新車試乗レポート
更新日:2021.03.26 / 掲載日:2021.03.26
NISSAN 新型ノート 実力総検証

まるも亜希子が解説
昨年末の発売以来、販売好調なのがフルモデルチェンジした新型ノート。搭載するのは第2世代として進化したe-POWER。今回は「月刊自家用車」でもお馴染みのまるも亜希子が、その魅力について大検証。
昨年末の発売以来、販売好調なのがフルモデルチェンジした新型ノート。搭載するのは第2世代として進化したe-POWER。今回は「月刊自家用車」でもお馴染みのまるも亜希子が、その魅力について大検証。
フルモデルチェンジで販売好調!

新型 日産 ノート e-POWER●発売日:20年12月23日 ●車両本体価格:202万9500円~
最先端を感じさせるモデルだ
遠くからでもオーラを感じる存在感と、ダイナミックかつエレガントな新型ノートe‐POWER。一気に加速していく電気の時代にふさわしいデザイン、先進的で勢いのある佇まいに、思わず視線が惹きつけられる。
ドアを開ければ、インテリアにも先進感があふれんばかり。センターディスプレイと一体化したメーター、スマートフォンのワイヤレス充電はもちろん、小ぶりなシフトレバーなどの操作系エリアもコンパクトで、未来的な印象と使い勝手の良さを見事に両立している。
加えて、先代から定評のある室内の広さはしっかり継承。新世代プラットフォームを採用し、とくに後席のヘッドルーム、ニールームのゆとりはクラストップレベルながら、クラスで唯一、スタンダードとリラックスの二段階の後席リクライニング機能を備えている。ちなみにラゲッジ容量もクラストップレベルで、奥行き、幅、高さとも広く使いやすい。
そしてスタートボタンを押すと、静かにメーターが明るくなる。新型ノートは小型エンジンを発電のためだけに搭載し、すべてを電気によるモーター走行とする「e‐POWER」を全車に搭載。ゼロエミッション社会の実現を日産からリードしていく、という本気を感じるが、発進加速の鮮やかさ、あっという間に流れにのれる爽快感は、ほかのどのコンパクトカーとも違ってユーザーを満たしてくれる。常にモリモリと多めのパワーを引き出してくれる感覚で、なんのタイムラグも引っかかりもない、滑らかな加速フィールは惚れ惚れするほど。これは、エンジンとモーターを併用するライバルのコンパクトハイブリッドにはない、新型ノートe‐POWERだけの魅力と感じた。
また、このクラスのハイブリッドだと高速道路ではエンジンがかかってくるものが多いが、新型ノートe‐POWERは、旧型に比べエンジンの作動頻度がさらに低減され、電気のスムーズで静粛性の高い走りが非常に感じられる。アクセルのみで加速・減速を操作できるドライブモードも、大きな特徴。ノロノロ渋滞もスポーティな走りもペダル操作でラクしながら楽しめる。そんな新型ノートe‐POWERなら、燃費も優秀だし後席まで快適で、ロングドライブにもぴったりの相棒だ。
鉄壁の守りを誇る頼もしい相棒である
新型ノートe‐POWERには盛りだくさんの先進技術が搭載され、ドライバーに更なる安心をもたらし、同乗者にも快適さを提供している。その大きなトピックがまず、さらに進化した「プロパイロット」だ。ついにナビリンク機能が付き、例えばカーブに差し掛かると、地図情報を読んでカーブの大きさに合わせて減速をしてくれる。
実際に高速道路で試すと、カーブでは設定した最高速度より抑えて走ってくれて、安心感がアップ。停止後約30秒までの追従再開機能もついて、さらに便利に安全になっている。プロパイロットの設定は、ステアリングに設置されたスイッチを押すだけと、指1本で簡単操作。作動中はメーター内にわかりやすい表示が出るし、追従時の挙動のなめらかさ、走行ライン補正の動作も自然で、これならビギナーでも違和感なく使えるはず。
そのほか新たに、コンパクトクラス初となる前方衝突予測警報(2台前)や後側方衝突防止支援システムも搭載。他にも、ふらつき警報や標識検知機能(進入禁止や一時停止等)なども付き、もはや鉄壁の守りでドライバーの片腕となってくれる。
また、クルマ移動が増えるニューノーマル時代に嬉しいニッサンコネクトに加入すればカーライフもより充実する。万が一の際に通報したり自動で救急手配をしてくれる「SOSコール」サービスをはじめ、OTA自動地図更新で、年に何回か無線で最新の道路情報がナビに入り便利。他にもドコモインカーコネクトやドア to ドアナビなど多彩な機能が使えて、カーライフがもっと便利に快適になるはずだ。
さて、近年は日常の買い物などのチョイ乗りから、休日のアウトドアレジャーなどまでコンパクトカーでこなすという場合も多いが、新型ノートe‐POWERこそそんな人たちにぴったり。ここまで走りや燃費、安全性もしっかり優秀なのに、小回り性能の指標となる最小回転半径は4.9mを実現している。前後の視界も広く確保されており、狭い道の取り回しや車庫入れもスイスイできると感じる。そしてレジャーでは、頼もしいのが新次元の走行性能との呼び声高い、本格電動式4WD「e‐POWER 4WD」だ。これなら雪道もちょっとしたオフロードも、もちろん日常のシーンも安心。こうして隅々まで見てくると、新型ノートe‐POWERはどんな人にも優しく、どんな使い方でも快適で楽しくて安心な、「コンパクト王子」と呼びたい超魅力的な1台だった。
【検証1】内外装
最新のデザイン、先を行くユーティリティ



新しい日産エンブレムを身に付ける最初のモデル。Vモーショングリルも新しくなるなど、各部を刷新。キレのある、先進的なデザインだ。

一体型バイザーレスディスプレイなど、インテリアも先進感のあるもの。シートにブラックを採用、ポケッテリアは目立たないように配置して、室内の質感を向上。センターコンソールにはスマホ等用のワイヤレス充電器も用意(グレード別にメーカーOP)。

後席の居住空間はクラストップレベルの広さ。Xはリクライニング機構も備えている。
【検証2】第2世代e-POWERの走り
4つのポイント
【1】他車にない、“電気”ならではの加速力【2】コーナーもワインディングも楽しいアクセルペダルの操作性【3】モーターらしい滑らかな乗り心地【4】クラスを超えた静粛性
唯一無二の、胸のすく電気のドライブフィール

アクセルを踏んだ瞬間に加速するような電気ならではの走りが楽しめる。エンジンのかかる頻度も少なく、高い静粛性が1クラス上の車格感を生んでいる。
搭載するパワーユニットは全車、e-POWER。エンジンは発電のみを担い、駆動はモーターが行う。走行モードは3つ設定されており、エコ・スポーツ・ノーマルから選べる。
【検証3】安全&運転支援機能

進化したプロパイロットを採用〈ナビリンク機能付/緊急停止支援システム〉

プロパイロットの進化したポイント
標識検知機能
速度標識を検知し、制限速度が変わる場合、設定車速を自動で変更(自動反映させるさせないは設定可能)。
カーブ減速支援
ナビの地図情報をもとにして、カーブの大きさに応じて安全に曲がりきれる速度に減速する。
停止後の追従再開時間の延長
高速道路上において、渋滞などで停止した場合、約30秒以内であれば追従のための再発進を継続してくれる。
緊急停止支援システム
プロパイロット走行中、ドライバーの意識反応が得られない等の予期せぬ時にはハザードを点灯しながら徐々に減速し停止する。急速に進む自動運転化時代での安全を考慮しての機能だ。
この機能にも注目!
後側方車両検知警報、衝突防止支援システム
車両後部左右のレーダーで後側方の車両を検知。後側方に車両がいるにもかかわらずウインカーが出された場合には、サイドミラーのインジケーターで注意喚起。それでも車線変更を始めた場合、ブザーとインジケーターで知らせつつ、車線内に戻す方向へ力を発生させステアリング操作をアシスト。
前方衝突予測警報
2台前を走る車両との距離をレーダーでモニタリング。前方の状況を検知し、減速が必要と判断すると、表示とブザーで注意を促す。玉突き事故防止のための警告をする。

※◎○は用意あり、△は一部機能に制限等あり、-は用意なし。月刊自家用車編集部調べ。
【検証4】コネクト機能
便利なNissanConnectを用意
※NissanConnectナビゲーションシステム(メーカーオプション)を装着し、7920円/年(税込)のサービス加入が別途必要。
ドア to ドア ナビ/OTA 自動地図更新
アプリで検索した行き先をナビに送信。クルマに乗ったらすぐ出発。降車後も案内をスマホが引き継いでくれるドア to ドア ナビ。車両搭載の通信機で、ナビの地図更新がOTA(無線)で行える機能も便利。
SOSコール
急に体調が悪くなったり、あおり運転に遭遇したりといった緊急時にオペレーターに音声接続できるSOSコール。オペレーターは必要に応じて警察・救急を手配してくれる。また、プロパイロット装着車なら、万一のプロパイロット緊急停止支援システム作動時にも連動してくれる。
【検証5】4WDも
後輪駆動力は約14倍!! コンパクトクラスながら本格電動四駆を搭載

全車速域、あらゆる路面に対応!
コンパクトクラス以上の実力を持った本格的な電動四駆「e-POWER 4WD」。これは従来の14倍にもなる、最高出力50kWのパワーを持つリヤモーターをはじめ、日産独自の前後独立モーター制御技術を駆使したもの。全車速域で4輪を緻密かつ瞬時に自在に操ることができ、雪道の発進や登坂だけでなく、深雪、追越し、カーブでも安定した走行性能を発揮。さらに、リヤモーターによるエネルギー回生制御で滑りやすい路面でも制動距離が短く安定した減速ができる。また、100km/hの高速域でも4WDでの走行が可能なので、雪道から高速道路まで期待できそうだ。

●文:まるも亜希子 ●写真:澤田和久