトで利便性を向上している。

新型シビックの室内環境に合わせた専用のBOSEプレミアムサウンドシステムをEXグレードに専用装備。12個のスピーカーを備える。

先進安全運転支援システムのHonda SENSINGを全車標準装備。CVT車はシビック初のトラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)を採用。

●ボディカラー バリエーション

2022年にはe:HEV搭載車とタイプRが登場予定

タイプR予想CG

 新型シビックバリエーションとして2022年にフィットやヴェゼルに搭載されている2モーターハイブリッドのe:HEV搭載車とピュアスポーツのタイプRの導入がアナウンスされている。本誌独自調査によるとe:HEVはシステムを刷新した第二世代バージョンで組み合わされるエンジンの排気量が1.5Lから2Lとなる噂もある。タイプRのパワートレーンは電動化されず、先代と同じ2Lターボエンジンを搭載した正常進化バージョンとなる模様だ。

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●文:まるも亜希子 ●写真:本田技研工業(株)/奥隅圭之

提供元:月刊自家用車

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内外出版/月刊自家用車

ライタープロフィール

内外出版/月刊自家用車

オーナードライバーに密着したクルマとクルマ社会の話題を満載した自動車専門誌として1959年1月に創刊。創刊当時の編集方針である、ユーザー密着型の自動車バイヤーズガイドという立ち位置を変えず現在も刊行を続けている。毎月デビューする数多くの新車を豊富なページ数で紹介し、充実した値引き情報とともに購入指南を行うのも月刊自家用車ならではだ。

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